伊坂幸太郎もキレた! 直木賞選考委員の「言いたい放題」がヒドい!

2014.07.17 04:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 2回目の候補となった第131回(04年上期)の『チルドレン』(講談社)では、ナベジュンも「構想や比喩もそれなりに鋭く、才気という点では一番だろう」と一定の評価を与えているが、次に噛みついたのは林真理子。伊坂の持ち味のひとつである「時空の自由な飛び方」に対し、「読者を混乱させてしまうばかりで、何の効果も生じないのだ」と酷評しているのだ。

 だが林も、続く第132回(04年下期)では受賞した角田光代の作品と同じように「推した」と述べ、「本当にセンスのいい作家だと思う」とベタ褒め。今度は津本陽や阿刀田高から「いまの境地を一段とつき抜ける熱情がほしい」「主人公の心情に同化できなかった」といわれ、五木寛之には「この程度の作家ではあるまい、というのが多くの選者の意見だった」とまとめられている。

 選評でダメ出しされて次の作品で納得させても、今度は別の選者からダメ出しをくらう──いくら文芸は客観的評価が難しいものだとはいえ、これだけ意見がバラバラだと「じゃあ、どうすりゃいいのさ!」と怒りをぶつけたくもなるだろう。

 しかし、まだここまでは我慢もできよう。問題は第134回(05年下期)の選評だ。4度目のノミネートとなったのは『死神の精度』(文藝春秋)だが、ナベジュンには「生や死や人生を、安易に割り切るところが作品の軽みであるとともに、底の浅いものにしている」と再び咎められ、ついには林にも「伊坂さんは、今とてもむずかしい時期に来ていると感じた」と見放されてしまう。さらに津本には「ながいあいだ書きながら、しだいに間口をひろげてゆけるようになることを期待する」と、“まだまだ青二才”認定を受けてしまうのだ。当時77歳の長老にこう言われてしまっては、直木賞受賞までこの先何十年かかるのか……と気が重くなったに違いない。

 そして、最後のノミネートとなった第135回(06年上期)。候補となったのは『砂漠』(実業之日本社)だったが、「応援してきた私としては少々、あてがはずれた感じ」(平岩)、「失敗作」(宮城谷昌光)、「作者の意図が私には計りきれなかった」(阿刀田)、「今回少々がっかりした」「中途半端な結果に終っている」(林)と散々な言われ様。五木は「これで受賞したら伊坂幸太郎のファンが泣くだろう」と書いているが、伊坂にしてみれば「自分で応募したわけじゃない!」「第一、お前一度も強く推したことないだろう!」と言い返したくもなるはず。しかも、ナベジュンにいたっては「深さとこくがない」と、これはコーヒーの選評か!?とツッコみたくなる言葉を投げつけられる始末。──まさに満身創痍、たとえ直木賞が最高の栄誉だったとしても、レースから降りたくなる心情もよく理解できるというものだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

芥川賞・直木賞150回全記録

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

伊坂幸太郎もキレた! 直木賞選考委員の「言いたい放題」がヒドい!のページです。LITERAは政治・マスコミ・ジャーナリズム・オピニオン・社会問題や芸能(エンタメ)・スキャンダル・カルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。伊坂幸太郎、出版業界、直木賞の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 高市“飲酒G7ドタキャン”を隠すため茂木外相が嘘答弁!嘘に嘘を重ねる迷走
2 「議員定数削減」で自民・維新は議席占有率アップと「企業献金」温存の一挙両得
3 高市早苗“G7ドタキャン”言い訳の嘘と本当の理由を徹底検証!
4 吉高由里子が元カレに言った一言
5 高市早苗が「戦争をしたがっている」ことを証明するトンデモ発言集!
6 今秋発足「防災庁」の職員は「国家情報局」の半分しかいなかった!
7 市川沙耶と熱愛・野島アナに二股の過去
8 自衛隊が小学生まで「自衛官勧誘」目的のパンフレット作成
9 葵つかさが「松潤とは終わった」と
10 ケントのヘイト本に版元の講談社で批判
11 高市推薦、自民党ヒトラー本が怖すぎ
12 りえママ、娘にたけしとの不倫を強要!?
13 朝ドラ『まんぷく』の憲兵より本物の憲兵のほうがヒドい
14 「白い靴下」を履かせる殺人犯の性癖
15 止まらない岡田晴恵バッシング!「週刊新潮」が「予言外れた」と的外れ批判
16 水木しげるが描いた慰安婦「兵隊以上に地獄」
17 小泉防衛相ら靖国参拝 靖国のグロテスクな戦争礼賛の本質
18 古代史研究者が「神武天皇から続く伝統」に抗議声明 読売テレビも
19 辻仁成が告白「彼女に新しい人が…」
20 吉高が“私の裸を見て”と迫った男

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