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日産への政府保証1300億円は『半沢直樹』のモデル日本航空の倍! 背景にゴーン逮捕から続く菅官房長官と経産省の日産支配
日産自動車ホームページより
総裁選のスローガンで、国民に真っ先に「自助」を求めた菅義偉官房長官だったが、どうやら大企業は別ということらしい。
昨日7日、日産自動車への融資1300億円に、なんと日本政府が保証をつけていたというニュースが飛び込んできたのだ。
カルロス・ゴーン会長逮捕とその後のゴタゴタで経営危機に陥った日産に対して、今年5月、政府系の日本政策投資銀行(政投銀)が1800億円の融資を決めたが、そのうち1300億円について政府が保証。返済が滞れば8割にあたる1000億円を国が補塡する契約をしているというのだ。これは、日産の経営が破綻すれば、国民が1000億円を負担するということとイコールだ。
いま、テレビドラマ『半沢直樹』(TBS)の続編でモデルになっている日本航空の経営破綻の際にも同様のスキームで融資が行われ、約670億円の政府保証をつけて、結果的に約470億円の国民負担が生じたが、日産への政府保証はその倍近く。1300億円というのは過去最大の規模だ。
コロナ対策の補償をあれだけ渋りながら、日産にだけいったいなぜ、こんな優遇措置をとったのか。少なくとも、政権幹部が動かなければこんな無茶苦茶は絶対に通らないだろう。
「政府保証を求めたのは、政投銀からのようだが、それに応じて推し進めたのは経産省、それを菅官房長官が強く後押しした構図のようだ」(全国紙経済部記者)
やっぱりか、と言わざるをえない。というのも、異例の巨額保証を決めたとされる菅官房長官と経産省は、日産の経営危機の端緒となったゴーン会長逮捕にも深く関与しているとされてきたからだ。
日産とルノーの経営統合計画を推し進めはじめたゴーン会長を阻止するため、菅官房長官と経産省が自分たちの息のかかった日産幹部を動かし、クーデターと東京地検特捜部への告発をやらせた──。当時から、そうした見方が根強くささやかれてきた。
「東京地検特捜部を直接動かしたかどうかはともかく、反ゴーン派のクーデターを菅官房長官と経産省が後押ししていたのは間違いない。その結果、日産が経営危機に見舞われたため、最後まで面倒をみざるをえなくなった。それが今回の異例の政府保証ということでしょう」(前出・全国紙経済部記者)
自分たちの謀略のツケを国民に払わせようとはとんでもないが、本サイトはゴーン会長の再逮捕直後の2018年12月に、日産クーデーターと国策捜査への菅官房長官と経産省への関与疑惑をいち早く指摘している。しかも、その後、フランスの新聞が政府関与のメールをすっぱ抜いたことで、情報の信ぴょう性が証明された【詳しくは→https://lite-ra.com/2019/04/post-4663.html】。
以下に菅官房長官と経産省の関与疑惑を指摘した記事を再録するのでぜひ、読んでほしい。そして、国民には自己責任を求める菅官房長官が大企業にどんな甘い姿勢を見せているのか、ぜひ知ってほしい。
(編集部)
日産ゴーン“無理筋”再逮捕でますます強まる国策捜査説! 背景に一体何が?
2018年12月10日、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が再逮捕されたが、結局、逮捕容疑は1回目と同じ、「有価証券報告書の虚偽記載」だった。
1回目の逮捕の際、専門家の間では「虚偽記載は形式犯にすぎず、有罪に問えるかどうか微妙。少なくともわざわざ逮捕するような容疑ではない。特捜部は虚偽記載を入り口に特別背任罪でゴーンを再逮捕するつもりなのだろう」という見方が流れていた。マスコミも検察や日産のリークに乗っかって、海外の不動産を私的に使用していたことなどを、特別背任につながる問題であるかのように大きく報道していた。
しかし、本サイトが早い時点で指摘していたように、これらの疑惑はとても「特別背任」で立件できるような話ではなかったのだ。
「報道されていた不動産の私的使用問題は、購入した不動産が会社名義になっているため、会社への損害を立証しなければならない特別背任は難しい。特捜部もそのことはわかっていたはずです。だから、この間、マスコミに立件できない疑惑を次々流してゴーン=悪者のイメージを流布させる一方で、日産の全面協力をえて、特別背任につながるネタを必死で探していた。しかし、結局、立件できるようなネタは見つからなかった。でも、いまさら後戻りはできない。それで、同じ虚偽記載で再逮捕したということでしょう」(全国紙司法担当記者)
