谷査恵子氏が海外に飛ばされる? 一方で安倍昭恵夫人の政府職員“私物化”が次々発覚! 私塾の事務局まで

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安倍昭恵オフィシャルサイトより


●谷査恵子氏がイタリアへ? 安倍首相側近は「ちょうどいい」

 一昨日の国会で内閣支持率を根拠に妻・昭恵氏の証人喚問を拒否した安倍首相。その一方で、安倍政権は関係者の“口封じ”に必死だ。なんと、昭恵夫人付きとして財務省に“口利きファクス”を送るなどの役割を担っていた政府職員・谷査恵子氏が、近々、海外に飛ばされるというのだ。

 谷氏の人事について報じたのは、昨日発売の「週刊新潮」(新潮社)。同誌によると、総理大臣夫人付から外れたあとは中小企業庁経営支援課に配属され、準キャリアながら課長補佐に昇進した谷氏。そして、「谷さんは間もなく、イタリアにある政府機関に異動する予定」(政治部記者)という。

 この転勤は森友問題発覚以前に決まっていたというが、萩生田光一官房副長官は「ちょうどいいタイミング。事態が沈静化するまで向こうにいたらいい」と発言していたという証言を同誌は紹介。安倍政権としては渡りに船で、谷氏にすべての責任を押し付けたまま“逃避”させるらしい。

 だが、いくら政府が谷氏のファクス文書を「職務上作成したものではない」「行政文書ではない」と言い張っても、もはや国民は誰も納得しないだろう。実際、昭恵夫人が夫人付の政府職員を自分の手足としてこき使ってきた事実は掃いて捨てるほどあるからだ。

 たとえば、10日に開かれた衆院決算行政監視委員会では、民進党の宮崎岳志議員が、2015年9月〜11月という3カ月、夫人付の常駐スタッフ2名はどんな「公務遂行補助」にあたっていたのかと質問。この3カ月間は昭恵夫人が小学校の名誉校長に就任したり、籠池理事長から昭恵夫人への電話を受け、谷氏が財務省に働きかけを行っていた時期だが、この委員会で明らかになったのは昭恵夫人の“やりたい放題”ぶりだった。

●スキーイベント、田植え、私塾の事務局にも動員

 土生栄二内閣審議官の答弁によれば、「外交にかんするものが8件20日、外交にかんするもの以外が2件2日」というものだった。この「外交以外の2件」というのも、外交同様、昭恵夫人が安倍首相に同行したものに過ぎず、昭恵夫人単独としての「公務」はゼロだったのだ。

 約3カ月のあいだだけをとっても公務はゼロなのに、「連絡調整」という名のもとに専属スタッフを2名も常駐させていた。しかも、この間、夫人付の政府職員は、昭恵夫人の講演会随行や籠池理事長とのやりとりなどを行っていたのだ。

 既報の通り、この期間外でも昭恵夫人は自民党の選挙応援に夫人付スタッフを引き連れていたことが判明。これは国家公務員法違反にあたるが、昭恵夫人の横暴はそれだけに留まらない。

 現在わかっているだけでも、「安倍昭恵と行く 80年代のスキー復活!」なるキャッチコピーが躍るスキーイベント「私をスキーに連れてかなくても行くわよ」に2015年から3年連続で夫人付が同行。また、2016年8月に昭恵夫人はハワイの真珠湾を訪れたが、このときも計3名の職員が同行。同年11月25日には、“第2の森友学園”と呼ばれる学校法人加計学園主催の「第6回加計学園杯日本語弁論国際大会決勝大会」に出席したが、同様に夫人付が付き添っている(東京新聞4月12日付)。

 しかも、もっと酷いのは、昭恵夫人は自分が主宰する事業の主催を、夫人付職員に担当させていたことだ。

 昭恵夫人は2014年に“女性の働き方や教育のあり方を考える”ための私塾「UZUの学校」を開校したのだが、Facebookで同校の講義参加者募集の告知を見ると、「公開・主催者:谷査恵子さん」と出てくるのだ(2015年12月6日開催の第5回講義まで)。つまり、昭恵夫人は、自分が校長の私塾の参加者募集告知といった事務局業務を公務員である夫人付職員にやらせていたのである。

 昭恵夫人はこのほかにも、安倍首相の地元・山口県下関市に「昭恵農場」を開き、無農薬の酒米を栽培しているが、昭恵夫人はこの農場での田植えに谷氏を動員、谷氏もTwitterで「腰が痛いのに本当に明日田植えに行くのかなあ私」(2016年6月11日)とつぶやいていた。

●安倍政権で夫人付職員が1名から5名に増える異常

 前出の東京新聞によると、総理夫人を支援する職員の配置がはじめて行われたのは、第一次安倍政権時。その後の福田内閣は不在で、続く麻生〜野田内閣までは1名が配置された。しかも野田内閣までは非常駐で、〈首相が外国を訪問する際に夫人が同行したり、外国要人を接遇したりする活動を助けることが主な目的だった〉という。しかし、第二次安倍内閣が発足すると、職員は3名に増員、2014年からはさらに2名増やして計5名となり、挙げ句、うち2名を常勤としたのだ。

 政府はその理由を「業務増大のため」などと言うが、その業務とやらは実際のところ、学校の事務局運営や田植えやスキーへの同行だったのである。

 昭恵夫人が居酒屋を経営したり、はたまた農場だのゲストハウスだの学校を開いたりすることは、言ってしまえば、たんなる“自己実現”だ。そんな極私的活動の事務作業や田植えなどの雑務を夫人付職員に押し付けていた。無論、昭恵夫人が「私人」などではなく総理大臣の妻という「公人」であるから夫人付という職員が派遣されているわけだが、その職員を自分の自己実現・自己表現のための私的活動で酷使するとは、これを昭恵夫人の“お嬢様気質”として見過ごすことは、もはやできまい。

 国家公務員の給料は税金によって賄われている。そして、国家公務員は“国民全員の奉仕者”であることが求められる。そうした基本を総理夫人としてよくよく理解しているのなら、自分の召使いのごとく職員を私的活動に巻き込むような行動は絶対にしない。裏を返せば、昭恵夫人は安倍首相と同化して、国を自分のもののように勘違いしているのだ。

 現在、昭恵夫人は発信を自粛させられているようだが、言いたいことがあるのなら、「家庭内野党」を標榜する昭恵氏は夫の圧力も撥ねつけて表に出てきてはっきり言えばいい。国民は昭恵夫人の説明を待っている。

最終更新:2017.04.14 11:56

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