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吉村知事とシンクロか、橋下徹も馬脚! コロナ対策過剰論を主張するため「熱中症ではそんな対策してない」と子ども騙しの詭弁に…
『ゴゴスマ』に出演する橋下氏
重症患者の増加に対して“人工呼吸器を早めにつけてるから”などと発言したものの、すぐさま医師たちから否定されてしまった大阪府の吉村洋文知事。うがい薬騒動といい、そのデタラメさや詐術は隠しきれなくなっているが、それは吉村知事をバックアップしてきたあの人も同じだ。
吉村知事と同様、新型コロナ問題で連日のようにメディアに露出しまくり、吉村知事の対策を称賛する一方、PCR検査抑制論を喧伝しつづけている、橋下徹・元大阪府知事だ。
橋下氏といえば、今月8月に入ってからも『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)や『Mr.サンデー』(フジテレビ)、『グッとラック!』(TBS)、『報道1930』(BS-TBS)、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ)などに出演しては、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や同番組に出演する玉川徹氏に言及。こうわめき散らしてきた。
「『モーニングショー』、感染者数ばかりを注目するな!」
「日本のメディア、とくに『モーニングショー』みたいなのが『PCRやれ! PCRやれ!』っていうのは、僕は違うと思う」
「PCRを無症状者まで全国一律で広げていったら、保健所から行政からパンクしていってしまう」
そして橋下氏は、「1億2000万人に(検査を)やって隔離する、なんてことをやることは無理」だの「社会経済活動を復活させると、また(感染者数)増えるんですよ。感染者数というものは“ある程度あるもの”と国民が認識しないと。医療崩壊が生じない限りは、ある程度の感染者数がだらだらとつづいたほうが、みんな『そんなもんだ』と思うから、むしろそちらのほうがいい」だのと主張してきた。
「医療崩壊が生じない限りは」と言うが、もうすでに医療現場からは悲鳴があがり、このままではその崩壊が起こりかねない事態になっているのだが。その上、連日危機感を持つべき数字が叩き出されているというのに、経済活動のために国民はそれに慣れるべきだとは……。
橋下氏は3月の段階から『モーニングショー』を目の敵にし、3月15日放送の『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)では西村康稔コロナ担当相に「どんだけテレビ朝日から文句を言われようが『モーニングショー』から文句を言われようが、検査数については絶対、絞っていくんだと。死者数を落とすために検査は拡大しないんだということをバチーンっと言わないと」などと直談判。必要な人に検査がおこなわれないことで急変して重症化する事例が相次ぎ、死亡にいたってしまうという最悪のケースまで生んだことからも橋下氏の主張がいかに滅茶苦茶なものだったかはあきらかだが、いまだに橋下氏は、首尾一貫して検査拡充を訴えつづけている『モーニングショー』叩きをつづけているのである。
橋下徹がコロナの外出自粛を批判するため「熱中症で外出自粛かけるんですか」とめちゃくちゃな比較
しかも、その『モーニングショー』叩きでは、橋下氏はこんな言いがかりとしか思えないようなまで口にした。
「玉川さんとかは必ず韓国やニューヨークの例を出すんですよ。濃厚接触者を追っていったトレーサーとしてニューヨークは3000人体制を敷いているんですよ。そういう体制とワンセットじゃないとできないし、韓国もなぜできたかと言うと、個人の行動履歴を全部、政府に吸い上げられているんですよ。そういうこととPCR検査の拡大というのはワンセットなんだからね。だから、なんでもかんでも拡大っていうのは絶対違う」(8月3日放送『ミヤネ屋』)
