堀江貴文はやっぱり頭よくない!『サンジャポ』で「デモの絵面がヤダ」「税金泥棒は捨て台詞だからいいじゃん」

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テレビで年金デモを語ったホリエモンだが…(TBS『サンデージャポン』6月23日放送回より)


 ホリエモンこと堀江貴文が「年金デモ」参加者に対し、「税金泥棒」などとイチャモンをつけ、大炎上した問題。当の堀江が、23日放送の『サンデージャポン』(TBS)に生出演し、「税金泥棒」炎上問題について語った。

「税金泥棒」をはじめとしたツイートの問題点については、本サイトでも先日詳しく指摘したが(https://lite-ra.com/2019/06/post-4789.html)、いったいテレビで、堀江がどんな言い訳をするのかと見ていたら、想像以上にみっともない開き直りの連発だった。

『サンジャポ』では、まず、堀江の〈ほんとそんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め。〉というツイートを紹介した後、町山智浩氏と古谷経衡氏の批判ツイート、さらに「よく言ってくれた」などという賛同ツイートも紹介。

 これを受けて、爆笑問題の田中裕二が「なんでこんなこと言ったの?」と問うたのだが、堀江は悪びれもせず、こう答えたのだ。

「この(デモの)映像見て、気持ち悪い。メッセージとか、参加してる人たちの、太鼓叩いてるやつとか、超ヤダ」

 スタジオに失笑が起きると、堀江は半笑いでさらに重ねた。

「ほんと、嫌いなの。こういうのが。絵面としてイヤなんすよ」

 民主主義の正当な権利であるデモをディスった理由を問われて、「気持ち悪い」「絵面としてイヤ」としか言えないとは……。ラサール石井は堀江を「てめえなんか全然頭よくないからな」と批判、本サイトも先日の記事で、堀江が年金の基礎知識やデモの背景すら知らない“バカ”なのではないか、と疑問を呈したが、この男の頭の悪さは想像以上かもしれない。

 その後も同様だった。杉村太蔵が「それは政府に対してきちんと抗議している人たちに、たいへん失礼な発言ですよ」と諌めるのだが、堀江は笑いながら「失礼じゃないですよ」と言い張るだけ。

 最近、ケント・ギルバートの後を追いかけ、ネトウヨ化しているデーブ・スペクターが「堀江さんが言ってるのは、これはいわゆる市民団体とかプロ市民がたくさん入ってるって意味よ」と助け舟を出すと、今度はそれに乗っかって「プロ市民ぽい。気持ち悪い」などと「気持ち悪い」を連発しはじめる始末。デモや抗議集会を「プロ市民」と決めつけるのは、頭の悪いネトウヨ特有の陰謀論だが、ホリエモンはそのことすら知らないらしい。

 さらに、田中が「(みんなが)引っかかってるのが、「税金泥棒」という発言」と話を戻すと、堀江はこんな弁解を始めた。

「それは、だってさあ、最後に捨て台詞で“このクソヤローが”って言ってるのと一緒ですよ。捨て台詞なんだけど、いちばんこれがめちゃくちゃバズって、この“税金泥棒め”に引っかかって、サヨクっぽい人とかが、バァーって湧いてきて」

 デーブから「どこの部分が“泥棒”なのか、よくわからない」といわれても、「それはさ、捨て台詞に対して、なんかいろいろ言ってくるんだけど、そういうとこは熱くなるところじゃないじゃん、と思って」「泥棒め、っていいじゃん、別にそれくらい」と開き直る。

 太田が「“バカヤロー”って言ったのと同じことだってこと?」とフォローすると、堀江は「そうそうそうそう、バカヤローに対して反論したって仕方ないじゃないですか」と、またこれに乗っかる。

年金問題への無知を「ただの捨て台詞」とごまかすホリエモン

 しかし、堀江はたんに捨て台詞で「バカヤロー」の代わりに「税金泥棒」と言っただけではない。堀江は想田和弘氏が「税金泥棒」ツイートを批判したことに逆ギレして、こんな投稿もしていたのだ。

〈お前相変わらず文脈とか行間読めねーんだな。親切に教えてやるよ。このデモに参加してる奴の大半は実質的に納税してる額より給付されてる額の方が多いんだよ。それを税金泥棒って言ってんだよ。〉

 あ〜、読み返すたびに、頭の悪さに愕然とする。そもそも、年金制度では税金以外に保険料も徴収されているし、サラリーマンや低所得者層の年金給付が納税額や保険料より多いのは、30年間以上の物価や賃金の上昇、富の再分配という考え方からして当たり前だし(そうじゃなかったら、みんな私的年金か貯蓄に走って、公的年金に入る国民なんて誰もいなくなるだろう)、現に政府はずっとそのことを喧伝し、国民に約束してきた。いま、国民が怒っているのは、その約束が実質的に崩れそうになっているからだ。堀江はそんなことも知らないで、ただデモをディスっていたのである。

 ところが、『サンジャポ』で、堀江はそうした反論にまともに答えるでも訂正するでもなく、「熱くなるところじゃないじゃん」「反論したって仕方ないじゃないですか」などとごまかすことしかできなかった。

 しかも、堀江はやめときゃいいのに、ツイート同様、付け焼き刃でお勉強した年金問題の知識をひけらかして、さらなる単細胞を晒した。

「だって、年金なんてさ、昔っから、修正賦課方式になった時点で、もうヤバいわけです。つまり、少子化になったら給付が開始される年齢をどんどん後にしていって、60歳、65歳、70歳みたいにしていかないと、制度が成り立たないんで。とはいえ、あのジーピフ(GPIF)っていう、あれですよ、年金の運用してるところとかの人、めちゃくちゃちゃんとやってるんですよ。運営やって増やしてるし、すげーがんばってるんだけど。これは、もう過去の何十年も前に作った人たちの責任。いまの人たちはめちゃくちゃがんばってる。昔の人たちが、さんざん食い物にしてきたグリーンピアとかさあ、年金の金を無駄遣いして大変なことをしてきた人たちの責任を被って、がんばってやってるの。そういうやつに文句言っても仕方ない」

