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カニバリズム、自衛隊参加、宗教冒瀆…封印されたAVの驚くべき中身
さらに『SMワイドショー マゾに気をつけろ!!』は、キリスト教を冒瀆して国際問題にまで発展しかけた怪作だ。最強のマゾを決めるべく、M男優が向かったのは、熱狂的なカトリック信者が多数を占めるフィリピンのイースター(復活祭)。ゴルゴダの丘で十字架に磔となったイエスと同じ磔体験をすることで、神の復活を再現するという世界でも一、二を争う過激な祭典に「病気で苦しむ弟の願掛けのため」という偽のエピソードをでっちあげて参加することになった。後日、現地新聞や日本のワイドショーで美談としてとりあげられるも、当時マニアの間では有名だったM男優の素性が明るみに出たことでAV撮影がバレ、そのシーンが丸々カットとなり、封印されることに。
これらの作品を手がけたのは、鬼才の呼び声の高いAV監督であるバクシーシ山下氏だが、第一線で活躍していた80年代後半から90年代は、エロからかけ離れた過激な映像表現に寛容だった時代。今ほど気軽に自主映画が撮れす、低予算のプログラムピクチャーも衰退の一途をたどっていたため、映画監督志望の映画青年がAV業界に流入。様々な実験的な作品が生み出されたという背景があるらしい。
その一方で、同じ過激という表現でもベクトルの異なる“リアリティ路線”を追求した問題作もある。インターネット上で「絶対検索してはいけない」と言われている『肉だるま』という言葉ご存知だろうか? その作品を見てみると、包帯まみれの女がベッドの四隅にくくり付けられ、犯されながら包丁で足首や舌を切断され、腹を引き裂いて腸を引きずり出す残忍極まりない内容。このグロテスクな『猟奇エロチカ 肉だるま』はBGMや照明もなく、画質の悪い手持ちカメラがリアリティを裏付けており「本物のスナッフフィルム(殺人フィルム)では?」と話題となった。ただ、この作品がお蔵入りとなったのは別の理由がある。主演した女優が発売直前に自殺してしまったのだ。作品との因果関係はないだろうが、その後関係者に不可解な事象が起こり、「肉だるまを見たら呪われる」という都市伝説が生まれることに……。
さらに時代が進むと、実際の事件を取り扱った“実録系AV”がリリースされるようになる。中でも映画さながらの予算をかけたアイエナジーの“エロシネマ”シリーズはAVとは思えない濃密なドラマ構成で人気を博したが、第3弾の『北陸少女監禁事件』がお蔵入りになったという。この作品のモチーフは、あの忌まわしき新潟少女監禁事件。小学生にしか見えない小柄な女優と大柄な男優を起用し、母親も監禁・虐待に加担していたという脚色がほどこされ、おぞましい地獄絵図を描いたこの作品は、あまりにも凄惨な内容すぎて警察とメーカー、販売会社と審査団体が協議した結果、封印されることになった。
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