またまた敗訴、百田尚樹が『殉愛』裁判で自ら露呈した嘘と醜態! こんなフェイク作家が『日本国紀』を書いた

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百田尚樹著『殉愛』幻冬舎

百田尚樹氏の“嘘”が、またも司法によって認定された。やしきたかじん氏とさくら夫人の愛情物語を描いたノンフィクション『殉愛』をめぐる裁判で、再び百田氏と版元の幻冬舎が敗訴となったのだ。

 この裁判は、たかじん氏の元マネージャーであるK氏が起こしたもので、『殉愛』においてK氏は約1200万円の使途不明金を横領した疑いがあるとされ、たかじん氏の妻・さくら夫人に暴言を浴びせたりするなど、素行不良の人物として描かれていた。百田氏から一切の取材を受けていなかったK氏は、これらの記述によって名誉を傷つけられたとして、K氏は百田氏と幻冬舎に1100万円の損害賠償を求めていた。

 11月28日の地裁判決では、裁判長が〈男性が本の中で、マネジャーとしての能力を欠き、金に汚い人物として描かれている〉とした上で、〈裏付けを欠く部分が少なくなく、真実と信じる相当性があるとは認められない〉と判断(共同通信28日付)。名誉毀損を認め、計275万円の支払いを命じたのだ。

 周知のように、百田氏の『殉愛』は、たかじん氏の長女から訴えられた裁判でもすでに敗訴が確定している。

 たかじん氏の長女は今回のK元マネージャーと同様、『殉愛』で百田氏から取材もされないまま悪意たっぷりに描かれ、発行元の幻冬舎を提訴していたのだが、まず、一審では、“長女がたかじん氏の「偲ぶ会」でさくら夫人にヤジを飛ばした”という箇所を東京地裁は「真実ではない」としたうえ、名誉毀損を認定し、幻冬舎に330万円の支払いを命じた。幻冬舎は控訴したが、二審の高裁では別の箇所でもプライバシー侵害があったとして賠償額が35万円増やされ、365万円になる始末。さらに、昨年12月に最高裁で上告の不受理が決定し、名誉毀損が確定してしまった。

 また、『殉愛』自体ではなく、批判報道をめぐる裁判でも、『殉愛』の信用性を否定するような判決が出ている。複数のジャーナリストらが『殉愛』の虚偽について検証した『百田尚樹『殉愛』の真実』(宝島社)に対して、さくら夫人が発行元の宝島社を相手取って損害賠償等を請求する裁判を起こしたのだが、こちらは東京地裁で今月15日におこなわれた二審でもさくら夫人が敗訴し、同書の『殉愛』批判の真実性が認められた。

 しかも、この「さくら夫人vs宝島社」裁判の一審判決文は、『百田尚樹『殉愛』の真実』のさくら夫人がたかじん氏の長女に対して遺留分減殺請求権を放棄させようとしていたという旨の記述について、〈財産や金銭に執着がないという本件小説(注:『殉愛』のこと)に描かれた原告像が虚偽との印象を与え、原告の社会的評価を低下させるといえる〉としながら、その後に、こう結論づけている。

〈(さくら夫人の)評価の低下は、本件小説(『殉愛』)における上記原告像が高潔さにおいて通常人を遥かに超える天使のような人間として描かれていたことからくる相対的なものといえる〉

 ようするに、さくら夫人の社会的評価が低下したのは、批判本の責任はなく、百田氏の『殉愛』が通常ありえない「天使のような」イメージを振りまいたことが原因だとしたのである。

こうした連戦連敗状態に加えて、今回、さらに元マネージャーK氏をめぐる裁判で、自ら損害賠償判決をくらってしまった百田センセイ。ここまでくると、もはや不当判決と言い逃れることも不可能で、まさに、自らの作品にインチキがあったことを満天下に知らしめることになってしまった。

 しかし、センセイが赤っ恥をかいたのは判決だけではない。裁判の途中、口頭弁論などでも百田氏はさんざん醜態をさらしてきた。

取材メモにもさくら夫人の日記にも存在しないセリフが『殉愛』に

『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館)の著者で、検証本『百田尚樹『殉愛』の真実』の執筆者のひとりでもあるジャーナリスト・角岡伸彦氏が自身のブログで『殉愛』をめぐる裁判のレポートを連載。2018年1月に開かれたK氏が百田氏を訴えた裁判の口頭弁論で、百田氏自身が“取材のずさんさ”や“嘘”を露呈させてしまったことを詳しく紹介している。

