安倍政権や日本会議の語る「日本」「伝統」を橋本治が痛烈批判! 「大嫌い」「明治以降の近代人が勝手につくった」と

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 安倍政権をはじめとした保守主義の人々がことさらに喧伝する「伝統」という言葉。しかし、歴史を振り返ってみれば、彼らの言う「伝統」は、「伝統」でもなんでもない。たかだか150年ほど前、明治時代以降、急速な近代化の流れのなかで形づくられたものだった。また、橋本氏はこんなことも語っている。

「平塚雷鳥とかの女性解放運動が出てくるのが明治だから、それ以前の時代の日本って、ずっと女性を抑圧していたように思われているけど、実は一番、男女差別が激しくなるのって、むしろ明治からなんですよね」
「みんな「女は女らしく」っていうのが封建道徳だと思っているかもしれないけど、例えば江戸の芸能って、劇中で女が刀を振り回すシーンとか、カッコいい女盗賊の話なんかも、ごく当たり前にあるのね。ああいうのを見てると、少なくとも江戸時代の人には「女はおとなしくしてなきゃいけない」って感覚はないと思う」

「女は女らしく」という考え方も、結局はたかだか150年前に出てきたものだったと橋本氏は主張する。

「一億総活躍社会」という謎のワードが示す通り、安倍政権は「女性の社会進出」をしきりにアピールしているが、首相が本心からこれを考えていないことは明白だ。前述した「頑張れ日本!全国行動委員会」の結成大会では、「いま私たちは国の基本を解体させかねない権勢に直面している。夫婦別姓の問題も、これは家族という基本にかかわる問題であります。子ども手当を出して、配偶者控除をなくす。これは家族解体への第一歩であります」と演説している。

 この演説から透けて見える安倍首相の本心を代弁するかのように、「文藝春秋」15年6月号のインタビューでは、安倍昭恵夫人がこのような発言を残している。

「女性活用のようなテーマも、主人と話す機会はほとんどありません」
「主人はもともと保守的な考え方の持ち主ですので、女性がみんな働くことが良いとは、今も思っていないのかもしれません。女性には社会で活躍してもらいたいとの思いがある反面、あまりにも多くの女性が社会に出ることで、伝統的な日本のよき家庭の形が崩れてしまうことを恐れているような気がします」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

安倍政権や日本会議の語る「日本」「伝統」を橋本治が痛烈批判! 「大嫌い」「明治以降の近代人が勝手につくった」とのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。LGBT井川健二安倍晋三家族の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