しかも、この再逮捕については、「不当逮捕ではないか」という批判もある。そもそも虚偽記載容疑での逮捕については、1回目の逮捕時から「実際に報酬をもらっているわけではなく、退任後に報酬をもらう合意をしたというもの、これで有罪に問えるのか」という指摘があった。ところが、今回の再逮捕は、その1回目の逮捕と全く同じ「退任後の報酬の合意」であり、対象とする期間を2011年〜2015年3月期から、2016年〜2018年3月期に変えただけだった。検察は、「有価証券報告書は1年1回提出されるものであり、年度毎に、ひとつの犯罪が成立する」と説明しているようだが、元検事の郷原信郎氏は「Yahoo! ニュース個人」でこう指摘している。
〈仮に犯罪に当たるとしても「包括一罪」であり、全体が実質的に「一つの犯罪」と評価されるべきものだ。それを、古い方の5年と直近の3年に「分割」して逮捕勾留を繰り返すというのは、同じ事実で重ねて逮捕・勾留することに他ならず、身柄拘束の手続に重大な問題が生じる。〉
また、今回の再逮捕によって、検察と日産の露骨な司法取引が完全に白日の下にさらされることになり、検察への強い批判の声が上がる可能性もある。
というのも、今回の逮捕対象となったうち、直近2年の「退任後の報酬の合意」には、西川広人社長兼CEOら幹部社員の署名があった。ところが、検察はゴーン前会長と法人としての日産だけを起訴する方針と言われているからだ。
「退任後の報酬の合意でゴーンを逮捕するなら、合意のもう一方の当事者である西川社長の刑事責任も問うというのが普通。検察がそれをしないのは、明らかに西川社長らと司法取引があったということ。しかし、この司法取引は本来の趣旨に反している。こんなものを認めたら、権力争いで対立する相手を陥れることが簡単に出来るようになるよ。もし西川社長が不問に付されたら、司法取引そのものについて批判の声が上がってくるはず」(検察OB)
クーデターの中心人物だった日産執行役員と菅官房長官の蜜月
しかし、こうした捜査の実態を目の当たりにすればするほど、大きくなるのが、東京地検特捜部がなぜ、こんな無理筋の事件に着手したか、という疑問だろう。日産の反ゴーンチームが1年ほど前から極秘にゴーン氏の不正を調査し、特捜部に情報提供していたのは周知の事実だが、どうして特捜部は公判維持さえ危ぶまれる虚偽記載だけで逮捕に踏み切ったのか。
その答えとして、ここにきて再び強まっているのが、安倍政権の関与説だ。
そもそも、今回のゴーン逮捕をめぐっては当初から「国策捜査説」が流れていた。逮捕の裏には、日産、三菱自動車のルノーとの統合、海外移転を阻止する日本政府の意思があったのではないか、という説だ。
たしかに、ルノーの筆頭株主であるフランス政府は三社を全面的に統合し、日産や三菱もフランスに移転させる計画をぶちあげていた。ゴーン氏は当初、この経営統合計画に異を唱えていたが、今年2月、ルノーCEO続投と引き換えに、態度を豹変。「すべての選択肢が考えられる」と経営統合を排除しないことを表明した。これに官邸や経済産業省が危機感をもち、検察と日産幹部らの背中を押したのではないかというものだ。
この国策捜査説には当初、具体的な根拠は全くなかったのだが、ここにきて、安倍政権と日産クーデーター、そしてゴーン逮捕をつなぐ接点が次々と浮かび上がっているのだ。
そのひとつが、ゴーン不正追及の動きが逐一、菅義偉官房長官に伝えられていたとの見方だ。いま、さまざまなメディアで、日産内部にゴーンの不正を調査していた極秘調査チームがあったことが報道されているが、中心人物と名指しされてるのが、専務執行役員で弁護士資格も持つマレー系イギリス人のハリ・ナダ氏と同じく専務執行役員で、広報担当を務めていた川口均氏。このコンビが最初に動いて情報を集め、弁護士、検察との間で計画を詰めていったといわれている。
ところが、そのひとりである川口氏が、菅官房長官と非常に親しい関係にあるのだ。
「日産の本社は横浜ですから、地元選出の大物政治家である菅官房長官とは会社ぐるみで関係があるんですが、川口さんは特別です。なんでも、川口さんが横浜商工会議所の副会頭になった頃から付き合いらしいですが、この数年は、頻繁に連絡をとりあって、会食や会合を重ねていた。社内では“川口さんの後ろ盾は菅さん”というのは共通認識になっていましたから。ゴーンの件も、菅さんに事前に相談していなかったとは考えにくい」(日産関係者)
日産クーデター組が相談していたのは自民党御用達の弁護士だった
川口氏は、東京地検特捜部がゴーンを逮捕した直後、菅官房長官を訪ねて、逮捕の報告と謝罪を行った人物。その際、川口氏が報道陣に「菅さんは驚いた様子だった」とコメントしたことから、「わざわざ菅官房長官が知らなかったと強調したのが、逆に不自然」との声が出ていたが、逐一、菅官房長官に報告をあげ、相談していたと見るほうが自然だ。
