錦戸亮も退所 ジャニーズ帝国の“崩壊”はSMAP飯島マネ追放から始まっていた! ジュリー体制に展望見出せないタレントたち

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ついに関ジャニ∞から錦戸も脱退し事務所も退所!


 ついに“帝国”の崩壊がはじまった。ジャニー喜多川氏のお別れ会が盛大に執りおこなわれたばかりの翌5日、ジャニーズ事務所が関ジャニ∞の錦戸亮のグループ脱退し、9月30日でジャニーズを退所することを発表したからだ。

 ジャニーズ事務所が発表した文書によると、錦戸の脱退・退所が決まったのは今年3月末としているが、実際、3月7日に発売された「週刊文春」(文藝春秋)は、昨年の渋谷すばるの関ジャニ脱退後、錦戸は解散を強く主張していたとし“錦戸の退所に向けて話し合いが進んでおり、夏までに結論を出す予定”と報道。今月3日に千秋楽を迎えた5大ドームツアー後には進退が公表されるだろうとみられていた。

 しかし、錦戸の脱退・ジャニーズ退所は、大きな意味を持つ。まず、錦戸は関ジャニのなかでもドラマの主演を数々張ってきた人気メンバーであり、昨年もNHK大河ドラマ『せごどん』に重要な役どころで出演。音楽面でも昨年脱退した渋谷とともにメインボーカルを担当してきた。すでにファンのあいだでは「メインボーカルどうするの?」という心配の声が上がっているが、グループ内の“ドラマの顔”がいなくなるだけではなく、錦戸の脱退によって関ジャニの音楽活動が困難になることは確実。つまり、TOKIOのような“空中分解”状態になる可能性がある。

 さらに、関ジャニはゴールデンタイムのメイン番組『ありえへん∞世界』(テレビ東京)のほか、『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)や『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ)など数々の冠番組を持つ。こうしたテレビでの活動は嵐に次ぐもので、嵐の活動休止後、関ジャニはその後を担うはずだった。それが渋谷につづく錦戸の脱退によって、グループとしてパワーダウンすることは必至。テレビもメンバー個別の活動がメインになっていくだろう。

 コンサート動員数やファンクラブ会員数、そしてテレビでの活躍度でいっても、嵐なき後ジャニーズの屋台骨として支えるべきグループだった関ジャニ。それが、人気メンバーである錦戸の脱退・退所によって、その役割を果たすことが難しくなってしまったのである。

 しかも、いまのジャニーズは嵐・関ジャニの代わりを担えるような後進育成が進んでいるとは言い難い。あれほどジャニーズがゴリ押ししたHey! Say! JUMPをはじめ、Kis-My-Ft2、Sexy Zoneも、コンサート動員数などでは安定していても、嵐や関ジャニのようにグループとしてゴールデンで番組を持てるほどの一般人気や認知度は持てていない。昨年デビューしブレイクしたKing & Princeにしても、来年同時デビューさせる予定のSnow ManとSixTONESにしても、いきなり嵐や関ジャニクラスの活躍を求めることは現実的にありえない。

 いや、最大の問題は、創業者ジャニー喜多川氏の不在に、関ジャニの空中分解、そして嵐の活動休止によって、ジャニーズのブランド力が一気に低下することだ。ようするに、“ジャニーズ帝国”がついに崩壊に向け、目に見えるかたちで突き進んでいる状態に入ったのだ。

 だが、このジャニーズ帝国の崩壊は、実際にはもう数年前からはじまっていた。言わずもがな、その“崩壊のはじまり”は、SMAPの独立騒動、飯島三智マネージャーの追放だ。

飯島マネを追放しジュリー独裁支配を構築するも、社員やタレントからは不安と不満が

 関ジャニにしても嵐にしても、そのロールモデルがSMAPにあることは論を俟たない。グループ活動だけではなく、メンバーそれぞれがドラマ、バラエティ、司会者など幅広く活躍し、その人気をグループ人気にフィードバックさせてゆく──そのスタイルを最初につくり上げたのは、SMAPのマネージャーだった飯島三智氏である。光GENJI以降、アイドル冬の時代を迎え、ジャニー喜多川社長もメリー喜多川副社長も旧来のアイドルの売り出ししかできず、何の打開策をなく沈没しかけていたなか、飯島氏がジャニーズの常識を破り、SMAPをとおして新しいアイドルグループのかたちを生み出した。飯島氏がいなければ、ジャニーズは“ジャニーズ帝国”と呼ばれる今日のような一大勢力に伸張することもなかったし、メディアを支配するような権力をもつこともできなかったはずだ。

 つまり、メリー氏の娘でジャニーズ事務所の後継者である藤島ジュリー景子副社長は、SMAPのノウハウを嵐やTOKIO、関ジャニといった後継グループでそのまま使ったに過ぎず、おそらくSMAPという前例がなければ何もできなかったのである。

 現に、ジャニー氏はジュリー氏の手腕に疑問を持っており、むしろ飯島氏を評価し、自分のかわいがっているグループを飯島氏に預けるようになった。しかし、これがメリー氏とジュリー氏に怒りを買い、結果、SMAP解散独立の引き金となり、飯島氏はジャニーズ事務所を追放されてしまった。

“中興の祖”と呼ぶべき飯島氏の功績を一切認めず、その上、SMAPという国民的グループを解散にまで追い込んで、ジャニーズ事務所における権力を掌握したジュリー氏。しかし、本サイトでは何度も言及してきたように、以前から、そして実権を握ってからも、ジュリー氏は、所属タレントや事務所スタッフ、芸能マスコミからその手腕を不安視されてきた。

