自民党新総裁・高市早苗の排外デマ体質を検証!「外国人のシカ暴行」演説の元を書いたのは安倍首相のスピーチライターだった日本会議会長

2025.10.04 10:26
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自民党新総裁・高市早苗の排外デマ体質を検証!「外国人のシカ暴行」演説の元を書いたのは安倍首相のスピーチライターだった日本会議会長の画像1
自民党総裁選特設サイトより


 本日投開票の自民党総裁選で、前経済安全保障担当相の高市早苗氏が新総裁に選出された。15日におこなわれる見通しの首班指名選挙を経て、高市氏が第104代首相に指名されるとみられる。

 メディアはさっそく「日本史上初の女性首相誕生」と大々的に報じているが、戦前の家父長制的家族観を重視し、選択的夫婦別姓制度の導入に強硬に反対してきた高市氏が女性初の総理になったところでジェンダー平等が推進されるどころか後退するのは確実だ。

 しかし、高市氏が総理になることの最大の問題は、本サイトでも繰り返し指摘してきたように、高市氏が故・安倍晋三元首相と並ぶ“稀代の嘘つき・デマゴーグ”だということに尽きる。

 実際、今回の総裁選でも、高市氏は平然と根拠なき話題や嘘、デマを垂れ流してきた。その最たる例が、「奈良のシカが外国人に暴行されている」という主張だ。

 9月22日におこなわれた所見発表演説会で、高市氏は「みなさまこんにちは。高市早苗、奈良の女です。大和の国で育ちました」と切り出すと、こんな話をはじめた。

「奈良のシカをですよ、足で蹴り上げるとんでもない人がいます。殴って怖がらせる人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷めつけようとする人がいるんだとすれば、みなさん、何かが行き過ぎている、そう思われませんか」
「日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るようなら、何かをしないといけません。私、高市早苗、日本をかけがえのない国にしてきたこの古来の伝統を守るために体を張ります」

 喫緊の課題である経済政策でも自身が重視してきた安全保障でもなく、いの一番に主はじめたのが「奈良を訪れた外国人観光客がシカに殴る蹴るの暴行をはたらいている」という主張……。あきらかに参政党ブームからつづく排外主義の流れに乗ろうという魂胆が見え見えだが、この高市氏の発言に対しては疑問の声があがった。

 たしかに、SNS上では昨年から奈良で何者かがシカを蹴ったり殴ったりする動画が拡散。その騒動に便乗するかのように元迷惑系YouTuberで奈良市議に当選したへずまりゅう氏が中心になって奈良のシカが外国人に虐待されている”という言説が流布されてきた。だが、SNS に投稿された動画や画像では国籍はわからず、「外国人の犯行」とはけっして断定できない。

 そのため、高市氏には発言の根拠を問う声が高まったのだが、9月24日におこなわれた総裁選立候補者の討論会で高市氏は「自分なりに確認した」と説明。25日には高市氏の秘書が、旅館関係者らから「(シカの)角を持って振り回したり、頭を叩いたりという行為は頻繁にある」という話を聞いているとし、こう説明したという。

「外国人観光客だけではなく、日本人観光客の一部も、そうしたことをするのは承知している」
「奈良公園に来ている方の8割くらいが外国人観光客なので、事案として見受けられるのはほとんど外国人観光客ということになる」

 ようするに、「奈良公園を訪れる観光客の8割が外国人だから、シカに暴行しているのも外国人だろう」という憶測にすぎない話を、高市氏は自信満々に語っていたのだ。

“奈良のシカ”について日テレのインテビューを受けた人物がネットで攻撃を受けるも、高市は放置

 しかも、9月29日放送の『news every.』(日本テレビ)の取材では、「外国人がシカに暴力?」という質問に対して、高市氏は「これは目撃されている方も多い。私自身も何年か前ですが英語圏の方でしたが……」と言うと、こうつづけたのだ。

