「壁ドン」の次は「顎クイ」がブーム! 進化する女子の妄想

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ドラマでも顎クイが見られる?(日本テレビ『きょうは会社を休みます。』番組サイトより)


 今年、大ブームとなった“壁ドン”。マンガのなかの女子たちのあこがれシチュエーションだった“壁ドン”は、『近キョリ恋愛』『クローバー』といった少女マンガ原作の恋愛映画や、『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)などのドラマでも多用。その人気は留まるところを知らず、なんとついに、実際に壁ドンされる体験イベントがあちこちで開かれているほど。9月に開催された「東京ゲームショウ2014」でも壁ドン体験ができるブースが設けられ、長蛇の列をなすほどの大盛況となった。

 さらに、“壁ドン”は進化し、壁際にいる女の子の足の間に膝を割り込ませる“股ドン”に、両手両足で壁に張り付く“蝉ドン”など、さまざまな派生形が誕生。なかでも人気なのが、“床ドン”。もはや単に押し倒しているだけとしか思えないが、『アオハライド』(集英社)や『L♡DK』(講談社)といった人気少女マンガ作品でも、女子たちがもだえる“床ドン”シーンがぞくぞくと生み出されている。

 しかし、“壁ドン”につづいて新たなブームとなりそうなのが、ほかにある。それは、“顎クイ”だ。

  “顎クイ”とは、ご想像の通り、向かい合った女の子の顎をクイッと持ち上げるという行動。きっかけは、「Popteen」(角川春樹事務所)の人気モデル“まえのん”こと前田希美が、“壁ドン”につづく萌えシチュエーションとしてTwitterやYouTubeで紹介したこと。顎クイをされている、まえのんのかわいさも相まって、じわじわと流行りはじめているのだ。

 この“顎クイ”は、綾瀬はるか主演で人気を博しているドラマ『きょうは会社休みます。』の同名原作(藤村真理/集英社)にも登場している。“彼氏いない歴=年齢”のアラサーこじらせ女子OL・花笑が、試行錯誤しながらバイトの大学生・田之倉(ドラマでは福士蒼汰)と初めて付き合う様子を描いたこの作品。そこに花笑の会社の上の階に入っているイタリア食品会社のイケメンCEO・朝尾(ドラマでは玉木宏)が絡んで……といった物語だが、原作5巻で、そのシーンは登場する。それは、花笑が大切なお守りを拾ってくれた朝尾にお礼としてケーキをつくる約束をしたことを田之倉に報告する場面だ。

 朝尾にケーキをつくることに、田之倉が怒るかもと後悔し、あれこれ言い訳を並べる花笑。田之倉はそんな花笑をさえぎって、指で花笑の頬ごとムギュと潰し、「オレもケーキ喰いたい」と顎に手を当ててキスするのだ。──床ドンほどの強引さはないが、年下のかわいらしさも残しながら男らしさをアピールできる……どうやら“顎クイ”には、そんな効能があるらしい。福士蒼汰で実演される日がじつに楽しみである。

 また原作では、田之倉だけでなく朝尾の顎クイも見られる。薬を盛られて意識朦朧としていた花笑に付き添い、ホテルで田之倉が来るのを待っていた浅尾。そのとき、花笑を抱きしめ、顎を持ち上げキスしようとするのだが、すんでのところでやめる。無抵抗で無防備な相手に顎クイし、やめるという行動は、思いの真剣さや誠実さの表れでもあるので、普段は飄々としている朝尾がやると、そのギャップもあってより切なさが増すというもの。この切ないシーンを朝尾役の玉木宏がどう演じるのかにも注目したいところだ。

 さらに、前出した山下智久主演で公開中の映画『近キョリ恋愛』の原作(みきもと凜/講談社)でも、いろんなパターンの“顎クイ”がこれでもか!とあらわれる。イケメンだけどチャラチャラした振る舞いをする英語教師・ハルカは、女生徒に「くちびる乾いちゃったからリップ塗って」と言われれば「はぁ?しょーがねぇなぁ」と言いながら左手を顎に添えて上向かせ右手でリップを塗ったり、内緒で付き合っている教え子・ゆにが落ち込み、涙を目一杯にためて堪えれば、彼女の顎を持ち上げ、零れた涙を舌で拭ったり……。これを読むと、“顎クイ”は壁ドン以上に動作にバリエーションがつけられることがよくわかる。しかも、“顎クイ”からのキス、という流れを無視して予想外の行動に出られることで、女子はよりドキドキ感が増すらしい。『近キョリ恋愛』は、“顎クイ”を習得したい人には最良の参考書、かもしれない。

 一方、来年1月からアニメの第2期放送が決定した『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ/白泉社)でも、顎クイが登場。この作品は、ホームレス状態になった女子高生の奈々生が、土地神から家として神社を与えられる代わりに土地神の責務も任され、神使・巴衛に支えられながら奈々生が神様へと成長していく……という物語。そのなかで、巴衛が奈々生の顎を親指と人差し指、中指でガッと掴み、キスしようとするシーンがあるのだ。巴衛は、もとは野狐という狐の憑き物だったため、耳としっぽがあったり、長い爪、銀髪といったいかにも妖狐といった風貌。この“顎クイ”シーンも、頬に添えられた長い爪が映え、妖しい色気もアップしている。妖怪と“顎クイ”、なんとも相性がいいようだ。

 心理学的にいうと、キスをするときに顎を持ち上げる人は“自己主張が強い亭主関白タイプ”なのだという。恋愛に積極的になれない草食系男子どころか、女性に対する興味もなくなった絶食系男子が増殖しているといわれる昨今、女子たちは強引な男子を妄想の世界で愛でているということなのだろうか。──ただし、くれぐれも注意してほしいのは、“顎クイ”も壁ドン同様、「ただしイケメンにかぎる」という前提つきであること。いや、いくらイケメンでも、オレ様な亭主関白タイプはマンガだから楽しめるだけ。リアルでは無理!という女子も多いので、“顎クイ”実践で返り血をあびないよう、気をつけてほしい。
(田口いなす)

最終更新:2018.10.18 04:36

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