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松坂桃李、GLAYもランクイン「芸能人よく言った大賞」後編! ジャーナリストもできない権力批判に踏み込んだ2人の芸人に感動

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4位 GLAY
“ビジュアル系”扱いされていたバンドが時代の空気に抗い、令和ブームと安倍政権の歴史修正主義を批判

 ネトウヨからの攻撃を恐れて政治発言を控えるどころか、政権の行事に積極的に参加するアーティストやミュージシャンが跋扈している日本の音楽界。だが、2019年は意外なバンドがそうした空気に真正面から抗う楽曲を発表した。   
GLAYが発表したアルバム『NO DEMOCRACY』だ。タイトルからもわかるように、このアルバムにはいまの政治状況への危機感を表現する楽曲が複数収録されていた。
 たとえば、「戦禍の子」。〈国を奪われ家族とはぐれ/国境を目指す民に/機関銃〉〈今度生まれてくる時は/ちゃんと見つめてもらいなよ/ちゃんと守ってもらいなよ/ちゃんと愛してもらうんだよ〉と歌われるこの曲は、難民問題を題材にした曲だが、実はそれだけを描いた曲ではない。
TAKUROはインタビューで「日本における子供の貧困っていうのも、実は隠れた数値ではものすごく高いらしくて、そういうことも同一線上にもってきたいと思いました」と語っていた。
 もうひとつ注目したい楽曲がアルバムの最後を飾る「元号」。「令和」ブームに乗っかった曲なかと思いきや、そこにはこんな歌詞が歌われていた。
〈かつて兵士たちは目隠しのままで玉砕しました/消え去った祖国の夢と/今もあの戦争(とき)を悔やんでいるならば/声をあげて欲しい 新しい元号の下で〉〈かつて俺たちは人生の舵を預けていました/放棄していました/誰も誰かの人としてあるべき尊厳を/奪えはしないのだ 新しい元号の下で〉
 昭和、平成、令和へと時代が移り変わっていくなか、昭和の時代に日本が起こした戦争に言及し、新しい元号になったいまこそ、そのことへの反省の声をあげしてほしい──。これは明らかに「令和」の時代、安倍政権下で進む、戦争肯定、歴史修正主義に抵抗するために書かれた曲と言っていいだろう。
 こうした曲を書く理由としてTAKUROはやはりインタビューでこう語っていた。
「あれは、時々自分たちの立ち位置を見失わないように、そして『ロックミュージックってものの本質って何だろう?』って、そのことを理解しているわけではないけれども、立ち返る必要がある時には、やっぱりああいう曲は積極的に出していきますね」
 かつては“ナンパなビジュアル系”のイメージもあったGLAYが示したロックミュージシャンとしての矜持。2020年代は表現者としての芯を持ったGLAYのようなミュージシャンがもっと出てきてくれるといいのだが……。

3位 所ジョージ
“お気楽”が売りの大物タレントが沖縄の米軍基地問題をテーマに“プロテストソング”、原発再稼働や五輪批判も

 芸能界の第一線で活躍し続け、『ポツンと一軒家』(朝日放送テレビ朝日系)など高視聴率番組の司会もつとめる、所ジョージ。お茶の間で親しまれ続ける超メジャーなタレントがランクインしたのは、YouTubeでの活動に対して、だ。
 所は「世田谷一郎」名義でYouTubeチャンネルを開設しているのだが、2019年1月、年末年始を沖縄で過ごしたことを報告。そのなかで三線を弾きながら、〈アメリカの飛行機/アメリカに降りてョ/周辺諸国の防衛/沖縄の人の感情/両者正義で何年ももめて/その間諸国は攻めるの休んでくれているのか〜な〜〉と歌った。
 これは明らかに「周辺諸国の脅威から防衛するため、沖縄に米軍基地は必要」という安倍政権や基地移転推進派に痛烈な皮肉を込めた所流のプロテストソングだった。
 所がこのような楽曲をYouTube上で発表するのはこれが初めてではない。2018年にも「沖縄の土地」という楽曲で米軍基地問題を追及しているし、同年には〈原子力の片付け終わっちゃいないのに/安全の基準値を満たしてるんじゃないのかと/痛い目忘れ/やる事はやっていますョと/やってて片付かないんじゃ 次も同じでしょう/電気に群がる我々って 何?〉と原発再稼働に疑問を投げかけた「全員集合」なる曲も発表している。
 さらに、2013年11 月にYouTubeにアップした「コントロール」では、アベノミクスの格差助長政策についての批判ソングまで歌っていた。
〈株価が上がって/やったみたいな顔してますが/大きい企業のための日本ではないはずなのに/お腹の空いてる皆さんの前に安いもの並べても/ガマンできるものだと思っている〉
 また、2017年には雑誌の対談でオリンピック招致をこう真っ向から批判したこともある。
「だいたいさ、「オリンピックが来るからおもてなしをしましょう」って、おもてなし以前にモラルがないわ。あんな震災があったばかりで、まだ収束したわけじゃないのによく呼ぶと思う。おもてなし以前の話だよ。普通ね、おもてなしの気持ちとかモラルがあるんだったら、もしオリンピック開催地に選ばれたとしても「いやいや、日本はまだ原発も片付いていないし、地震も多いので今回は見送らさせてください」って言うのが本来の日本だよ。震災とか棚上げして浮かれてんじゃねえよって思うもん」
 こういった顔は、普段テレビで見せている飄々とした所ジョージからは想像もつかない。実際、かつての所は意識的に「無責任で自由な趣味人」を演じ、どれだけ真面目な社会問題から距離を取るか、政治的になってしまうことからどう逃れるかを目指してきた印象すらある。
 それが、安倍政権になった頃から明らかに、直接的に政治を風刺する表現が増えているのだ。これは、所ですら、安倍政治に危険性を感じ始めたということなのだろう。
 いや、その危険性は「自由な趣味人」であるからこそ感じ始めたということかもしれない。頭のいい所は、自由であるためにはまず「平和」と、健全な民主主義が必要だということをわかっている。だから、安倍政権になって「言うべきときは言うべきことを言う」という態度をとらなければ、いずれそういった生き方ができなくなってしまう、そう考え始めたのではないか。
 メディアは、所までが政治問題にコミットし始めたという事実をしっかりと受け止める必要があるだろう。

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