白紙撤回会見の五輪組織委・武藤事務総長の“無責任”は昔から! あのノーパンしゃぶしゃぶ事件でも…

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 だが、考えてみればこういう対応は当然かもしれない。実はこの武藤氏、官僚時代も無責任ぶりと危機管理能力のなさをさんざん露呈してきた人物なのだ。

 武藤氏は東大法学部を卒業し、1966年に旧大蔵省に入省。将来を嘱望されたキャリア官僚だった。花形の主計局畑を進み、97年には大臣官房長にまで昇り詰める。しかしここで起こったのが、大蔵省接待汚職事件、通称「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件だった。

 これは大蔵省官僚が大手銀行や証券会社から、一席6万円以上もする歌舞伎町の会員制ノーパンしゃぶしゃぶ店「桜蘭」などで接待を受け、その見返りに便宜を図ったとして、大蔵省官僚4名と大蔵省出身の証券取引委員会委員、日銀職員、公団理事の計7名が逮捕起訴され、当時の三塚博大蔵大臣と松下康雄日銀総裁が引責辞任をしたという大型汚職事件だ。

 この際、官房長の武藤氏は省内の綱紀担当責任者で、省内調査の陣頭指揮をとっていたのだが、その対応はお粗末きわまりないものだった。

 事件は98年1月に東京地検特捜部が大蔵省の検査官2名を逮捕したことが始まりだが、武藤氏はこの後に国会の予算委員会で調査報告し、「もうこれ以上の不祥事はない」と答弁していた。当時、マスコミはさまざまな接待疑惑を報道したが、これに対しても、「汚職ではない」「問題はない」と完全否定していた。

 ところが、その後にキャリア官僚2名が新たに逮捕され、さらに、杉井孝銀行局審議官、長野庬士証券局長、墳崎敏之近畿財務局長、窪野鎮治大臣官房参事官など、幹部クラスのキャリア官僚も数年に渡って、数百万円規模の接待を金融機関から受けていたことが発覚。武藤氏は国会で「調査が不十分だった」と謝罪する事態に追い込まれた。

 そして、大蔵省は省内調査をやり直し。接待官僚を処分するという条件で東京地検特捜部と手打ちを進め、計112人に処分を行ったのだが、その後も、武藤氏の無責任な対応は続く。なんと、調査の際、職員に提出させた接待の自己申告書を役所に残さず、本人に返却してしまったのである。

 後手後手に回った対応、国会での虚偽答弁、そして証拠隠し……この手口は、まさに今回の国立競技場問題やエンブレム盗用疑惑を彷彿とさせるものだろう。しかもさらに衝撃的なのが、この大蔵省接待汚職事件をめぐっては、調査する側の武藤官房長にも接待疑惑が浮上していたという事実だ。

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