 たとえば、『殉愛』執筆にあたって、百田氏サイドはさくら夫人の看病日記を執筆の「資料」として用いたと主張し、自らの取材ノートとともに、証拠として提出した。ところが、百田氏は被告側、つまり自分の側の弁護士による主尋問で、そのさくら夫人の看病日記は原本でなく、「(原本の)コピーをとるにしても、非常にびっちり書いてて、間に入るもんはない」「たかじんさんの生活に絞ったものを改めて書いていただけないかと。それをもとに私が質問していきたいということで、いくつか彼女にまとめてもらったものがあります」と述べたのだという。

 つまり、こんな重要な資料さえ、百田氏は原本を自ら直接精査するのではなく、さくら夫人にまとめ直させていたというわけだ。さくら夫人とK氏は対立関係にあるから、後になって日記を再編集させたら、自分に都合のいいストーリーに沿って恣意的に書き換える可能性もある。にもかかわらず、百田氏はそんな一方的な“加工資料”をつくらせたことを自慢げに明かすとは、もはや理解不能だが、原告側弁護士の反対尋問では、さらにずさんな実態が明らかになった。

『殉愛』では、たかじん氏が手術後に集中治療室に入る際、看護師長から「ICUに入るのは奥様だけにしてください」と言われたK氏が「この女は奥さんでも何でもない。最近、出会っただけや」「こんな女よりもずっとたかじんを思ってるんや!」と激昂。さらに「やめてください」というさくら夫人に対して「お前みたいなどこの馬の骨ともわからん女に指図されたくない」と暴言を吐く場面が出てくる。

 ところが、「こんな女よりもずっとたかじんを思ってるんや!」というセリフは、百田氏の取材ノートにも、さくら夫人がまとめ直した看病日記にも、一切載っていなかった。

 また、「お前みたいなどこの馬の骨ともわからん女に指図されたくない!」というセリフも、さくら夫人がまとめたメモに「お前なんかに指図されたない」とあるだけ。「どこの馬の骨ともわからん女に」という表現は、記録のないまま百田氏が付け加えていたものだったのだ。

 他のセリフも、さくら夫人の看病日記にあるだけ。百田氏の取材ノートにはその場にいた看護師長らの聞き取りメモもあったが、そこにはこれらのセリフはまったく載っていなかった。

 そして、原告側弁護士の反対尋問でこうしたセリフが聞き取りメモにないことを追及された百田氏は、法廷で「ないですね」というセリフを繰り返し続けるしかなかったのである。

裁判の口頭弁論で堂々と嘘をつき、たかじんの娘を中傷する百田センセイ

 また、角岡氏は、レポートのなかで、百田氏がこの口頭弁論のなかで堂々と嘘をついていたことも指摘している。原告側弁護士による尋問のなかで、K氏に取材しなかったことを正当化するため、『殉愛』の検証本である『百田尚樹『殉愛』の真実』(宝島社)のことを持ち出し、こう語ったというのだ。

「ノンフィクションを書く場合は、すべて証言をとらなきゃいけないということですが、「(百田尚樹)『殉愛』の真実」という本では、私、それからさくら氏のことをいろいろ書いてますけど、私に取材依頼は1回もありません。そしてさくらさんに対する取材依頼もありません。でも、書いてます。そういうもんです」

 しかし、実際には『百田尚樹『殉愛』の真実』取材班は、百田氏やさくら夫人に対して取材の申し込みをおこなっていた。ところが、両名は応じることはなく、それどころか両名の弁護士から〈記事を掲載、配信等することがないよう〉と書かれた「警告書」が送付されている。

 にもかかわらず、「私にもさくら氏にも取材依頼は1回もない」などと平気で嘘をつく百田氏。厚顔にも程があるが、このとき原告側弁護人はすかさず「さくらさんに対する取材依頼はあったということは、この前、(2017年)10月に宝島社との訴訟で、そういうお話になったのはご存じないですか?」と指摘。すると、百田氏は「忘れてますね、それは、はい」と返答したという。

 法廷で堂々と嘘をついて、それを指摘されると「忘れてました」でおしまい。まさに百田センセイらしい開き直りだが、こうした自ら馬脚をあらわすシーンは、前述のたかじん氏の長女に提訴された裁判の口頭弁論でもしばしば見られた。

