クルーズ船乗客の死亡は安倍政権の人災だ!「船内感染は留め置いた5日以前」という厚労省の言い訳の嘘

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ダイヤモンド・プリンセスというホットスポットを隔離施設にしてしまった厚労省

 しかも、これは止むに止まれぬ措置というわけではなく、背景には厚労省の素人丸出しの錯誤があった。その証拠が「ダイヤモンド・プリンセス」号から乗客を19日以降下船させる判断を発表した際の厚労省の見解だ。

 このとき、厚労省は武漢からのチャーター機帰国者を収容した「ホテル三日月」を引き合いに出し、「2月5日以降はチャーター機の帰国者が過ごした施設と同様の感染防止策がとられており、感染は広がっていないと判断した」とした。

 しかし、前述したように、「ダイヤモンド・プリンセス」号は、「ホテル三日月」のような隔離施設ではなく、武漢と同じホットスポットなのだ。実際、アメリカなど各国はクルーズ船をホットスポットと捉えているため、自国の乗客を退避させたうえ、帰国後2週間、用意した隔離施設にとどめている。

 ところが、日本は「ダイヤモンド・プリンセス」号を隔離施設としてとらえ、19日から下船した陰性の乗客を公共交通機関で帰路につかせたのだ。多くの乗客は自主的に隔離生活を送ると話しているが、厚労省や国がそれをサポートするような動きもいまのところ見られない。

 しかも、下船直前に全員検査してから下船させるのかと思っていたら、かなり前に検査しただけで新たに検査しないまま下船・帰宅させている事例、帰宅後に厚労省から「2週間外出しないで」と連絡があった事例などが発覚。また陰性として下船しチャーター機でオーストラリアに帰国した乗客から2名が、帰国後陽性反応が出たと発表された。

 さらに、もう一つの問題は、留め置き措置以降、乗客と同じく経過観察対象者であるはずの乗員を、隔離施設の職員のように、そのまま乗員として勤務させていたことだ。

 乗員は個々の乗客よりも接触相手が多く、感染のリスクも高いと言ってもいい。しかも本来の勤務期間を超えた過重労働で疲労も溜まっているだろう。そんな感染の可能性のある人間に、食事の提供などサービス業務を続けさせていたというのは一体どういう判断なのか。先週乗船した櫻井滋・岩手医科大学教授は「感染には二回の波があった」「最初はパーティーやビュッフェなどの乗客同士の交流だったがその後、乗員のサービスの提供で広がったと推定される」と指摘している(東京新聞2月20日付)。実際、感染研の報告書でも、10日以降に乗員の感染が拡大している。

 そう考えると、いま議論になっているグリーンゾーンとレッドゾーンのゾーニング以前に、そもそも本当にグリーンゾーンと呼べる場所が船内にあったかどうかも怪しい。船内の杜撰な感染管理を告発した岩田健太郎・神戸大学教授は、対策本部を船外に移すべきと主張していたが、まさにそのとおりだろう。

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