近畿財務局職員・赤木さんの遺書と手記に、映画『新聞記者』の出演女優が…自殺した官僚の妻を演じた西田尚美が「涙が出ました」

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近畿財務局職員・赤木さんの遺書と手記に、映画『新聞記者』の出演女優が…自殺した官僚の妻を演じた西田尚美が「涙が出ました」の画像1
赤木さんの遺書と手記に言及した『新聞記者』出演の西田Twitter


 財務省の近畿財務局職員・赤木俊夫さんの遺書と手記が広く国民に読まれ、大きな衝撃を与えている。掲載された「週刊文春」(文藝春秋)は即日完売、普段は政権批判につながるような話題を取り上げようとしないワイドショーもこぞって、この問題を報道した。

 それは、遺書と手記に、森友・公文書改ざんをめぐり、佐川宣寿理財局長の指示があったという決定的な証言や、財務省の卑劣な圧力の詳細が綴られていたことはもちろんだが、改ざんに抵抗する赤木さんが責任を押し付けられて自殺に追い込まれていく苦悩がリアルに伝わったからだろう。

 実際、SNSを見ても、ふだん政治的な問題にあまりコミットしていない人たちがこの自殺に衝撃を受け、積極的にコメントしている。

 そして、芸能人やアーティストのなかからも声はあがっている。先日、本サイトでは遺書と手記の公開当日、俳優の伊勢谷友介が〈国会は政治家が嘘をつく場所になり、官僚が公文書と言う事実を抹消する日本の政治。放っておいて良いわけない〉と、いまの政治や官僚のあり方に疑問を投げかけるツイートをしたことを紹介したが、あらたに、女優の西田尚美もツイッターで赤木さんの遺書と手記に言及した。

 西田といえば、沖縄映画の名作『ナビィの恋』主演が有名だが、近年、バイプレイヤーとして引っ張りだこの女優。『図書館戦争』『真夏の方程式』『リバーズ・エッジ』など数々の映画、『凪のお暇』『先に生まれただけの僕』『集団左遷』などのドラマにも数多く出演し、今クールのドラマでも『アリバイ崩し承ります』(テレビ朝日)で好演を見せていた。その西田が、20日にこんなツイートをしたのだ。

〈文春読みました。映画「新聞記者」で私の演じた役が、読みながらムクムクと湧き上がり、涙が出ました。赤木さんのご冥福を心よりお祈りいたします〉

 そう、西田は先日の第43回日本アカデミー賞の主要3部門で最優秀賞に輝いた『新聞記者』にも出演していた。しかも、その役どころは、自殺した官僚の妻というものだった。

『新聞記者』は、加計学園問題や森友公文書改ざん、御用記者・山口敬之氏の逮捕状差し止め、元文科次官・前川喜平氏へのスキャンダル攻撃などといった実際の事件を下敷きにし、内閣情報調査室の謀略など権力の暗部を描き、大きな話題になった。だが、ストーリーのもうひとつの軸になっているのは、松坂桃李演じる内閣情報調査室員・杉原の外務省時代の上司、神崎(高橋和也)の自殺だ。

 神崎は外務省時代、文書改ざんの責任を押し付けられたあと、内閣府に出向し、今度は総理の“お友だち”が経営する大学新設計画を担当させられていた。その計画には恐ろしい裏があり、神崎は良心の呵責に苦しみ、自殺を遂げるのだが、西田はその神崎の妻を演じていた。

 神崎の自殺のシークエンスは明らかに赤木さんの自殺をベースにしており、西田は赤木さんの遺書と手記を読んで、おそらく改めて映画で役を演じたときの心情を思い起こしたのではないか。実際、シム・ウンギョン演じる新聞記者・吉岡エリカから取材を受け、一旦は躊躇しながらも、夫の無念を晴らすため協力する神崎の妻は、赤木さんの夫人と重なる。

「私の演じた役が、読みながらムクムクと湧き上がり、涙が出ました」というのは、西田の素直な思いなのだろう。

松坂桃李も語っていた映画『新聞記者』出演のリスクと覚悟、西田尚美も…

 だが、西田を評価したいのは、そうした思いを言葉にしてきちんと発信したことだ。そもそも、政権批判に踏み込む映画『新聞記者』は、出演する俳優もバッシングに晒される可能性があり、大きなリスクがともなっていた。実際、主人公である女性新聞記者は『サニー 永遠の仲間たち』『怪しい彼女』などで知られる韓国の実力派女優・シム・ウンギョンが務めたが、当初、日本の女優にオファーしたが断られるなどキャスティングが難航したとの報道もあった。

 だが、松坂桃李ら多くの俳優がそうしたリスクを承知の上で、この映画が描くテーマに共感して、出演をしていたのだ。実際、松坂は日本アカデミー賞の授賞式で「この作品は、僕の知る限り、実現するまで二転三転四転五転ぐらい、いろんなことがあって。それでもこの作品を届けたいという人たちが集まって、撮り切ることができました。僕自身もものすごく、10年ちょっとですけど、やってきて、ものすごくハードルの高い作品、役だと思ったんですけれども、ウンギョンさんと一緒にお芝居できて、最後まで駆け抜けることができました」と、映画公開に至るまでの苦労を明かしている。

  また、「日刊スポーツ映画大賞」作品賞受賞式でも、「『これが公開されたら、僕らいないかもね』とプロデューサーに言われていました。無事公開できればいいなという思いが強かった」と語っていた。

 総理大臣案件を押し付けられ、自殺した官僚の妻を演じた西田尚美もまぎれもなくその一人だった。しかも、西田はそれだけでなく、赤木さんの遺書と手記を読んで感じたことを自分の言葉で発信したのである。

 週明けからは、国会でも赤木さんが自らの命をかけて告発したこの問題が取り上げられる。安倍首相の不正を封じ込めようとする安倍応援団が「新型コロナのこの時期に、森友や改ざん問題をやっている場合か」と圧力をかけてくるのは目に見えているが、そうした声に抗して、真相解明の流れを作り出すためにも、一人でも多くの人に声をあげてほしい。

最終更新:2020.03.22 11:59

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