関西万博で十数億円のパビリオン建設キャンセル料の支払が発生! 支払先は吉村知事のパー券購入の大和ハウス 他にも巨額受注が

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大阪府HPより

 安倍派による裏金問題に大きな注目が集まっているが、その陰に隠れつつ、2025年大阪・関西万博の予算問題がさらに酷いことになっている。

 政府は19日に万博の国費負担額が1647億円であると試算を公表。なんと、当初の公表額よりも約1000億円の増額となったが、じつはここには国費が投入される会場周辺のインフラ整備費や、全額が国費で賄われる「空飛ぶクルマ」の実証実験などの事業をまとめた各府省庁の行動計画の費用計3.4兆円は含まれていない。つまり、国民は実際には1647億円などでは済まない負担を担わされるのだ。

 しかも、同日に大阪市と大阪府は、府と市の負担費用が約1112億7000万円になる見通しだと公表していたが、わずか3日後の22日に約1377億7000万円になると公表。たった3日で約265億円も増額させたのだ。

 物価高騰によって生活は苦しくなるばかりなのに、わずか半年のイベントに湯水の如く血税を注ぎ込んでいく──維新と岸田政権が市民をいかに「財布」扱いしているかがよくわかるだろう。

 だが、どんどん膨れ上がっていく万博予算のなかでも、とくにSNS上をざわつかせているのが“資材キャンセル”問題だ。

 海外パビリオンの建設遅れが問題となるなか、万博協会は今夏、打開策として万博協会が建設を代行するプレハブの簡易型パビリオン「タイプX」を各国に提案。11月に建設事業者に対して24棟分の資材を発注していたのだが、「タイプX」を採用する国が最大でも3カ国にとどまるなどしたため、発注した半分以上をキャンセルせざるを得ず、そのキャンセルに十数億円がかかる、というのだ。

 この問題について吉村洋文知事は「いざというときに準備をしておく必要があった」などと抗弁したが、建設事業者に過大発注をかけ、たったの2カ月足らずで十数億円をパーにしてしまった事実に変わりはない。

 しかも、いま問題になっているのは、発注を受けた建設事業者についてだ。「タイプX」については、日本共産党の清水忠史・前衆院議員や辰巳孝太郎・元参院議員が「『タイプX』は大和ハウスが中心に請け負う」「『タイプX』のプレハブを受注しているのは大和ハウス」と指摘している。

 そして、なぜ大和ハウス工業が問題になるかといえば、吉村知事との深い関係が囁かれている企業だからだ。

大和ハウスは吉村知事のパーティ券購入していた! タイプXのパビリオン以外にも例のリングの屋上や大阪カジノも…

 吉村知事は2019年2月1日、ホテルニューオータニ大阪の「鳳凰の間」で政治資金パーティである「大阪市長就任3周年記念パーティ」を開催したが、吉村知事の政治団体「友洋会」の政治資金収支報告書によると、このパーティ券を2019年1月15日に大和ハウス工業が40万円分、購入している。ちなみに翌2020年に、大阪府と大和ハウスは包括連携協定を締結。このとき、吉村知事は「大阪を良くするため一緒に歩みたい」とコメントしている。

 吉村知事のパーティ券を高額購入している企業が、万博事業を受注──。これではパー券購入の見返りとしての利益誘導を疑われても仕方ないと思うが、大和ハウスが請け負う万博事業は噂されている「タイプX」だけではない。「週刊文春」(文藝春秋)12月14日号では、大和ハウスの受注状況を以下のように伝えている。

〈大和ハウスの100%子会社「大和リース」(大阪市中央区)は、夢洲・舞洲地区の会場外駐車場等建築物の賃貸借を約13億円で受注。施設整備事業(テーマ館「いのちを磨く」)も約12億円で受注(建設会社フジタとのJV)。これらを総合すると、公表分だけで大和リースは約31億円を受注している計算だ。更に産経新聞(10月27日付)は“350億円リング”で、人々が回遊できる屋上の緑化事業を大和リースが受注した旨を報じている(万博協会は「公表していないが、概ね記事の通り」とした)〉

 しかも、吉村知事と大和ハウスの関係はパー券購入の間柄だけではない。大阪府と市は2022年3月、大阪万博関係の特別参与に国交省出身の神田昌幸氏が就任したが、神田氏は大和ハウス工業の常務理事を務めている。また、吉村知事の大阪市長時代から後援会幹部を務める人物は「大和のお偉いさん」とも呼ばれている大和ハウスの元社員だというのだ(前出・「週刊文春」より)。

 市民の税金をじゃぶじゃぶ投入する万博で、吉村知事の親密企業が儲ける。だが、大和ハウスにとっての本丸は、万博のあとの大阪カジノにある。実際、大和ハウスは大阪府・市がカジノ事業者に選定した米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが合弁で設立した「大阪IR株式会社」に出資。大阪カジノにともなう夢洲周辺の商業施設やホテル、物流センターなどの開発に参入することを希望しているのだ。

大阪府・市の特別顧問を務める元祖“コネクティングルーム不倫”和泉洋人・元首相補佐官も大和ハウスとの関係が…

 また、大和ハウスといえば、大阪府・市の特別顧問として夢洲の開発を取り仕切る和泉洋人・元首相補佐官との癒着関係も問題になっている。

 和泉元首相補佐官は国交省出身で、安倍・菅政権時代には首相補佐官として沖縄・辺野古米軍新基地建設の埋め立て工事や加計学園問題などで暗躍、露骨な圧力や恫喝を繰り返して行政を歪めてきた人物。2020年には厚労省の大坪寛子・大臣官房審議官と公費を使った不倫出張疑惑が浮上し、“コネクティングルーム不倫”として大きな批判を浴びた。和泉氏は横浜カジノ参入でも菅義偉・前首相の右腕となってきたが、岸田政権発足後に首相補佐官を退任すると、今度は大阪府と市が和泉氏を特別顧問に就任させたのだ。

 この人事については当初から菅前首相と近い松井一郎・前大阪市長の意向が強く働いたものだと見られてきたが、松井前市長が和泉氏を特別顧問に選任するよう指示した同時期に、和泉氏は少なくとも9社の大手住宅メーカーや建設、不動産関連の有名企業に月100万円のアドバイザリー契約を持ちかけていたと「週刊現代」(講談社)が報道。じつはその1社が大和ハウスなのだ。

 吉村知事や維新と近い和泉氏のお友だち企業によって食い物にされる万博と大阪カジノ。しかも、そこには巨額の税金が投入され、今後も予算はどんどんと膨らんでいくと考えられるのだ。万博・カジノともに、中止の選択肢しかないだろう。

最終更新:2023.12.28 09:32

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