安倍政権と一体化する維新が国会と野党の抵抗を「税金の無駄」と…コストふりかざし民主主義を破壊する新自由主義者

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コストをふりかざし議会制民主主義を破壊する「ゆ党」維新の危険な発想

 しかし、どうだ。国のかたちを変える入管法改正案の審議は、衆参合わせてたったの約38時間。しかも、衆院では、与党は安倍首相の外遊日程に沿って強行採決するという立法府を舐めきった態度に出たが、これをアシストしたのは維新であり、採決前日に維新が与党と修正協議で合意している。ちなみに、入管法改正案の法案審議の根幹にかかわる聴取票の個票書き写し作業も、維新の議員はおこなっていない。

 外国人労働者の受け入れを拡大するのに、その受け入れ人数の上限さえ示されていない、そんな中身がスカスカの法案に対案もへったくれもない。審議に入る以前のシロモノだったのである。それは世論調査の結果にも出ており、11月17・18日に毎日新聞がおこなった調査では「今国会での成立にこだわらず議論を続けた方がよい」と答えた人は66%、さらに強行採決後の今月8・9日に産経新聞社とFNNがおこなった調査でも「今国会での成立にこだわるべきでなかった」という回答は71.3%にものぼっている。

 そんな法案を、委員長職権で委員会開催を決める乱暴な国会運営や、反対野党の発言を封じる動議をかけるという「言論の府」を踏みにじる行為などによって、安倍政権は無理矢理通した。この多数者の専制に反発が起こるのは当然であり、抵抗することは国民の負託を受けた野党の立派な役割だ。牛歩や牛タン戦術、解任や不信任決議案のカードを切るのも、会期末による流会(法案の成立断念)や与党からの留保を狙うための重要な手段である(なお、党議拘束のないアメリカなどでは、その間に多数派議員を説得し票の切り崩しや法案修正の交渉が行われることもある)。

 それを、国民の世論も半数以上が議論は拙速だと判断し、審議が尽くされていない法案の問題点を根本から追及することもなく、「やってますアピール」の適当な修正案で与党をアシストしてきた維新が、言うに事欠いて「もっと審議を」と求める野党の抵抗を「税金の無駄」と叫ぶ──。

 ようするに、維新は「コスト」という市場の論理を振りかざし、議会制民主主義のルールをぶっ壊そうとしているのである。

 安倍自民党の暴走もさることながら、この「ゆ党」の下劣な発想にも反吐が出るが、しかし問題なのは、維新の主張のような論調がメディアでも散見されたことだ。

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