マツコも激怒! AKB新潟進出でNegiccoが潰される!? 背後にパチンコマネーも

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Negiccoのシングル「光のシュプール」(T-Palette Records)

 AKB48の新しい姉妹グループ・NGT48が新潟を拠点として結成されることが発表された。10月1日に新潟県内に新劇場「NGT48劇場」をオープンし、現SKE48劇場支配人候補生の今村悦朗氏が支配人に就任するという。

 日本国内では、AKB48、SKE48、NMB48、HKT48に次いで5番目の姉妹グループとなるNGT48だが、どうやら急遽決まったプロジェクトの模様。アイドル関連に詳しい週刊誌記者はこう話す。

「地元新潟の都市開発を行うディベロッパーからのオファーがあって、発足したとのことで、話が持ち上がったのが去年の12月。以前から検討されていた札幌のSPR48が頓挫したままだということを考えると、NGT48は本当に急遽動き出したものといえそうです」

 少々古い本だが、2011年に刊行されたマーケティングプランナー・村山涼一氏の著書『AKB48がヒットした5つの秘密 ブレーク現象をマーケティング戦略から探る』(角川oneテーマ21)では、AKB48グループの地方進出について、こう説明している。

「AKB48、SDN48はAKSが運営しているが、SKE48の運営は、『株式会社ピタゴラス・プロモーション』が、NMB48の運営は、『KYORAKU吉本.ホールディングス株式会社』が行っている。つまりSKE48やNMB48は、AKSではない他社が運営しているので、日本ではすでにビジネスモデルの販売が行われたことが推測できる。
 ビジネスモデルを販売するということは、NMB48とSKE48のビジネスを手放すということになり、一見マイナス面が大きいように思える。
 しかし、自社だけで展開するよりも早く、各地域に『48』という冠がついたアイドルグループを作ることができるので、次々にローカルを制覇して、リーダーシップを取ることができる。これをローカル・リーダーシップ利益モデルという」

 つまり、AKB48のフォーマットを日本各地に置くことで、日本全体のアイドル業界を手中に収めようというビジネスモデルなのだ。

 ただ、この記述には決定的な間違いがある。2011年当時にSKE48を運営していた株式会社ピタゴラス・プロモーションはパチンコメーカー・京楽の子会社であり、またAKB48を運営するAKSには京楽が出資するとともに外部取締役を受け入れている。つまり、AKB48もSKE48もNMB48も事実上京楽の資金で運営されており、ほぼ同じ組織なのだ。ちなみに、現在はAKB48、SKE48、HKT48がAKSの運営となっており、“ビジネスモデルの販売”は行われていないと考えたほうが正確だろう。

 とはいえ、AKB48グループが日本各地に姉妹グループを配置し、アイドル業界を牛耳ろうとしているのは間違いないわけだが、そんなやり方を快く思わないアイドルファンも多い。

 1月26日放送のTOKYO MX『5時に夢中!』では、AKB48以外のアイドル好きで知られるマツコ・デラックスが「Negiccoが可哀想よ」「邪魔するなよってのがちょっとあるんだよ」と発言。新潟発の3人組ローカルアイドル・Negiccoのホームである新潟県を荒らそうとするNGT48に苦言を呈したのだ。

 NegiccoはAKB48が誕生する前の2003年に結成されたアイドルユニット。JA全農にいがたのキャンペーンユニットとして期間限定で結成されたが、そのまま活動は延長。現在結成12年目のベテランアイドルだ。

 女性アイドルブームのなか、ここ数年で徐々に全国的な人気を獲得してきたNegicco。昨年12月に発売されたシングル「光のシュプール」で、自己最高位となるオリコン週間ランキング5位を獲得し、現在“大ブレイク前夜”ともいわれている。

 そんなNegiccoの運営スタイルについて、『新潟発アイドルNegiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ』(川上徹也/祥伝社)の冒頭では、このように紹介されている。

「Negiccoが所属しているのはNegi-proという個人事務所です。バックに大企業のスポンサーや地元の団体、有名プロデューサーがいたというわけではありません。本人たちの努力はもちろんですが、ファンやスタッフなど応援してくれる人たちの支えがあったからこそ、これだけ長い年月を活動しつづけてこれたのです。
 現在のマネージャーは、自分がやらなければNegiccoが解散してしまうという理由でマネジメントを引き受けました。
 彼女たちのまわりのスタッフたちは、当初はほとんどが無償で自分たちが持っているスキルを提供していました。作詞作曲家も、カメラマンもそうです。仕事としてではなく、純粋に彼女たちを応援したいという思いで関わり、スタッフとして活動していたのです」

