田崎史郎が検察庁法改正問題で「黒川検事長と安倍首相は近くない」と嘘八百の政権擁護! 大谷昭宏、ラサール石井にツッコまれ馬脚

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田崎史郎が検察庁法改正問題で「黒川検事長と安倍首相は近くない」と嘘八百の政権擁護! 大谷昭宏、ラサール石井にツッコまれ馬脚の画像1
TBS『ひるおび!』5月12日放送より


 多数の有名人を含む多くの国民からTwitter上で「#検察庁法改正案に抗議します」の声が上がっているというのに、安倍首相は昨日の国会で「さまざまな反応があるんだろう」とあっさり片付け、与党は予定どおり今国会での成立を目指しているという。つまり、これほどまでの国民の反対の声を無視して押し切る気でいるのだ。

 言うまでもなく、いまは新型コロナの影響で待ったなしの状態にある人たちを救うための生活支援策に早急に取り組むべきときだ。だが、その肝心の第二次補正予算案は今月中を目処に編成するなどというタラタラした対応しかしていないのに、政権が検察人事に介入できるようにする法案は国民の声を一顧だにせず信じられないスピードで審議を進めるとは……。

 コロナ禍での安倍政権のこの横暴に、さすがに一部のワイドショーも検察法改正案の問題を取り上げたが、そんななか、本日放送の『ひるおび!』(TBS)で、またもあの人が露骨な政権擁護を繰り出した。言わずもがな、政治ジャーナリストの“田崎スシロー”こと田崎史郎氏だ。

 まず今回の問題をおさらいしておくと、“安倍政権の番犬”とも呼ばれる黒川弘務・東京高検検事長は今年2月に63歳の誕生日を迎え定年退職となり、次期検事総長には黒川氏と同期の林真琴・名古屋高検検事長が就くことになると見られていた。ところが、今年1月に安倍内閣は、検察官に適用される検察庁法ではなく国家公務員法を適用するという脱法行為によって、黒川氏の定年を半年延長することを閣議決定。だが、1981年の政府答弁では「国家公務員法の定年延長は検察官に適用しない」としており、そのことが指摘されると、安倍首相は唐突に「法解釈を変更した」と言い出したのだ。

 さらに、昨年の秋に内閣法制局が審査を完了させた検察庁法の改正案では、検察官の定年を現行の63歳から65歳に引き上げ、ただし63歳になったら検事長や次長検事などの幹部の役職から退かなければならないという“役職定年制”を設けたものだったにもかかわらず、今回国会に提出された法案では役職定年に例外を設け、内閣や法務大臣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めれば最長3年そのポストにいつづけられる、という特例をあとから付け足したのだ。

 ようするに、今回の検察庁法改正案は、後付けで黒川氏の定年延長を正当化する上、時の政権が検察幹部の人事に介入することが可能になるという、三権分立を崩壊させる内容になっているのだ。

 いかにこの改正案が民主主義を破壊するものであり、だからこそ多くの人が声をあげているわけだが、こうした問題点を踏まえ『ひるおび!』のMCである恵俊彰は「(黒川氏を定年延長させたことの)後付けみたいにこの法律が見られてしまうわけですよね?」と田崎氏に質問。すると田崎氏は、いけしゃあしゃあとこんなことを言い出したのだ。

「まあ、これ仮に(法案が)成立しても、夏の人事で黒川さんが仮に最高検の検事長になられたときに『はい、そうですか』と言う人はいないでしょうから、後付けにもならない、正当化にもならないと思いますよ。別個の問題なんです、これ」

 黒川氏が検事総長になってもどうせ文句は言われるんだから後付けにも正当化にもならない……って、そんなバカな話があるか。しかも「別個の問題」などと言うが、検察庁法改正案に特例が設けられた経緯を見ても、あきらかに黒川氏の人事のために付け加えられたとしか思えない。いや、黒川氏の問題を抜きにしても、検察幹部人事への権力の介入を可能とする大問題なのだが。

田崎「政府は国民が選んでるんだから問題ない」にラサール石井が真っ向反論

 だが、この“安倍首相の代弁者”の無批判な姿勢に、声を荒げる者がいた。火曜コメンテーターでジャーナリストの大谷昭宏氏だ。大谷氏は同じく独立性が求められる裁判官を例に挙げた上で検察庁法改正案の危険性を訴え、田崎氏にこう迫ったのだ。

「こういうことをしていったらですね、司法の独立というのはここが蟻の一穴で、いくらでも崩れていく。それ、ジャーナリストとしてですね、『ダメだよ、これは!』という声をあげなきゃいけないんじゃないですか?」

 三権分立が脅かされようとしているのに何も言わない田崎氏はジャーナリスト失格だ。そう言わんばかりに、政権擁護を垂れ流すだけの田崎氏に大谷氏は怒りをぶつけたわけだが、しかし、田崎氏はそれに答えず、こんなめちゃくちゃな言い逃れを口にしたのだ。

「政府は誰が選んでいるかっていうと、国民の選挙によって選ばれているわけですね」
「国民の投票によって議員が選ばれて、議員のなかから過半数を制したところが内閣を構成する。それが議院内閣制ですよね」

 ようするに、「三権分立の危機に『ダメ』と言わないのはジャーナリストとしてどうなのか」と批判されたのに、田崎氏は“国民が選んだ代表が決めたことなんだから問題ない”などと主張しはじめたのである。

 まったくふざけるな。選挙に勝ち、多数決で決められた者がすべてを白紙委任されているわけではない。しかもいまは三権分立という民主主義の大原則を崩そうという独裁的な法改正がなされようとしている。だからこそ国民は声をあげているのではないか。実際、この田崎氏の詭弁に、ゲストのラサール石井はこう切り込んだ。