「シカせんべいを持ってじらすと、寄ってきて足を踏まれるんです。私もやられました(笑)。最初から素直にシカに食べさせてあげたらいいけど、そういうことをして足を踏まれて、怒ってシカを蹴っている英語圏の国の方がいらっしゃったので、エサをどうやって食べさせたらいいかということから始まって、奈良のシカに関しては、足で蹴るということをしたらいけないんだと私自身が説明したことがございます」

「外国人がシカを殴ったり蹴ったりしている」という話だったのに、高市氏が自身で確認したのは「せんべいに釣られて寄ってきたシカに足を踏まれ、蹴り返した外国人」でしかなかったのだ。

 明確な根拠も示すことなく元迷惑系YouTuberの言説にまる乗りし、外国人嫌悪を支持拡大の材料にする。そのこと自体が総裁の資質が問われるべき問題だが、さらに最悪なことが発生。それは、高市氏の発言をきっかけに一般人が騒動に巻き込まれ、ネット上で標的にされる事態に発展してしまっていることだ。

 前出の9月29日放送『news every.』では、高市氏の発言を検証するために奈良公園を取材し、奈良公園で10年以上ガイドをしているという女性や飲食店を営んでいるという男性が「攻撃的な観光客はあまり見かけない」「(外国人観光客は)フレンドリーにシカと触れ合っている気がします」などとコメント。だが、このコメントが高市支持者らにとって都合が悪かったためか、SNS上では「インタビューに答えていた人物は実在しない」「テレビ局による仕込みだ」という情報が拡散。ついにはコメントした人物を特定しようとしたり、飲食店のレビュー評価を下げてしまうという動きまで起こってしまい、日本テレビも2日になって〈取材にお答えいただいた方や無関係の方に対し、誹謗中傷や迷惑行為等を行うことは、厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます〉とするコメントをHP上で発表するにいたったのだ。

 だが、高市氏は、自身の根拠なき発言をきっかけにして奈良の一般人を危険に晒すような事態に陥っているにもかかわらず、この騒動をスルー。本来ならば支持者らに向けて日テレのように誹謗中傷や迷惑行為をやめさせるコメントを公表すべきだが、現時点では何のアクションも起こしていない。

 しかも、高市氏は同じ22日の所見発表演説会で、さらに根拠不明のデマを垂れ流している。
 
「(外国人を)警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないと聞く。これはおかしい」

 この発言も、「奈良のシカ」発言と同様に疑問視する声が殺到。というのも、逮捕から起訴されるまでには最長23日間の勾留期間があり、「通訳の手配が間に合わない」などということが起こるとは考えにくいからだ。そもそも、そんな事態が頻発していたら、とっくの昔に問題となっているだろう。

 実際、警察や検察からも、高市発言を否定する声があがっている。

〈各地の捜査事情を知る警察幹部は「通訳は潤沢ではないが、取り調べができる期間中に通訳が接触できないという状況ではない」といい、通訳不足で不起訴になった事例は「聞いたことがない」と言う。
起訴するかしないかを決める権限を持つ検察内部でも同様の意見が聞かれた。地方の検事正経験がある幹部は「地方では希少言語の通訳確保に苦労することはある」としつつ、テレビ会議システムを使ったリモート通訳を活用するなどしており、通訳を確保できないという理由で「起訴すべき事案を不起訴にした事例は聞いたことがない」と言う。別の幹部も高市氏の発言は「あまりに根拠不明だ」と首をかしげた。〉(朝日新聞10月3日付)

 その上、発言の根拠を問われた高市氏の事務所も、「実際に不起訴になる事例が頻発しており問題だということを言いたかったのではなく、そういう話が『人口に膾炙する』(人々の間で盛んに話題になる、という意味)くらい、国民の間に不安が広がっている、ということを言いたかったもの」と回答(前出・朝日新聞)。これまた根拠を示すことなく、姑息に話題をすり替えたのだ。