実際、ゴーン逮捕前から日産内部に食い込んでいたことで知られる「週刊文春」(文藝春秋)も12月6日号の記事で川口執行役員がハリ・ナダ氏と連携をとっておいたことや、菅官房長官と親しい間柄であることを強調していた。
「菅官房長官のあの冷静な対応をみても、最初から全て織り込み済みだった可能性は非常に高いと思います」(前出・全国紙司法担当記者)
国策捜査をうかがわせる接点はまだある。日産の極秘調査チームが自民党に近い弁護士に相談をしながら、検察への告発を進めていたというのもそのひとつだ。
この弁護士とは熊田彰英氏。特捜部出身のヤメ検だが、今年3月、森友問題の公文書改ざんで証人喚問を受けた佐川宣寿・元理財局長の補佐人として佐川氏にアドバイスをした弁護士。他にも、政治資金規正法違反に問われた小渕優子議員などを担当。“政権の守護神”“自民党御用達”といわれている弁護士だ。
「この熊田氏ともうひとり司法取引に強い弁護士が、検察との間に立って、日産幹部たちの責任が問われずに、ゴーンだけを逮捕するというスキームをつくっていったといわれています。この構図を考えると、官邸に情報が上がっていないわけがない」(全国紙政治部記者)
経産省から送り込まれた日産取締役と、今井尚哉首相秘書官が仕掛人?
さらにもうひとり、安倍政権と「日産のクーデター」を結びつけるキーマンがいる。それは、今年6月から日産の社外取締役をつとめる経産省OBの豊田正和氏だ。豊田氏は、同省の事務次官に次ぐNo.2である経済産業審議官、内閣官房参与なども歴任した大物OBである。
実は、ゴーン逮捕以降、豊田氏は社外取締役という立場であるにもかかわらず、新聞記者が取材に押しかけており、元朝日新聞編集員の山田厚史氏によれば〈今や「夜の広報担当」といった存在〉(ダイヤモンド・オンライン12月11日)になっているという。
いったいなぜか。前述したように、豊田氏が日産の非常勤取締役に就任したのは今年6月。まさに、ルノーとの統合や海外移転を阻止するために、経産省が送り込んだ人物なのだ。
「日産はかつては経産省と非常に近く、有力天下り先だったんですが、ゴーン体制になって以降、経産省OBの受け入れていなかった。ところが、6月に豊田氏が突如、非常勤取締役に就任。その半年後に、ゴーン会長が逮捕された。これは、クーデターを前提にした人事としか考えられません。実際、ルノーとの交渉など、日産の今後の方向性は豊田氏が主導するといわれていますから」(前出・全国紙政治部記者)
しかも、豊田氏は、安倍首相の側近中の側近で、やはり経産省出身の今井尚哉首相秘書官とも近い関係にあるという。
「経産省時代は大きな接点はありませんが、今井氏が資源エネルギー庁次長をつとめていたとき、豊田氏はシンクタンクの日本エネルギー経済研究所理事長として、今井氏の原発再稼働路線を全面バックアップしていた。今回のゴーン逮捕も、この今井=豊田ラインの連携プレーが大きな役割を果たしたということじゃないでしょうか。直接、検察を動かしたというのはないと思いますが、日産の海外移転を防ぎ、自分たちの影響力を復活させたい経産省が、日産のクーデター組を焚きつけた可能性はおおいにある。そして、こうした経産省や官邸の動きを察知した検察が、強引に捜査に及んだということじゃないでしょうか」(前出・全国紙政治部記者)
いずれにしても、ゴーン逮捕は企業を私物化している経営者を“正義の見方”検察が成敗したというような単純な事件ではない。背後には、企業内の権力闘争だけでなく、政治権力の思惑も渦巻いていた。
しかし、その結果がこんな法の公正な運用を危うくし、国際社会も巻き込んだ大混乱を招きつつある。いったいこの責任は誰が取るのだろうか。
(編集部)
※上記記事を配信したのはゴーンを再逮捕した直後の2018年12月17日だが、翌年4月、この記事を裏付けるように、フランスの新聞ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)が14日、関係者のメールから、経産省が日産とルノーの経営統合案を阻止するため介入していたことを報じた。以下にURLを貼り付けておくので、合わせて読んでほしい
ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける新事実! 経産省の日産・ルノー経営統合問題への介入示すメールを仏紙が報道
https://lite-ra.com/2019/04/post-4663.html
最終更新:2020.09.08 01:19
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