安倍首相が元号を私物化し放題!「新元号は日本の古典から」の目論見は転倒したインチキ伝統主義の極みだ

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元号に安倍首相の「安」の字が!?(首相官邸HP)


 4月1日に発表される新たな元号。はっきり言って、この国際化の時代には何の役にもたたない国内限定の暦をいまだに使おうという発想からして思考停止もいいところだが、一方、本サイトでも伝えてきたように、永田町では我が世の春を謳歌する安倍首相の「安」の字がねじ込まれるのではとの噂が絶えない。各メディアの予想アンケートでも、「安」の文字が入った新元号案が多数含まれている。

 安倍首相の“独裁者気質の私物化野郎”ぶりを考えれば、それくらいやりかねないと多くの人に思われているのだろう。だが、元号をめぐっては、もうひとつ気がかりなことが残っている。それは、新元号が「日本の古書」から選ばれるとの可能性を、新聞や週刊誌がしきりに伝えていることだ。

 たとえば朝日新聞は2月27日付で、政府が事前に複数の学者に元号の考案を委託する方針を固めたとともに〈日本古典など国書に由来する元号案も選択肢に、人選の最終調整をしており、近く委嘱する〉と、複数の政府関係者が明らかにしたと伝えた。また、今月3日付では、政府が学者から非公式に提出を受けた新元号案について、〈考案者候補には日本文学など国書の専門家が複数含まれており、国書に由来する案も複数あるという〉と報じている。さらに日本テレビによれば、安倍首相自らが「周辺に対し、『元号の出典は日本で書かれた書物がいい』と話している」という。

 本日発売の「週刊新潮」(新潮社)3月14日号も、この“国書由来の新元号説”について触れているが、やっぱりというか、安倍首相の肝いりなのだという。「週刊新潮」はこんな官邸関係者のコメントを伝えている。

「国文学者への依頼は、安倍首相たっての希望でした。“元号の出典は漢書とする”といった規定はもちろんありませんが、結果的に現在まで、国書に由来する元号は採用されてこなかった。それもあって、総理はかねて『新元号は日本で書かれた書物をもとにしたい』と口にしていたのです」

 事実だとすれば、安倍首相が「新元号は国書由来で」と熱をあげる理由は明らかだ。それは、支持層である日本会議ら極右や保守派の「中国嫌い」というヘイトまがいの願望を叶えるとともに、初の「日本由来の元号」を掲げる総理大臣になりたいという欲望。もちろん、安倍政権の推し進める戦前回帰的な政策の数々ともマッチするものだ。

 ここで一旦解説しておくが、そもそも元号の始まりは中国である。漢の皇帝・武帝が創った「建元」(紀元前140〜)が最初とされ、以後、清の末期まで約2000年続いたが、その元号も1911年の辛亥革命と中華民国の誕生で役割を終え、翌年から中国では西暦を「国民暦」と呼んで用いている。

 古く、東アジア地域では飛び抜けた先進国である中国の暦を真似て、近隣諸国では中国風元号がつくられた。現在、元号を使用している国は日本だけだが、こうした経緯から、出典が明らかになっているものについては総じて中国の古書(漢書)から取られている。たとえば「明治」や「大正」は『周易』(易経)から持ってきたものだし、「昭和」は『書経』を典拠とする。平成にしたって、考案者は東洋史家の山本達郎・東京大学名誉教授(当時)という説が有力だが、大元は『史記』等である。いずれも漢書だ。

 かたや、日本の古書(国書)を出典とする元号はこれまで例がなく、安倍首相を支持する保守派からは「中国由来はけしからん!」との声があがってきた。

 実際、日本会議とも近い保守派言論人である所功・京都産業大学名誉教授は、メディアで「これまで元号は、中国の古典が出典となることが慣習として続いてきましたが、古事記や日本書紀、万葉集などの日本の古典から採用してもいいのではないか、という意見もあります。私もそれに大いに期待したい」(「サンデー毎日」3月3日号/毎日新聞社)、「漢字という表意文字を組み合わせて新時代にふさわしい元号案を考える出典は国書でもよいと思います」(前述「週刊新潮」)などとPRしている。