 被告代理人による主尋問で、百田氏はたかじん氏の長女が名誉棄損とする記述について“誰に対する取材に基づいているのか”を20数カ所のひとつずつ訊かれていったのだが、百田氏の答えの半分以上は、「奥さんに聞いた」。残りの箇所も『そこまで言って委員会』(読売テレビ)の制作会社・ボーイズ代表取締役の相原康司氏、同じくAZITO代表取締役・井関猛親氏など、さくら夫人の代理人的な動きをしていた人物の名前しか出てこなかった。

 主尋問は被告の幻冬舎側代理人によるものなので、通常は、きちんとした取材をしていることを立証することが目的なのだが、百田氏は逆に、一方的な取材しかしていないことを自ら暴露してしまったのだ。

 さらに、最大の争点であった“たかじんの長女側に一切取材をしないまま誹謗中傷した”という問題に関しても、百田氏は驚くべき主張を展開。主尋問では、長女の話は本のメインではなかったから、というような言い訳をしていた百田氏だが、反対尋問では厳しい追及に窮して「娘さんは信用できないから取材しなかった」と言い放ったのである。

 反論の場をもたない一般人に対する一方的な誹謗中傷が問われているのに、「信用できない」などと法廷でもさらなる誹謗中傷を重ねる……。いったいこの作家はどういう神経をしているのだろうか。

『殉愛』と同じ手法で『日本国紀』を出版した百田と幻冬舎の無反省

 K氏が訴えた裁判の口頭弁論を傍聴し、レポートしていた角岡氏にあらためて、百田の法廷での言動について、感想を聞いてみた。

「裁判で『殉愛』の虚偽が明らかになっていったこと自体は、私自身、この問題をずっと取材していたので、別段驚きませんでした。裁判で明らかになった嘘は、争点に関係していることだけで、あの本の問題はもっといろいろあります。ただ、裁判を傍聴してびっくりしたのは、百田氏のジャーナリズム、取材に対する意識の低さですね。私がブログで指摘した『殉愛』のずさんな取材や百田氏の虚偽の主張というのは、答えに窮してポロリ漏らしてしまったというより、百田氏が自分から堂々と語ったケースが多かった。原告側弁護士から指摘されても『それがなんで悪いの』という感じで、悪びれるところがまったくない。しかも、これだけずさんな取材や虚偽がはっきりしているのに、“裏を取った”“これは間違いないという確信を持って書いた”と、自信満々に言い切ってしまう。本当に取材や裏取りの意味、事実とは何かということをわかっているのか。こんな人が平気で自分の本をノンフィクションと称し、政治や歴史問題について発言していることにあらためて恐ろしさを感じましたね」

 さくら夫人を「天使」として描く一方、たかじん氏の長女やK氏のことは直接取材もせず、さらには取材ノートにも記述のない言葉まで勝手に捏造して「悪人」「金の亡者」に仕立て上げる──。もはや『殉愛』は「ノンフィクション」などではなく、百田氏による悪質な誹謗中傷本であることが数々の裁判ではっきりした。
 
 だが、問題は、こうした判決が下っても、百田氏と版元の幻冬舎にはまったく反省がみられないということだ。

『殉愛』は発売直後から、さくら夫人の結婚歴など虚偽の記述があることが指摘されてきたが、そんななかでも百田氏は開き直りつづけ、幻冬舎も何ら対応をとってこなかった。そればかりか、たかじん氏の長女の名誉毀損が認められた判決が確定した昨年12月以降も、幻冬舎は百田氏の著書を出版。そして、今月には「幻冬舎創立25周年記念出版」と銘打ち、百田氏による『日本国紀』を発売したのである。

『日本国紀』をめぐっては、発売後からネット上でWikipediaなどからの“コピペ疑惑”が指摘され、検証作業がつづいているが、問題はコピペ疑惑だけではない。

『殉愛』が一方的にたかじん氏の親族や関係者を貶める内容であることを裁判所に指摘されながらも、それを出版したことの製造者責任について何の説明もおこなっていない幻冬舎が、『殉愛』と同様に新聞広告を大々的に打って百田氏の『日本国紀』を売り出す、その行為自体が問題ではないか。

 恣意的に嘘を書く人物が書く「日本通史」がベストセラーになるとは世も末だが、製造者責任など無視して百田氏と一体化しつづける幻冬舎にも批判が向けられるべきだろう。

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