 パチンコメーカーの資本で運営されているAKB48グループとは180度異なる、アットホームな運営スタイルのNegicco。そこに巨大なAKB48グループが攻め込んでくるというのだから、Negiccoサイドとしては危機的状況といえるだろう。前出の週刊誌記者はこう話す。

「AKB48グループは若いファンが多く、Negiccoは比較的年齢層が高い音楽ファンが多いので、必ずしもファンを取り合うような形にはなりませんが、これまでNegiccoが担っていた新潟県内でのアイドル仕事をNGT48が奪ってしまうことはあるでしょう。AKB48グループは、広告関連やメディアに強いですから、地元企業のCMやイベントなどはNGT48ばかりになってしまう可能性が高いです」

 ちなみに、HKT48が福岡県に上陸した時はどうだったのだろうか。福岡のアイドル事情に詳しい芸能ライターが説明する。

「HKT48結成前から、福岡にはいくつかのアイドルグループが活動していました。そのなかでも特に人気が高かったのがLinQ。専用劇場も持っていてファンも沢山いました。HKT48も結成当初はなかなかLinQ の牙城を崩すことができなかったんですが、スキャンダルで指原莉乃が移籍したことで、全国的にメディアが注目し、そのままLinQを抜き去ってしまった。やはりAKB48グループはメディアに強いので、すぐに全国的な知名度を獲得できる。そうなったら、ローカルアイドルではなかなか太刀打ちできないですよね」

 現在、LinQはメジャーデビューし地道に活動を続けているが、なかなかブレイクできないままだ。一部ではHKT48運営サイドがLinQに対して圧力をかけたという噂も出ているが、果たしてそういうことはあったのだろうか?

「LinQの運営に関わっていた人物が“今度HKTに圧力をかけられたらただじゃおかない”的な発言をしたことがあるんですが、真偽は不明で具体的な何かがあったわけではなさそうです。とはいっても、AKB48グループはパチンコマネーをバックにメディアを味方につけて無言のプレッシャーをかけているわけですから、ローカルアイドルとしては為す術もない状況だと思いますよ。Negiccoも潰されなきゃ良いんですが……」(前出芸能ライター)

 新潟を拠点に12年間も頑張っていたNegiccoにしてみれば、過去最大のピンチとなるかもしれないNGT48の登場。しかし、AKB48グループは巨大であるがゆえの危険性もはらんでいるという。

 現在、パチンコメーカー京楽の資本を軸に運営されているAKB48グループ。京楽のいちばんの目的はパチンコ機・パチスロ機をいかに多く売るかということであり、AKB48グループはそのための広告塔として機能している。ただ、京楽としてはその目的が果たせれば文句はないわけで、アイドルとしての活動そのものに大きく口出しをすることはないといわれている。

 言い換えれば、京楽の支えがあるかぎり、AKB48グループは自由に活動できるということなのだが、このところパチンコ市場が急激に冷え込んでおり、大手メーカーである京楽といえども、一歩間違えばかなり危ない状況に陥りかねないというのだ。パチンコ業界専門誌記者がこう話す。

「AKB48のパチンコ機の1作目は20万台売れたんですが、2作目は15万台に減少しました。業界的には十分すぎる大ヒットではあるものの、パチンコ業界におけるAKB48のコンテンツとしての勢いは衰え始めています。今後のことを考えると、京楽としても運営コストのかかるAKB48を抱えるメリットがなくなってくるかもしれないです」

 もしも京楽が見切りをつけたなら、AKB48グループはあっという間に資金源を絶たれ、そのまま凋落へ突き進んでしまうだろう。Negiccoとしては“アイドルファンのAKB48離れ”ではなく、“パチンコファンのAKB48離れ”こそを願うべきなのかもしれない。

 ちなみに、NGT48誕生について、新潟県の泉田裕彦知事はツイッターで「突然の発表で、びっくりしました。オリコン5位となったNegiccoとともに、飛躍して欲しいと思います」とコメント。さらにその後もNegiccoのミュージックビデオを投稿しているほか、1月28日の定例会見では「Negiccoに大ブレイクしてもらいたい」と話すなど、どうやらNegicco推しの様子だ。

 このまま泉田知事が味方についてくれれば、NegiccoがNGT48を迎撃することも可能かもしれないが、AKB48グループといえば資金力だけでなく政治力が強いことでもおなじみ。なかなかどうして、Negiccoにとっては厳しい戦いとなりそうだ。
(田中ヒロナ)

最終更新:2017.12.13 09:18

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