秋元康の総合演出決定? 東京五輪に椎名林檎が“日本が恥かく”と危機感表明

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五輪演出を懸念する椎名林檎(「NHKオンライン」より)


 先日開催されたイベント「AKB48リクエストアワー」の最後に発表された、NGT(新潟)48の結成が波紋を呼んでいる。一部報道によれば、これは秋元康が2020年に東京で開催される東京オリンピックを意識した計画で、新潟以降も全国に姉妹グループを発足させる「JAPAN48」構想の一端だというのだ。

 世界が注目するオリンピックの開会式を、JAPAN48が飾る──。この悪夢のような計画に対し、ネット上では「マジ勘弁」「日本オワタ」など否定的な意見が殺到。計画の真偽のほどは定かではないが、秋元が東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の理事であることは確か。しかも、秋元は安倍晋三首相とも昵懇の間柄で、14年の新春対談でも、非難が殺到したASEAN夕食会でのAKBのパフォーマンス披露について安倍首相は「普通ですとね、日本の伝統芸能を見せるんです。いろいろな議論がありましたが、やはり生でAKBを見るとビックリするんですね(笑)。皆さん、目がくぎ付けになって」と、まさかのご満悦。秋元の理事就任時には反対運動まで巻き起こったが、大勢の人が予感し、阻止しようとした「秋元が開会式総合プロデューサーに就任説」は、どんどん現実になろうとしているようだ。

 このような暗澹たる状況のなか、東京オリンピックに強く懸念を示しているのが、椎名林檎だ。なんでも椎名にとって「いちばん気がかりなのが東京オリンピック」だというのだ。

 たとえば、ナタリーのインタビューでは、11月に発売されたアルバムのプロモーション取材にもかかわらず自ら東京オリンピックに話題を移し、憂いを露わにする。

「(東京五輪開催が決まって)皆さん「だいじょぶなのか東京」と、不安を覚えたでしょう? 開会式の演出の内容がおっかなくて仕方ないでしょう?」
「昔から脈々と続く素晴らしいスポーツの祭典が東京で開催されるんですよ。もし自分の近いところに関係者がいるのであれば、言いたいことはありますよ。(中略)J-POPと呼ばれるものを作っていい立場にあるその視点から、絶対に回避せねばならない方向性はどういうものか、毎日考えてます」

 さらに昨年11月8日に放送された『SONGS』(NHK総合)にゲストで出演した際は、写真家の蜷川実花と演出家の野田秀樹を加えて「どうなる?東京五輪」という『朝まで生テレビ』のような題目でトークを繰り広げたのだが、ここではもっと踏み込み、組織批判を繰り出した。

「誰もいいって言ってないのに、なぜかいろんな都合で、あっ、ここはこうなっちゃって、ここはこうなっちゃって、組み合わせちぐはぐでアチャーっていうのが恐いじゃないですか」

 この椎名の指摘は、きっと多くの人が感じている不安な点だろう。しかも、ひとり熱さをほとばしらせる椎名を前に、秋元と同じく組織委員会理事の蜷川が「とりあえずわたしが何かできること、ありますかね?」と弱気になると、

「リーダー決めましょうって(言う)ことじゃないですか」
「トップ決めましょうって言いましょう!」

 と一喝。旧知の仲である蜷川にも不信感が拭えないのか、またしても蜷川が「ほんと言うなら『そんなの超ダサいし、ないっしょ』とか言えればいいんだけど、理事っていう名刺いただいてるからさ、それをちゃんと全うしようと思ってるの。それには、真ん中にまず入んなきゃいけなくて」と組織の論理で言い訳じみた話を始めると、椎名は露骨に醒めた顔を浮かべていたほどだった。

 ここまでオリンピックにこだわりを見せるのなら、いっそ椎名が理事になったほうがいいのでは……。彼女の発言を追っているとそんな気さえしてくるが、しかし椎名にもひとつ不安要素がある。それは“椎名林檎=ネトウヨ説”だ。

 椎名といえば、昨年、サッカーW杯のNHKテーマソング「NIPPON」を手がけ、その歌詞が「純血思想では?」「右翼的だ」と賛否を呼び、11月に発表した5年半ぶりのアルバム『日出処』もジャケットに配されたデザインが旭日旗に見えると話題になったばかり。そこでネット上にもちあがったのが「椎名林檎がネトウヨ化」という声だ。この東京オリンピックへの並々ならぬ懸念も愛国心から生まれているらしく、前述した『SONGS』では、「すごい極端なものが両方あるってところが、ほかの国の比じゃないじゃないですか」「日本が恥をかかないように、日本らしく」と“日本の誇り”を語っている。

 とはいえ、指摘される椎名の「右翼性」とは、そのじつ、無自覚なものだ。問題となった「NIPPON」だって、“スポーツ=戦い”という短絡的な発想に古風なフレーズを掛けあわせたらああいう歌ができあがっただけ。スポーツの熱狂がナショナリズムと密接につながっているという考えにおよばない(それをテーマにした野田秀樹の舞台『エッグ』で劇中歌の作曲まで務めたのに、だ)のは問題だと思うが、本人に確固とした思想性があるわけでもなく、たんなる“和風好き”のレベルだろう。実際、椎名が『SONGS』で東京オリンピックへの具体的な提言としてあげたのは、「ただなんか、花火の自慢だけはしていただきたいっていうのはある」(『SONGS』より)という拍子抜けするものだ。

 もっとも、椎名が東京オリンピックにかかわる確率は低く、それよりずっと深刻なのはやはり、秋元康のほうだ。いま、秋元こそがもっとも開会式プロデューサーに抜擢される可能性が高いわけだが、それこそ秋元が開会式を手がければ、日本の散々たる文化状況が白日のもとに晒されてしまうだろう。椎名が憂う“日本が恥をかく”ときが、刻一刻と近づいているのである。
(水井多賀子)

最終更新:2017.12.09 05:11

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