安倍首相が元号を私物化し放題!「新元号は日本の古典から」の目論見は転倒したインチキ伝統主義の極みだ

2019.03.07 10:30
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元号に安倍首相の「安」の字が!?(首相官邸HP)


 4月1日に発表される新たな元号。はっきり言って、この国際化の時代には何の役にもたたない国内限定の暦をいまだに使おうという発想からして思考停止もいいところだが、一方、本サイトでも伝えてきたように、永田町では我が世の春を謳歌する安倍首相の「安」の字がねじ込まれるのではとの噂が絶えない。各メディアの予想アンケートでも、「安」の文字が入った新元号案が多数含まれている。

 安倍首相の“独裁者気質の私物化野郎”ぶりを考えれば、それくらいやりかねないと多くの人に思われているのだろう。だが、元号をめぐっては、もうひとつ気がかりなことが残っている。それは、新元号が「日本の古書」から選ばれるとの可能性を、新聞や週刊誌がしきりに伝えていることだ。

 たとえば朝日新聞は2月27日付で、政府が事前に複数の学者に元号の考案を委託する方針を固めたとともに〈日本古典など国書に由来する元号案も選択肢に、人選の最終調整をしており、近く委嘱する〉と、複数の政府関係者が明らかにしたと伝えた。また、今月3日付では、政府が学者から非公式に提出を受けた新元号案について、〈考案者候補には日本文学など国書の専門家が複数含まれており、国書に由来する案も複数あるという〉と報じている。さらに日本テレビによれば、安倍首相自らが「周辺に対し、『元号の出典は日本で書かれた書物がいい』と話している」という。

 本日発売の「週刊新潮」(新潮社)3月14日号も、この“国書由来の新元号説”について触れているが、やっぱりというか、安倍首相の肝いりなのだという。「週刊新潮」はこんな官邸関係者のコメントを伝えている。

「国文学者への依頼は、安倍首相たっての希望でした。“元号の出典は漢書とする”といった規定はもちろんありませんが、結果的に現在まで、国書に由来する元号は採用されてこなかった。それもあって、総理はかねて『新元号は日本で書かれた書物をもとにしたい』と口にしていたのです」

 事実だとすれば、安倍首相が「新元号は国書由来で」と熱をあげる理由は明らかだ。それは、支持層である日本会議ら極右や保守派の「中国嫌い」というヘイトまがいの願望を叶えるとともに、初の「日本由来の元号」を掲げる総理大臣になりたいという欲望。もちろん、安倍政権の推し進める戦前回帰的な政策の数々ともマッチするものだ。

 ここで一旦解説しておくが、そもそも元号の始まりは中国である。漢の皇帝・武帝が創った「建元」(紀元前140〜)が最初とされ、以後、清の末期まで約2000年続いたが、その元号も1911年の辛亥革命と中華民国の誕生で役割を終え、翌年から中国では西暦を「国民暦」と呼んで用いている。

 古く、東アジア地域では飛び抜けた先進国である中国の暦を真似て、近隣諸国では中国風元号がつくられた。現在、元号を使用している国は日本だけだが、こうした経緯から、出典が明らかになっているものについては総じて中国の古書(漢書)から取られている。たとえば「明治」や「大正」は『周易』(易経)から持ってきたものだし、「昭和」は『書経』を典拠とする。平成にしたって、考案者は東洋史家の山本達郎・東京大学名誉教授(当時)という説が有力だが、大元は『史記』等である。いずれも漢書だ。

 かたや、日本の古書(国書)を出典とする元号はこれまで例がなく、安倍首相を支持する保守派からは「中国由来はけしからん!」との声があがってきた。

 実際、日本会議とも近い保守派言論人である所功・京都産業大学名誉教授は、メディアで「これまで元号は、中国の古典が出典となることが慣習として続いてきましたが、古事記や日本書紀、万葉集などの日本の古典から採用してもいいのではないか、という意見もあります。私もそれに大いに期待したい」(「サンデー毎日」3月3日号/毎日新聞社)、「漢字という表意文字を組み合わせて新時代にふさわしい元号案を考える出典は国書でもよいと思います」(前述「週刊新潮」)などとPRしている。

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