堀江「いまの政府はめちゃくちゃがんばってる」「文句を言っても仕方ない」

 何を後出しジャンケンで偉そうに言ってるのか。堀江は「修正賦課方式」とか「グリーンピア」などをもちだして、「昔の話」にしているが、年金の無駄遣いが発覚したのは、2000年前後のこと。ずっと放置されていたのを、メディアや野党が騒いで、国民が怒ったから、大きな問題になったのだ。

 それなのに、堀江はいま起きている批判、国民の怒りについては「いまの政府はめちゃくちゃがんばってる」「文句を言っても仕方ない」などといって、批判を封じ込める。

 あのね、グリーンピアは売却されたけど、政府が抜本的な改革をせずに、国民を騙して給付開始年齢引き延ばしや給付削減でごまかそうとしている状況は、いまも同じなのだよ。

 しかも、堀江は年金積立金の運用「GPIF」を「めちゃくちゃちゃんとやってる」というが、いま、そのGPIFの危険性が指摘されているのを知らないのか。安倍政権になって、年金積立金をリスクの高い株式投資につぎ込む比率を大幅に増やした結果、積立金が景気の影響を大きく受けるようになった。この数年間は世界的な好況を受けて、運用益を増やしたが、これからは景気悪化で、年金積立金を目減りさせるのではないかという懸念が高まっているのだ。実際、2018年10~12月期には14兆8039億円の赤字を計上した。

 さらに、GPIFは総額30兆円以上とも言われる日本株を保有しているため、株式市場に与える影響を考えると、保有株を売って利益確定したくてもそれができないという問題もある。

 年金制度はそれこそいまも問題だらけで、「文句」を言い続けなければ、いつ年金破綻がおきてもおかしくないのだ。それを「文句を言っても仕方がない」って、そういう発想がグリーンピアなどの年金無駄遣いを放置した最大の原因じゃないか。

 まあ、でも、こんなことをいくら説教しても堀江には馬の耳になんとやら、だろう。

 そもそも、堀江は年金のことなんかどうだっていいのだ。10年ほど前、ひろゆきに、「特定のキーワードをツイートするとお金もらえるスポンサー持ってる」とステマをバラされている動画がネットで拡散しているが、この男は、自分のブランド価値が保てて儲かりさえすれば、それでいいのである。

最後は「安倍ガー」叩き、百田尚樹ら安倍応援団と変わらなくなったホリエモン

 しかも、『サンジャポ』を見てもよくわかるように、社会問題に対する知識もないし、深いことなんて何も考えていない。

 たとえば、驚いたのが、杉村太蔵が「税金泥棒という言葉を置いておいても、“もらってる給付よりも納めてる税金のほうが少ない”と“そんな奴がデモしてる、真面目働け”と。こういう発言の根底にはね、やっぱり堀江さんは納税してるやつが偉いんだ」と、堀江のツイートの背景に新自由主義思想があることを質したときのことだ。てっきり堀江は竹中平蔵みたいな人頭税導入論でも語るのかと思いきや、なんと「そういうふうに思うのが、まず「僻み根性」などと否定することしかできなかったのだ。

 空前絶後のスカスカぶりだが、だったら、なぜわざわざ年金問題に首を突っ込み、「デモに参加するより働け」とか「納税しろ」とかデモをここまで過剰にディスってくるのか。もはや単なる新自由主義を超えた新自由主義ファシズムとでも呼びたくなる。

 本サイトは、ホリエモンがこのところ、政権批判の動きばかり攻撃するようになっている一方で、自分は安倍政権下で自分のかかわる事業が国から恩恵を受けている、と指摘した。堀江はロケット開発を手掛ける「インターステラテクノロジズ」なる企業を2013年に立ち上げたが、じつは同社は経産省の「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」に公募に応募し、2015年度〜2020年度の計6年間の委託先として決定している。

 これって、自分が安倍政権の恩恵を受け続けるために、安倍政権の批判者を叩いてるということにならないか、と。その疑いは、この日の『サンジャポ』でさらに濃厚になった。

 デモ嫌いの太田が「ホリエモンが引っかかってるのが、あれはパフォーマンスなんじゃないのってところ」というと(この日の太田はホリエモンに匹敵するくらい酷かった。この問題は別稿で指摘したいと思っている)、堀江は我が意を得たり、とこう応じたのだ。

「結局、“安倍ガー”って言う、安倍さんが嫌いな人たちが、安倍さんをなんとかして政権から追い落としたいっていうところの、そういうことがメインなわけ、あの人たちは」

 言っておくが、今回の「年金返せ」デモの主催者は「『年金返せデモ』は、年金保障の問題をテーマにした有志の個人によるデモ」と明言しており、実際「年金問題のシングルイッシューで、直接的な政権批判はコールしない」「年金のテーマ以外の弾幕や旗は控えてください」など事前に繰り返し呼びかけていた。それを“安倍ガー”と決めつける。もはや、ホリエモンの発想は百田尚樹や小川榮太郎など、ネトウヨ安倍応援団となんら変わらないということだろう。

 全くため息しか出ないが、しかし、謎なのは、こんなホリエモンを崇め、今回の税金泥棒ツイートに「よく言った」と快哉を叫び、一緒になって年金デモを攻撃する信者がたくさんいることだ。あんたらこそ、ホリエモン的弱肉強食社会では、いいカモでしかないと思うのだが……。

最終更新:2019.06.24 02:20

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