高市早苗は嘘ばかり!統一教会との関係でも、安倍元首相の国葬でも、放送法解釈変更に関する総務省文書めぐっても…

 ちなみに、「奈良のシカを外国人が蹴っている」「通訳が手配できず不起訴」という根拠なき話題を盛り込んだ演説文を監修したのは、安倍元首相のスピーチライターを務め、今年7月に日本会議の会長に就任したばかりの谷口智彦氏だという。だが、高市氏の推薦人代表を務めた古屋圭司衆院議員は「谷口さんが書いたものを参考にしているけど、高市さんなりにリバイス(校正)していますから」と述べている(「週刊文春 電子版」9月30日付)。ようするに、事実が不明だったり証拠や裏付けがない話題をよく調べることもなく取り上げ、外国人排斥を総裁選の目玉にしたのは、高市氏自身ということになる。

 だが、高市氏のこれまでの言動を考えれば、これはいつものこと。それぐらい高市氏は平気で「嘘」をついてきた人物だ。

 実際、2023年に持ち上がった放送法の解釈変更をめぐる総務省の行政文書問題にかんする答弁では、高市氏は当初、「怪文書」「捏造だ」と全面否定、“捏造でなければ議員辞職する”と啖呵を切っていたのに、総務省が行政文書だと認めると、しれっと「内容が不正確」などと表現を変更。それを指摘されると、今度は「捏造と言うと言葉がきつすぎるので、あえて繰り返しは使わない」と、理屈にならない理屈を強弁した。挙げ句、参院予算委員会では、問題の追及をおこなった立憲民主党の杉尾秀哉・参院議員に「私が信用できないのであればもう質問しないでほしい」と、大臣としてあるまじき国会を冒涜する暴言を吐いた。

 また、安倍元首相の国葬が実施された2022年、会合で高市氏が「(安倍元首相の)国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」と発言したと三重県議が投稿。これに対して高市氏は「そのような発言をすることはない」「そもそも大陸という言葉は使わない」などと否定したが、「AERA.dot」の取材に対し、会合に出席したある市議は、高市氏からその旨の発言があったことを証言している。 

 さらに、統一教会との関係についても、高市氏は大嘘をついていた。

 安倍元首相の銃撃をきっかけに、統一教会と自民党議員との癒着が次々と浮上した2022年夏。高市氏は毎日新聞から、統一教会系メディアである世界日報社が発行する月刊誌「ビューポイント」に登場していることを指摘され、8月10日の閣僚就任会見において、2001年に「ビューポイント」に登場したことがあると認めた。しかし、高市氏は「当時私が大変親しくしておりました細川隆一郎先生からのお誘いだった」「『ビューポイント』という本が旧統一教会と何らかの関わりのある本だということも知りませんでした」と弁明していた。

 ところがその後、2001年に登場した「ビューポイント」の対談記事が、じつは「世界日報」の同年1月5、6日付に掲載されたものだったことが判明。しかも、高市氏は1994年から2001年にかけて少なくとも5回も「世界日報」に登場し、「夫婦別姓。私は大反対」「私は家長制度が復活してもいいと思う」「いくら選択的別姓といっても、家族の絆に影響を与えると思う」などと統一教会の思想と共通するような発言を繰り返していたことも発掘された。

 言っておくが、高市氏が「世界日報」に登場していた時期というのは、統一教会が霊感商法や合同結婚式によって大きな話題を集め、社会問題化していた時期だ。ましてや政治家が、「世界日報」が統一教会系メディアであることを知らなかったわけがないだろう。

 ことほどさように、しれっと嘘をつき、問題を追及されると開き直る、話をすり替える、逆ギレをするといったように誤魔化してきた高市氏。息をするように嘘をつく高市首相のもと、高市政権では安倍政権と同様、いや、それ以上に、排外主義や歴史修正主義が幅を利かせ、裏金問題のような不正が再び蔓延することは明白だ。だからこそ、メディアは圧力を恐れず、嘘やデマに徹底的に対抗していかなくてはならない。

最終更新:2025.10.04 10:31

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