ネトウヨ文化人として復活したケント・ギルバートの正体(後)

ケント・ギルバートはなぜ突然ネトウヨになったのか? 背後に右派人脈とビジネスのにおい

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 しかも、このレクソールの日本進出も最終的には失敗したようで、今ではまったく名前を聞かなくなってしまった。

 ケント氏は最近も、ビジネス上のトラブルに巻き込まれている。氏は05年から「ヴィ・ネットワーク・システムズ」というベンチャー企業の経営に参画し、09年に社長に就任したのだが、その後すぐに、知人から紹介されたという人物を後継指名。ところが、2012年、この新社長が1億円以上という巨額の横領事件を起こし、逮捕されたのだ。

 ネトウヨ文化人として復活してからは、日本人の「誠実」「謙虚さ」を賞賛し、「健全な愛国心とともに必要不可欠なのが、道徳心」などと説教をぶっているケント氏だが、これまでのビジネス人生はその主張とはそぐわないものだったというべきだろう。頭の中にあるのは常に、金儲け。マルチ商法にまで乗っかるその姿勢は、無節操としかいいようのないものだ。

 しかも、彼の言論活動にも、このビジネス人脈のにおいが付いて回っている。

 実は先述の閉校した英語学習塾「ケント・ギルバート外語学院」には、ある保守論壇の大物が関わっていた。

 その人物とは加瀬英明氏。福田赳夫内閣・中曽根康弘内閣の首相特別顧問、大平正芳・鈴木善幸内閣の外相特別顧問などを歴任した保守系外交評論家だが、1990年代に入って歴史修正主義的な主張を強め、「新しい歴史教科書をつくる会」の顧問に就任。同会の教科書を発行する自由社の代表取締役を務めている。また、日本会議代表委員や日本国防協会評議員など、右派組織の役員としても活動している、バリバリの右派論客だ。

 ケント氏は、この加瀬氏を自分の名前を冠した「ケント・ギルバート外語学院」の理事にすえていたのだが、その関係は現在に至るまで、ずっと続いている。たとえば、1993年には『日米知ってるつもり大論争』(日本文教社)という対談本をいっしょに出版しているし、今年7月には、加瀬氏を代表理事に設立された保守系団体「一般社団法人 日本の文化を世界に発信する会」の理事に、ケント氏が就任している。また、本サイトでは、今年8月、「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」なるネトウヨ系市民団体が、作家の百田尚樹氏を招いて都内で集会を開いたことを伝えたが、「当会支援者」のメンツのなかには、加瀬氏とギルバート氏が仲良く名を連ねているのだ。

 そして、もうひとり、ケント氏と保守論壇をつなぐキーマンと思われる人物がいる。それはやはり「ケント・ギルバート外語学院」で理事長をつとめていた植田剛彦という人物だ。植田氏は報知新聞社出身で、長嶋茂雄や海外にも広い人脈を誇るジャーナリストということだが、ケント氏とは古い友人でビジネスパートナー。『三国感情―鮨とキムチとハンバーガー』(黙出版)、『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)など、ケント氏との共著書も複数ある。

 植田氏は前述の加瀬氏と極めて親しく、ケント氏と加瀬氏をつないだのも、植田氏だったと思われる。前述したケント氏と加瀬氏の対談本『日米知ってるつもり大論争』では司会を務め、加瀬氏の「日本の文化を世界に発信する会」でも、ケント氏とともに理事に名を連ねている。

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