「いま田崎さんがおっしゃったのは、最終的に国民に行き着いていますよね。国民が選んだ人たちなんだから、という。で、国民がこれだけTwitterで声をあげているんだから。つまり、『内閣選んだから全部任せりゃいいんじゃないか』って話じゃないじゃないですか。必ず間違うことがある。それを監視するために国会があり、野党がいるわけですよね。国民が見ているわけだから。その声を、まったく無視するというのはおかしいんじゃないか」

 しかし、田崎氏は「ん〜、だから無視はしていないと思いますよ。そういう意見があるっていうことを聞いて、いま審議しているわけですよね」などと返答。安倍自民党は国民の意見をまったく聞き入れず、改正案をそのまま押し通そうとしているのに何を言うかと思うが、さらに田崎氏はとんでもないことを主張し始めた。

「黒川と近いのは安倍、菅でなく山下元法相」の嘘を大谷昭弘に指摘された田崎史郎

 なんと、 “黒川氏と安倍首相が近いというのは嘘で、黒川氏を引き立てたのは別の閣僚だ”と主張しだしたのである。

田崎「黒川さんについてはですね、安倍さんや菅さんに近いとよく言われて、そう思われているんですけれども、この人事を決めたのは、あの〜、東京高検の検事長に決めたのは、前任の法務大臣の山下貴司さんなんですよ。で、山下貴司さんは前任の上川陽子さんと相談しながら決めているんですね。で、官邸はね、安倍さんも菅さんもあの当時話していて、『林さんでもいいのにな』という話をされていたんですよ。でも、法務省がそこまで言うならそうしようかっていうことで、むしろ後ろから乗っかったかたちなんですよ」

恵「じゃあなんで(黒川氏は)『政権におもねる方』って話になってきているんですかね?」

田崎「それはね、僕はこの間の、2〜3年の報道の仕方。一連の報道を見ると、全部安倍さんや菅さんのせいになっているんですよ。でも、僕が自分で取材する限り、決められ方が違うんですよ。やっぱり去年まで法務大臣やられていた山下貴司さんがわりと、そこで決められている話なんですよ」

 黒川氏を推しているのは安倍首相や菅義偉官房長官ではなく山下元法相……!? まったく寝耳に水の珍説が飛び出したのだが、山下氏は石破派所属の3回生議員で、安倍首相が法相に抜擢したのは「石破派を干している」というイメージを払拭するため。山下氏は安倍首相と思想の近さはあっても子飼い議員ではけっしてない。だいたい、安倍首相への影響力もなければ現役法相でもない山下氏が、今年1月、どうやって前代未聞の検事長の定年延長をやらせられるというのか。

 実際、司法界の事情に詳しい大谷氏が、再び田崎氏の話にこのようにツッコミを入れた。

「田崎さん、ちょっとねえ。いま田崎さんがおっしゃっていた林さんの人事にかんしていうと、私が聞いている話はちょっと違いますね。山下さんはむしろ林真琴さんの千本ノックを受けたと言われるぐらいの検察官だったんですね。ですからそのへん裏話になってきちゃいますけど、どっちが本当かわかりませんけども、一概には、いまの田崎さんのお話に私としては頷く気にはならないですね」

 しかも、田崎氏は「報道が間違っている」と言うが、御用メディアである読売新聞でさえ、黒川氏を定年延長してまで次期検事総長に推したのは安倍首相と菅官房長官だとはっきり書いている。

〈次期検事総長の人選は、昨年末から官邸と法務省との間で水面下で進められた。同省から複数の候補者が提案されたが、安倍首相と菅官房長官は黒川氏が望ましいとの意向を示したという。〉(2月21日付)

バービーも「“政治と自分って無関係じゃないんだな”と気づいた人たちが動いた」

 無論、ここまでして安倍首相や菅官房長官が黒川氏にこだわったのは、本サイトが繰り返し報じてきたように、黒川氏がこれまで安倍政権の不正をめぐる捜査をことごとく潰してきたからだ。小渕優子経産相(当時)の公職選挙法違反疑惑で秘書のみが在宅起訴で終わったのも、贈賄側の実名証言まであった甘利明経済再生相(当時)の口利きワイロ事件で甘利本人はおろか秘書すら立件されなかったのも、森友学園への国有地不正売却や公文書改ざんで政権や財務省への捜査が潰されたのも、黒川氏が現場に圧力を加えた結果だといわれている。法務大臣官房長だった黒川氏は、その間、事務次官、東京高検検事長と出世してきた。

 ラサール石井は、田崎氏が唱えた“黒川氏と安倍首相・菅官房長官は近くない”説に対し、「この間にですね、いろいろな問題を起こした大臣の方々たちがほぼすべて不起訴になっている。甘利さん、下村さん含め。というようなことで、ちょっとおかしいんじゃないの?ってみんなが思っているということだと思いますけど」とツッコミを入れていたが、こういう疑念を持たれるような不起訴案件が立てつづけに起こってきた結果、いま多くの人が声をあげているのである。
 
 火曜コメンテーターのバービーは「今回、Twitterでこういう声があがったのも“政治と自分って無関係じゃないんだな”と気づいた人たちがやっと動いたというか、自分たちが声をあげないとまずいんだと気づいた人たちがかたまったのかなと思うんです」と述べたが、そうした国民の声をいま安倍首相は無視し、田崎氏をはじめとする御用ジャーナリストが必死になって火消しをしたり矮小化したり、あるいは陰謀論によって打ち消そうとしている。だが、そうした勢力に萎縮する必要はまったくない。おかしいことはおかしいともっと大きな声をあげなくては、安倍首相やその取り巻きによって民主主義が壊されてしまう危機的状況にある。そのことは揺るがない事実だからだ。

最終更新:2020.05.12 10:09

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