「ジュリーさんはクリエイティビティもないし、金儲け主義で、タレントを育てようという意識が薄い」(テレビ関係者)
「ジュリー氏はメディアだけじゃなくて、社内のスタッフ、タレントの間でも評判がよくない。アイデアも人望もなくて、金勘定のことばかり、と。『ジュリーさんじゃ、会社がもたない』とはっきり言うスタッフもいる。タレントもどんどん離れて抑さえが効かなくなり、それこそ、バーニングやケイダッシュの草刈り場になってしまうんじゃないか」(ジャニーズ事務所関係者)

 実際、ジュリー体制が進めば進むほど、ジャニーズ事務所はかつての力を失い、内部的なほころびも目立つようになった。たとえば、不祥事。TOKIO山口達也の未成年への強制わいせつ事件にNEWS小山慶一郎と加藤シゲアキ、手越祐也の未成年飲酒などの事件が相次いだが、その対応もお粗末きわまりないものだった。とくに山口の事件では、いつもの強権的なマスコミ対応で通じると思ったのか、稚拙な対応で傷口を広げ、山口を契約解除せざるを得ない状況に追い込まれ、TOKIOのグループとしての仕事も破綻しかけている。

 こうしたジュリー体制のなかで、SMAP以外にもメンバーの脱退やグループの解散、活動休止が相次いだ。ジャニー氏や中居正広に近かったタッキー&翼の解散や今井翼の退所、滝沢秀明の引退・プロデューサー転身は明らかにジャニー社長とジュリー氏の対立の影響によるところが大きいのはもちろん、ジュリー派の関ジャニから渋谷が脱退、ジュリー氏の唯一・最大の成功体験である嵐までもが、大野智の脱退話に端を発し、2020年末で活動休止することになった。大野はジャニーズも退所する見通しで、これは事実上の解散だ。

 そして、今回の錦戸の関ジャニ脱退・ジャニーズ退所……。ようするに、SMAPの解散・飯島氏の追放によってジュリー体制を鉄壁にしたつもりが、プロデュース能力、マネジメント能力が一気に低下して組織がガタガタになり、さらに最後の求心力の源だったジャニー氏の死去によって、ジャニーズは完全に将来への展望を失ってしまったのだ。

影響を与えて赤西仁の退所後の活躍 長瀬智也、関ジャニ大倉、山下智久、堂本剛も

 無論、ジュリー氏も周辺から漏れる“悪評”を気にしてか、ジャニー氏の葬儀では霊柩車の助手席に遺影を持った滝沢を座らせたり、お別れ会の演出をメインで任せたりと、滝沢新社長を前面に押し出し、ジャニー氏亡き後も体制はとれているとアピールしているが、さりとて滝沢がいくら力を発揮しても、飯島氏のような新しいアイドル像を打ち出すような手腕を期待できるかは疑問だ。実際、滝沢が社長となってYouTubeチャンネルの開設などネット展開が進んだと言われているが、それは他社もずっと前からやっていることであって、何も目新しいものではない。

 しかも、錦戸の脱退・退所によって、後を追う者がさらに出てくるのは間違いない。現在、名前が上がっているだけでも、TOKIOの長瀬智也、関ジャニの大倉忠義、山下智久、堂本剛など、独立話が持ち上がっているメンバーは枚挙にいとまがないが、その背景には、ジュリー体制への不安はもちろん、退所後も活躍できる前例が出ていることも大きい。新しい地図の3人もそうだが、とくに影響を与えているのが、2014年に退所した元KAT-TUN・赤西仁の存在だろう。

 赤西は退所後、中国にマーケットを広げ、音楽にドラマにと活躍。中国版のTwitter「微博」(ウェイボー)ではフォロワー数は約275万人にものぼり、昨年12月に「ウェイボーアカウントフェスティバルインジャパン2018」で「最も影響力のあるアーティスト賞」を受賞したほか、音楽でも賞を受賞。さらに国内でも、2016年には俳優の山田孝之とユニットを組んでCDデビューしたり、立ち上げた自主レーベルがユニバーサルミュージックジャパンと業務提携を結んだりと、順調に活動をおこなっている。

 方向性を縛られることもなく音楽活動し、自由に発信をし、自分で選んだ仕事ができ、それで十分稼いでいける──。結婚も制限され、自由な活動・発信も縛られ、さらには手腕が心許ないジュリー体制のなかにいるジャニーズタレントたちにとって、この赤西の成功が大きな揺さぶりになっていることは想像に難しくない。

 そして、タレントたちの退所以上にジャニーズの崩壊を一気に進めることになるのは、テレビへの影響力だ。

 ジャニーズ事務所はこれまで、人気タレントを出演させている立場を使って、テレビ局に対し、キャスティングへの口出しからスキャンダル報道の封じ込めまで、さまざまな圧力を行使。それによって絶対的な力を保ってきた。だが、嵐がいなくなれば、こうした圧力もいままでのようには効かなくなるのではないか。そうした声も上がりはじめているのだ。

 ジャニーズがタレントのテレビ出演のゴリ押しもできず、スキャンダル報道も抑え込めなくなる──それこそが“ジャニーズ帝国”の終わりだ。すでにその日に向かって、カウントダウンははじまっているのかもしれない。

最終更新:2019.09.06 11:49

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