テレビで安倍擁護連発、田崎史郎・時事通信特別解説委員に自民党から金! しかも国民の血税「政党交付金」から

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
tazakisiro_01_170101.jpg
TBS『ひるおび!』出演時の田崎史郎氏(16年12月27日放送より)


 自民党の単独過半数、さらに改憲勢力で発議に必要な3分の2に届く勢いなど、与党の優勢が伝えられる参院選。安倍政権がこれだけデタラメな政策を連発しているにもかかわらず、相変わらずの支持率をキープしているのは、やはりなんといっても、応援団マスコミによる“安倍ヨイショ”のおかげだろう。

 その筆頭と言えるのが、田崎史郎・時事通信社特別解説委員だ。田崎氏といえば、『とくダネ』(フジテレビ)や『ひるおび!』(TBS)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)などワイドショーをいくつも掛け持ちし、まるで安倍首相になりかわったかのように政治報道を解説している人物。

 たとえば、昨年の安保法制国会の際には、『みんなのニュース』(フジテレビ)で共演したSEALDsの奥田愛基氏をフジと結託して騙し討ち。『ひるおび!』では作家の室井佑月が多くの国民が反対しているなかで強行採決したことを批判すると、「『国民』て誰のことですか? どこにいるんですか?」と嘲笑い、野党を「デモの人たちの手前、反対をするしかないんですよ」と一方的にヤジった。また最近でも、例の「保育園落ちた」ブログについて保育園不足をお受験問題と意図的にすりかえるトンデモ論をぶち安倍政権を擁護していた。

 そんな田崎氏に、今回、安倍自民党との新たな“癒着”疑惑が持ち上がった。

 田崎氏が安倍首相と頻繁に会食を繰り返していることは有名な話だが、なんと、食事だけではなく、水面下で自民党から“現金”まで受け取っていたのである。しかも、そのカネの出どころは政党交付金。言うまでもなく、原資は国民の血税だ。

 平成25年分の「自民党本部政党交付金使途等報告書」によれば、2013年、自民党本部は4回にわけ、田崎氏に対して合計26万360円を支出している。個別には、13年5月9日に8万1740円、同6月3日に5万6140円、同10月4日に6万8740円、そして同10月31日に5万3740円。いずれも名目は「組織活動費(遊説及旅費交通費)」だ。

 テレビで活躍しているジャーナリストが特定の政党から金を受け取っていた、というだけでも仰天だが、もっと問題なのは、いったいこの金が何の見返りだったのか、ということだ。

 2013年といえば、前年末の衆院選で自民党が大勝し政権が交代、第二次安倍政権が本格始動した年。おそらく、田崎氏は、自民党が政治活動の一環として催した勉強会、集会、政治資金パーティなどで講演等を行い、その報酬もしくは交通費を受け取ったと思われる。

 たとえば田崎氏は、5万3740円を受け取った10日前の2013年10月20日、自民党鳥取県連が20年ぶりに開催した政治資金パーティに出席、〈安倍政権の経済政策などを題材に講演〉したことが確認されている(毎日新聞13年10月21日付鳥取版)。

 ようするに、田崎氏は自民党のカネと支援者集めに協力していたのである。

 こんな人間が毎日のようにテレビに出て、政治について語っているのだから、一方的な安倍応援コメントになるのは当然だろう。しかも、田崎氏にいたっては現在、時事通信の「特別解説委員」を名乗っており、2013年当時には「特別」のつかない「解説委員」という肩書きにあった。

 これは田崎氏個人の問題だけでなく、時事通信社という報道機関のスタンスに関わる問題ではないか。時事通信社が加盟している一般社団法人日本新聞協会の「新聞倫理綱領」には、このように記されている。

〈国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。〉
〈新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。〉(日本新聞協会ホームページより)

 田崎氏の行為は明らかにこの綱領に反するものだ。そこで本サイトは、6月25日、この件について時事通信社に質問状を送付。以下の7項目について、時事通信社の見解を問うた。

1.支出は「遊説及旅費交通費」という名目だが、田崎史郎氏は具体的に自由民主党のどんな遊説や講演会などに参加して、どんな活動を行ったのか。具体的に教えていただきたい。

2.平成25年(2013年)当時、田崎史郎氏は「時事通信解説委員」という肩書きにあった。時事通信社は、自社の解説委員たる田崎史郎氏が自由民主党の遊説や講演会に参加し、報酬を受け取っていることを事前、もしくは事後に認識していたか。

