『スッキリ!!』で宇野常寛が舛添報道を「イジメエンタテインメント」と正論の批判で、加藤浩次が凍りついた

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 もちろん、そういう意味では、この舛添叩きは、大きな悪よりも身近なわかりやすい小さな悪に反応する現代日本の大衆の心性の問題だともいえるだろう。息子のプロジェクトに税金数億円をつぎ込み、政治資金でクルーザー遊びをする石原には世界が違いすぎて何も言わないが、ホテル三日月や野球観戦の金を政治資金で落とした舛添には怒りの声が沸騰する。これは、巨万の富を得ている大企業やIT企業のトップには憧れと尊敬の眼差しを向ける一方で、たいした給与をもらっていない公務員には「もらいすぎ」と憎悪を露わにする、2000年代くらいから発現した大衆の心性と共通するものだ(ちなみに、これはクオリティが高く手の届かないアーティストよりもAKBのような素人っぽいアイドルに魅かれるというような心性とも地続きだと思われるが、AKB応援団の宇野はそのへんをどう考えているのだろう)。

 しかし、そうだとしても、騒動をつくりだした責任の多くは、まぎれもなくメディアの側にある。なぜなら、ネタを提供し、この心性を増幅させているのが、他でもないマスコミだからだ。

 今のマスコミは、本当の悪、大きな悪については、タブーに阻まれ、ほとんど報道することができない。そのぶん、いったん、タブーでない、つまり批判が許される小さな悪を見つけると、報道をそこに集中させる。たとえば、ジャニーズには何も言えないから、そのぶんベッキーを叩くというような。

 つまり、タブーによって、批判できる対象が狭くなっていることの反作用として、小さな悪に対するバッシング、報道のスペクタクル化が起きているのだ。

 実際、テレビや新聞が舛添批判をここまで大々的にしつこくやれたのは、舛添が安倍首相や石原慎太郎と違って、タブーではなかったからだ。前出のワイドショースタッフが自戒気味にこう語る。

「舛添は自民党の支持で都知事になったとはいえ、安倍政権の中枢とは、非常に距離がある。むしろ安倍首相には嫌われている。その空気を察知したというのはありました。これは叩いてもどこからも文句はこないな、と。しかも、普段、権力に弱くてなかなか政治家の批判をできない自分たちに忸怩たる思いもあるので、そのぶん、かさにかかって舛添を責め立てたというのはあるでしょう。舛添を叩くことで、ちゃんと権力批判をやっていると錯覚したいというような感じですかね」

 実は、宇野はこの日、『スッキリ!!』でもうひとつ、刺激的な発言をして、加藤はじめスタジオを凍りつかせていた。次の都知事はどんな人がいいか、と聞かれたときのことだ。

「僕は、単にメディアが叩きづらいほうがいいと思うんですよ。たとえば、皇族の方とか。大手芸能事務所のタレントとかですね。そういった方がなると、メディアが叩きづらくて、都政が長続きするからいいんじゃないかなぁと思います」

 もちろん、これは、タブーになるととたんに何も言わなくなるマスコミの体質を皮肉ったものだ。
 
 タブーの大きな悪には目をつむり、小さな悪をバッシングして血祭りに上げる。このマスコミの異常な報道の傾向を変えない限り、この国はどんどんとんでもないことになっていくだろう。
(野尻民夫)

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