まるで『モーニングショー』が検査の拡大しか主張していないみたいな言い方だが、橋下氏が例にあげたニューヨーク州がトレーサーを3000人投入していることは、『モーニングショー』は7月24日に取り上げて紹介している。同番組は検査の拡大だけではなく、こうした検査以外の施策も積極的に紹介、必要性を指摘してきたが、そうした部分を橋下氏はまるで無視するのである。
だいたい、もはや言うまでもないが、世界では多くの国や地域が診断のためとしてだけではなく「防疫」の観点から検査を拡大し、経済との両立を模索しているというのに、かたやこの国ではまたもや診断のために必要な人が検査を受けられないという2度目の事態が巻き起こり、同時に重症者も増加する事態に陥っている。にもかかわらず、この男は「『PCRやれ! PCRやれ!』っていうのは、僕は違うと思う」「ある程度の感染者数がだらだらと続いたほうがいい」などとほざき続けているのだ。
だが、これでもまだ飽き足りず、橋下氏はさらにあ然とするようなことを言い出した。
それは、19日放送の『ゴゴスマ』でのこと。番組では熱中症の搬送者数が1万2000人以上にのぼっていることを取り上げたのだが、橋下氏は「コロナの死亡者というのを軽く扱ってはいけないのですが、ただね、世の中にはいろんなリスクがあってゼロリスクの社会がないわけですよ」と前置きし、こう語り出したのだ。
「コロナに対応することにかんして、いますごく日本は半ば神経質的に外出自粛だとか営業停止だとか言ってますけど、じゃあね、その熱中症対策として、こういう死者を防ぐために何をするか、じゃあ外出自粛をかけるんですかと。それから、いろんな対策だっていうんだったら、いろんな高齢者の方のところに全部、その冷房か何かを一斉に入れるのかって言ったら、我々それやらないわけじゃないですか。ある意味、熱中症にかんしては、この死亡者、死者というのは受け入れているわけですよ」
「熱中症は感染しないけど、コロナは感染するんで」と突っ込まれても、詭弁を続けた橋下徹
さらに、司会の石井亮次が「(熱中症には)ほんとうに注意が必要」と言うと、再び橋下は口をはさみ、こう畳み掛けたのである。
「我々いま言ったように『注意が必要だ』しか言わないわけでね、じゃあこれだけの死者が出てるんだったら政府をあげて熱中症で死亡者が出ないように総力をあげて、何十兆円のお金をかけてね、対策をやるのかと言ったら、やらないわけじゃないですか。だからやっぱりこれは死者は抑えなくてはいけないけれども、何事もバランスが必要だと思いますよ」
つまり、橋下氏は熱中症の話題と新型コロナを無理やり結びつけ、“熱中症では注意喚起する程度で、死亡者が出ることを受けて入れているのだから、コロナもバランスが必要”などと言い出したのだ。
端的に言ってバカなんじゃないだろうか。小学生でもわかる話だが、新型コロナは熱中症とは違って人から人にうつる伝染性の感染症だ。だからこそ、国は防疫・検疫に総力をあげて取り組まなくてはならない。元府知事であるというのに、そんなこともわかっていないのか……。
さすがにこの橋下氏の発言には、石塚元章・CBC特別解説委員が「ひとつだけ追加で言うと、熱中症は感染しないけど、コロナは感染するんで」「コロナは抑えておかないとその人が大丈夫でもほかに感染るかもしれないけれど、熱中症は感染らないので」と控えめにツッコんでいたが、このツッコミを受けても橋下氏は、こう強弁し続けた。
「感染らないんであれば対策はやりやすいんですよ。感染らないんだったら。だけどそこには政府をあげて、日本の総力をあげて『熱中症で死者は絶対に出しません!』って、対策本部立ち上がってないじゃないですか。これ毎年ですよ」
“対策やりやすいのに対策本部を立ててない”って、対策本部は対策がやりやすいかどうかで決めるものではない。むしろ、行政は対策が立てにくい困難な問題こそ率先して取り組むべきだ。いくら、「熱中症は感染症ではない」というツッコミで答えに窮したとはいえ、でまかせにもほどがある。それとも、これ、橋下氏が知事や市長時代、対策を立てやすくてすぐに得点を稼げる政策しかやらなかったことを自らゲロったのか。