3.通信社の政治報道で重要な役割をもつ解説委員が、特定の政党から「遊説及旅費交通費」との名目で金銭を授受することを、貴社は会社として認めているのか。

4.政党交付金はいうまでもなく、国民の血税である。自社の記者がその政党交付金から支出を受けているということについてどう考えるか。

5.金銭の授受以前に、通信社の政治報道で重要な役割をもつ解説委員が、特定の政党の政治活動に協力することを貴社は認めているのか。

6. 通信社の解説委員が、政権を担当する政党の政治活動に協力することは「権力からの独立」の原則に反していると考えないか。

7.前述の「遊説及旅費交通費」4件は、自由民主党の政党交付金から支出を受けた田崎氏の報酬だが、これ以外に、田崎氏は自由民主党及び同党の議員の政治資金などから支出を受けた事実はあるか。その有無と、支出を受けた場合はその詳細を教えていただきたい。

 ところが、同日中に時事通信社から総務局長名義で返送されたファクスに書かれていたのは、たったこれだけだった。

〈貴編集部からの平成28年6月25日付の質問状を拝見いたしました。
 田崎史郎氏は現在、弊社と雇用関係がありませんので、ご質問には回答しかねます。〉

 時事通信社はこんな言い訳が通用するとでも思っているのだろうか。たしかに、現在、田崎氏が名乗っている「特別解説委員」という肩書きは一種の名誉職のようなもので、社員としての「雇用関係はない」ようだ。

 しかし、田崎氏が自民党の政党交付金からから現金を受け取っていた13年当時の肩書きは「解説委員」。時事通信社のれっきとした社員だった。

 何度でも言うが、田崎氏は時事通信社の「解説委員」=社員でありながら安倍自民党の政治活動に加担し、金銭を受け取っていたのだ。しかも、今も名誉職とはいえ同社の看板を使い、その使用を時事通信社も認めている。

 それを、雇用関係がないから答える義務はないと言い張るというのは、この報道機関の神経を疑いたくなる。

 だが、時事通信社がここまで“安倍政権の御用解説委員”・田崎氏をかばうのも、考えてもみれば当然なのかもしれない。というのも、田崎氏は2013年の1年間だけでも3回も安倍首相と会食を行っているが、同年5月7日には時事通信社の西澤豊社長も同席。東京・丸の内のパレスホテル東京の日本料理店で、安倍首相と仲良く飲み食いしているのだ。

 ようするに、安倍政権との癒着は会社ぐるみであり、時事通信としては「ご質問には回答しかねます」と言わざるをえなかったということだろう。

 まさしく、権力とジャーナリズムの露骨な癒着が明らかになった今回の問題だが、この“金銭授受問題”は田崎氏や時事通信だけの話ではない。

 本サイトが政党交付金使途等報告書を調べる中で、自民党本部からの支出先として、他にも、報道番組やワイドショーに出演しているジャーナリストや評論家たちの名前が複数確認できた。

 また、政党交付金以外にも、政治家の政治資金や官邸の官房機密費から巨額の報酬をもらっている政治評論家、ジャーナリストや新聞記者はごまんといるといわれている。

 こうした問題については引き続き追及していきたいと思うが、いずれにせよ、わたしたちが普段何気なく視聴しているテレビ番組には、田崎氏をはじめとして、特定の政党からカネをもらって“スポークスマン”となっている輩がたくさんいるわけである。こうした安倍政権の下劣な“世論誘導”に、決して騙されてはいけない。
(編集部)

最終更新:2017.02.13 07:30

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

テレビで安倍擁護連発、田崎史郎・時事通信特別解説委員に自民党から金! しかも国民の血税「政党交付金」からのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三自民党の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 小林製薬「紅麹」で問題視される「機能性表示食品制度」は安倍案件!
2 櫻井よしこの朝日攻撃の「捏造」が法廷で
3 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
4 乙武洋匡が不倫旅行、5人の女性と関係
5 安倍派裏金で読売新聞「非公認以上の重い処分」報道の違和感!
6 久米宏が終了決定のTBSラジオで田中真紀子と
7 セカオワFukaseのいじめ発言
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
10 コロナ収束前の「Go To」予算1兆7千億円計上に非難殺到も田崎史郎は…
11 東山紀之、朝鮮学校無償化に言及
12 五輪延期で発覚!安倍のお友だち「アパホテル」に組織委用の部屋
13 石田純一がコロナバッシングで「組織に狙われている」と語った理由!
14 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を攻撃する露骨ぶり
15 安倍は辞任報道でもお友達優遇! 前回のTBS時代の山口敬之が
16 世界的建築家の「カジノありきの万博」批判に大阪市長が大ウソ反論
17 小泉進次郎が「靖国参拝」したのは父親と同じ右派支持狙いの戦略か
18 総裁選で自民党がまた新聞社に圧力文書!
19 松本人志『ドキュメンタル』のセクハラ
20 和泉・大坪の安倍側近“不倫コンビ”の新疑惑を政府機関の理事長が告発

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