安倍政権の反韓煽動が酷い! 安倍チルドレン議員は「何をされるかわからない」「韓国へ渡航禁止」とヘイト主張

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ヒステリーを起こす前に「徴用工問題」の歴史を振り返る

 そもそも、「日韓関係を破綻させている」のは、本当に韓国政府や文大統領なのだろうか。文大統領の言葉は、菅官房長官が言うように、徴用工問題で「韓国側の責任を日本側に転嫁」するものだったのか。

 そうではないだろう。実際、文大統領は年頭会見で「韓国政府がつくり出した問題ではなく、不幸な歴史によってつくられた問題だ」としたうえで、「日本政府はもう少し謙虚な立場をとり、政治の争点とすることなく、解決のために互いが知恵を絞るべきだ」と呼びかけていた。あきらかに、“日韓関係をこれ以上悪化させたくはない”という意図だ。

 一方、いま安倍政権の政治家とメディアが共謀して作り上げている、日本国内の空気はどうか。ひたすらファナティックに「韓国が悪い」と叫びたてるだけだ。たしかに徴用工問題などでの対立によって、両国間は近年でもっとも険悪なムードになっているが、客観的にみて、もはや「解決」を放棄しているのは安倍政権のほうだろう。

 念のため振り返っておくが、そもそも徴用工問題は、戦中、日本が朝鮮半島の人々を労働力として強制動員したことが発端だ。戦中の日本で徴用工がいかに非人間的な扱いを受けたかは、本サイトでも詳細に解説したとおりである(https://lite-ra.com/2018/11/post-4368.html)。

 昨年10月、韓国の大法院(最高裁)が元徴用工の求める損害賠償について新日鉄住金への支払命令を確定し、その直後に安倍首相は「ありえない判断」と猛批判した。しかし、元徴用工や遺族への補償問題は、1965年の日韓基本条約および請求権協定締結から両国政府に長年無視され続けてきた人権問題だった。それを忘れてはならない。

 とりわけ、請求権協定に「謝罪」や「賠償」の性質を一切認めず、「解決済み」と強弁し続けることで、その歴史を隠蔽しようとしたのは日本政府のほうだ。実際、これまで日本企業側が和解の姿勢を見せたにもかかわらず、安倍政権からの圧力でその方針を取りやめたケースも判明している。

 もっとも、韓国政府も補償を十分に行ってこなかったことも事実ではある。しかし、それには1965年の締結当時の韓国が親米軍事政権であり、韓国国民が強く抑圧されていたことが大きく影響している。その後、民主化された韓国で、司法が侵略戦争に関する人権(判決では個人の慰謝料請求権として)の観点から、賠償を認めるのは当然のなりゆきだった。そしていま、民主主義国家の政権トップがその司法判断を尊重することは、三権分立の原則からも至極当たり前のこととしか言いようがない。

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