金融庁が「年金給付はこれから下がる、2000万円貯めておけ」の報告書!“年金は安心”の嘘を自ら暴露する安倍政権

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2000万円ない人は?の問いに金融庁は「お金を預けられない人は対象外」

 しかも、だ。この金融庁の報告書では、“平均的な高齢夫婦の無職世帯では毎月の赤字額は約5万円”とし、その先20〜30年生きた場合は不足額が約1300〜2000万円になると計算。その上で、現役期のあいだから投資などで資産運用をおこなうことが望ましいなどと提言している。

「老後は年金に頼るな」と言い、「若いうちから2000万円の赤字を補填する蓄えを考えろ」と迫る──。まったくふざけるな、の一言だろう。たとえば、2017年の「家計の金融行動に関する世論調査」では、2人以上世帯で運用や将来への備えなどを目的とした金融資産が「ない」と答えた世帯の割合は31.2%にものぼり、過去最高を記録した。

 また、今月10日に厚労省が公表した3月の「毎月勤労統計」調査の速報では、物価の影響を考慮した実質賃金は前年同月比でなんとマイナス2.5%と大幅に下落し、3カ月連続の減少となったばかりだ。

 賃金は上がらず、非正規の雇用者は増えつづけ、将来の蓄えをおこなう余裕もない状態に陥っている人は多いというのに、そうした経済状況をつくり出しておきながら「長生きしたいなら2000万円貯金しろ」「投資で資産運用しろ」とは、あまりにも無責任ではないか。

 その上、日刊ゲンダイが“投資に回す余裕のない世帯はどう努力するのか”と訊いたところ、金融庁の市場課は「そもそも、お金を預けられない人は対象外」という信じがたい回答を寄せている。つまり、生活がカツカツな国民は、高齢化社会対策の議論において、そもそも無視されているというわけだ。

 だが、これこそが、安倍政権が踏襲する「年金100年安心」の実態なのだ。実際、安倍政権は「年金制度は破綻しない」と喧伝してきたが、その根拠は嘘っぱちなもの。現に、前回2014年の財政検証においてシミュレーションの前提条件に挙げられた物価上昇率や賃金上昇率の数字はあまりにデタラメなもので、厚労省も現在の制度ならば100年後も年金積立金が十分に残っているから安心だと説明するものの、ご存じの通り、年金積立金の運用では損失を出しまくり、2018年10~12月期の資産運用成績では約14.8兆円という過去最大の赤字額を叩き出した。

 大甘で恣意的なシミュレーションによって「年金制度は破綻しない」「大丈夫!」などと言い張って国民を騙してきた安倍政権。ようするに、それらは建前にすぎず、今回、「年金を当てにするな」「自助努力でどうにかしろ」という本音を、金融庁が図らずも“暴露”してしまったのだ。

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