元号を「日本の伝統」と持ち上げる安倍首相と極右の無教養ぶり

 だが、よく考えてほしい。実はこれ、「保守」でも「伝統主義」でもなんでもない。繰り返しになるが、日本での初の元号とされる「大化」(646年)から現在の「平成」まで、出典がわかっているものはすべて漢書がモチーフだ。日本会議がその前身から元号の法制化運動を推し進めてきたように、連中は元号を「日本国の伝統の象徴」と持ち上げるが、これを簡単に「中国由来は嫌なので国書からとりましょう」とか言い出すのって、マジで「伝統」をなんだと思っているのか逆に聞きたくなってくる。

 だいたい、『日本書紀』や「十七条の憲法」からとったって、それらは中国由来の漢文である。また、万葉集から拝借しようというのなら、漢字の音だけをパクった万葉仮名を使うということであり、「元号の字の意味なんてどうでもよくね?」と言っているようなものではないか。

 そういえば、安倍首相のオトモダチである百田尚樹センセイは「現在も中国に対する漠然とした憧れを持つことはやめるべきだし、そんな勘違いを育む漢文の授業も廃止したらいい」などとトンチンカンなことをほざいていたが、ようするに、「元号は国書を出典にしよう」との発想もまた、単純に「中国は嫌い」と「日本はスゴイ」的なレベルでしかないのだろう。

 いや、別に、これまでの慣習にのっとって新元号を漢書からとってこなくたってまったく構わないし、困ることだってない。そんなにイヤなら、スッパリと廃止すればいいのである。結局、連中にとって「日本の伝統」など、その程度のものではないか。

 ちなみに、新元号をめぐっては、保守派から早期の公表に対する強い反対の声も上がっていた。日本会議国会議員懇談会は昨年7月に事前公表に反対することで一致し、同年8月には新天皇による公布を求めて官邸に申し入れをおこなっている(朝日新聞1月5日付)。新元号の公表が、当初政府内で検討されていた2018年中から2019年4月1日へと大幅に遅れたのは、安倍首相がこうした保守派支持層に配慮したからだ。

 彼ら保守派曰く、「今上天皇の在位中の新元号発表は二重の権威を生む」という。だが、そもそも“一人の天皇にひとつの元号”という「一世一元」は、たかだか幕府を破った明治新政府が定めた歴史の浅い制度にすぎない。それまで元号は吉兆やら災害やらなんやらを理由にコロコロ変えられており、一例として幕末の孝明天皇の在位期間は実に7つの元号にまたがっている。また、逝去した天皇の名前(諡号)に元号を使うこともなかった。たとえば桓武天皇はいるが「桓武」という元号はない。これまたその程度の“伝統”だ。

新元号の発表も安倍首相自身が!? 安倍と極右勢力のインチキ伝統主義

 つまるところ、こういうことだろう。安倍首相を中心とする極右勢力は、別に元号が“日本の伝統”だから「出典は国書にしよう」などと目論んでいるわけではない。連中の言う“伝統”というのは、せいぜい明治から昭和の敗戦までの、“天皇を頂点とした万邦無比の神国”なる妄想の内側にあり、そうした国体思想の残滓を大衆支配の道具として再活用したいだけ。そのひとつが「元号」なのである。

 これぞ“転倒したインチキ伝統主義”としか言いようがない。その最たるものが安倍首相だろう。

 本サイトでも報じたように、安倍首相は2月22日の午後、元赤坂の東宮御所を訪れ、皇太子と異例の面会をした。いまの明仁天皇・美智子皇后との“関係”を考えれば、即位前に皇太子に内奏に参じることで“取り込み”をはかろうとの魂胆が見え見えだったが、安倍首相は3月中にも再度、皇太子と面会し、そこで新元号の複数候補を直接伝える方針と報じられている。前述の「週刊新潮」も指摘しているように、当然、そのなかにはくだんの“国書由来の元号案”もあるのだろうが、ようするに、安倍首相は新元号を“手土産”として皇太子に前もって伝えることでアピールしたいのだろう。

 もはや「元号」を私物化し、政治的な玩具にしているとしか思えない安倍首相。一部では、新元号の発表まで自らおこなおうとしているとの憶測も出ている。周知の通り、平成への改元時には、時の竹下登首相ではなく、官房長官だった小渕恵三が「平成」の2文字を掲げたが、安倍首相はその役割を自らこなすことで“権勢”を知らしめようというのだ。

 まあ、いつも責任は取らずおいしいところだけ自分の手柄にすり替えてしまう安倍首相のこと、なきにしもあらずである。いっそ、マジで新元号を「安倍」にでもしてくれたら、この政権のイカレっぷりがあらためて国民に周知されるのだが……。

最終更新:2019.03.07 10:39

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