というか、そもそも「熱中症だって対策していないんだから、新型コロナ対策も必要がない」という橋下氏の論の立て方そのものがおかしいのだ。もし「熱中症対策がされていない」と感じたのだとしたら、熱中症対策にもきちんと取り組め、と主張すべきではないのか。
実際、熱中症対策も気候変動対策も国をあげて必要なものだ。一部自治体がすでにはじめているように、生活が苦しい世帯に向けて冷房器具購入を補助するなどの対策が必要だし、年々被害が大きくなっている熱中症や豪雨水害などは地球温暖化による気候変動の影響が指摘されている。この気候変動問題が国をあげて取り組むべき喫緊の課題であることは言うまでもない。
CO2削減も詭弁弄し攻撃、吉村知事のインチキ発覚で「橋下的詐術」の限界が…
しかし、もちろん橋下氏がそんなことをきちんと考えているわけがない。実は、この日の『ゴゴスマ』には、古舘伊知郎も出演しており、この流れを受けて古舘が橋下氏に地球温暖化問題についての考えを正していた。
ところが、さっきまでコロナ対策の不要を訴えるために熱中症問題を持ち出していた橋下氏は、今度はこの温暖化対策について不要論をぶち始めたのだ。
「いまのこの温度がCO2の影響かどうかっていうのはまだわからない」「CO2以外にもヒートアイランド現象とか都心化とかいろんなものが絡み合っている」など、トンデモまがいのCO2原因懐疑論を蒸し返した上、こう主張したのだ。
「政治には優先順位が必要で、たしかにCO2削減はやらなきゃいけないんだけど、アフリカ行ってください。まだ水も飲めないとこがあるんですよ。トイレないとこがあるんですよ。伝染病が蔓延しているところがあるんですよ。先そっちじゃないですか」
たしかに、発展途上国のなかには、CO2削減より目の前の対策や衛生環境整備、という国はある。しかし、だからこそ、これまで環境破壊で富を獲得してきた先進国はこうした発展途上国のぶんもCO2削減に取り組む必要があるのではないか。それを、アフリカは衛生環境整備ができていなかから、CO2削減よりまずそっち、などというのはアフリカの貧困や衛生問題の完全な悪用でしかない。
ようするに、橋下氏はコロナ対策を求める声には熱中症を持ち出し、熱中症対策、温暖化対策を求める声にはアフリカの衛生問題を持ち出し、というふうに、問題への対策を否定するために、別の問題を持ち出しているだけなのだ。
アフリカの衛生問題を持ち出した橋下氏に「だったら、アフリカの衛生問題に取り組みましょう」とアプローチしたら、きっと「宇宙ゴミの問題が解決されてないから、まずそっち」とかなんとか言うのではないか。
橋下氏がこうした話のすり替えで問題の対策を否定しつづける背景にはもちろん、彼の強固な新自由主義思想がある。
大阪府知事や大阪市長時代、医療や保健衛生行政を大幅削減・合理化して、大阪の医療体制を脆弱化させたことが象徴的なように、とにかく、橋下徹という人は人々の生活や福祉のために金を使うのがとことん嫌な人間なのだ。その結果、弱者がどうなろうと、社会がどうなろうと知ったこっちゃないと考えているのである。
しかし、橋下氏がほかの新自由主義の政治家と違って狡猾なのは、本当は住民にさらなる負担とサービスカットを強いる政策しかしていないのに、「大阪のために頑張っている」と大阪府民、大阪市民を完全に騙してきたことだ。いま、メディアで見せているような詐術と詭弁で批判や疑問の声を封じ、そのイメージだけを巧みにつくり上げてきたのである。
だが、こんな詐術がいつまでも通用するはずはない。ここにきて橋下元知事の手法をそっくり受け継いだ吉村知事のインチキが次々発覚しているが、これは“橋下的詐術”に国民や大阪府民が気づきはじめたことの表れなのではないか。
(編集部)
最終更新:2020.08.22 11:25
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