安倍官邸の「東京問題」へのスリカエ情報操作が卑劣! 小池vs菅が対立した途端、読売を使って東京の「連絡つかない陽性者」をリーク

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左・菅官房長官(首相官邸HP)/右・小池百合子オフィシャルサイト


 本日19日、東京都の新規感染者数は188人だと発表された。メディアでは200人を下回るのは4日ぶりなどと報じられているが、昨日までの直近4日間の新規感染者数は1000人を超えており、とてもじゃないが安心できるような数字ではまったくない。なかでも危惧されているのが、療養先が決まっていない「調整中」の人数が昨日時点で556人にものぼっていることだ。

 東京都は軽症者や無症状者の療養先としてホテルなどを借り上げて対応しているが、この数がまったく追いついていない。現在は池袋と八王子の2カ所のホテルで約210人分を確保し、7月中にもう1カ所を追加するというが(東京新聞19日付)、1日の新規感染者数が200人も出ている状況を考えれば、すでにパンク状態。実際、7月中旬から自宅療養となる人の数は急増しており、家庭内感染の恐れが高まっている。

 7月はちょうど借り上げ契約の切り替え時期だったというが、緊急事態宣言の解除後、感染者が再び増加することは十分予測できたこと。しかも、アメリカ・ニューヨーク州や韓国・ソウル市をはじめ、海外の都市部では徹底した検査体制を敷いて無症状者の捕捉に力を注いでいるが、東京都はまったくの無策状態。現在の新規感染者数の増加は当たり前の話だ。

 にもかかわらず、小池百合子・東京都知事は、パフォーマンスにすぎなかった「東京アラート」をも都知事選に合わせて拙速に解除したうえに廃止。日毎に発表する陽性者数を恣意的に操作していた疑惑のみならず、療養施設をしっかり押さえておくという対策さえおざなりにしていたのである。

 だが、これは小池都知事だけの責任ではない。首都・東京がこのような状況に陥っているというのに、何も手を打っていないという意味では、安倍政権もまったく同じなのだ。

 ところが、安倍政権はこの間、「圧倒的に東京の問題」などと言って、ただただ東京都に責任を押し付けてきた。
 
 実際、菅義偉官房長官は本日放送された『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)に出演し、療養用のホテルが激減している問題について、「やはり東京都の問題だと思いますよ」「いざ増えはじめてから、いま必死に探している」と小池都知事を批判した。

「増えはじめてから必死に探している」って、それはお膝元である首都の危機さえまったくフォローできていない国の能力不足の問題ではないか。それを棚に上げて、すでに療養施設がパンク状態という危機が生まれ、国民の健康と安全が守られない状態に陥っているというのに、まるで他人事のように「東京都の問題」と攻撃するとは……。そもそもホテルを中心に療養施設にあてているが、稼働率の低さが問題となってきた省庁の研修施設なども利用するべきだし、それは都というより国の役割だろう。菅官房長官は「国も協力して探したい」と付け加えていたが、そんなことは当たり前の話で、それがいまできていないことが大問題なのだ。

 こうした問題をメディアは「小池氏と菅氏「泥仕合」の行方」「政府に広がる“東京不信”と“小池不信”」などと報じ、菅官房長官と小池都知事の対立にスポットを当てているが、これは安倍官邸が自分たちの無策を東京に責任転嫁しているだけだ。

「Go Toトラベル」の東京除外も同様だ。大前提として、東京以外でも感染が拡大するなかで政府が旅行を後押しすること自体が正気の沙汰ではなく、東京を除外したところで根本的な問題は解消されていない。しかし、安倍官邸は「Go To」への批判が高まるなか、「東京問題」に矮小化させることで押し切ってしまった。

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