東京都の感染者100人超でも…小池知事はまさかの「良い傾向」発言、加藤厚労相は「その数字わからない」、安倍首相は「Hanada」のインタビューに

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首相官邸ホームページより


 深刻な数字が突きつけられた。本日、東京都が発表した新型コロナの新規感染者数が107人と、5月2日以来、再び100人の大台に乗った件だ。東京都の新規感染者数が100人をはじめて超えたのは4月4日(118人)だったが、その10日後である17日には新規感染者数は201人にまでのぼった。このままでは同じような道を辿ることになるだろう。

 だが、小池百合子都知事はきょうの新規感染者数について、夕方からおこなわれた会見で「感染拡大要警戒」「“夜の街”要注意」というボードを掲げ、「いわゆる『夜の街』関連が4割を占めている」「『夜の街』関連が多い」と強調。「医療提供体制は十分確保されている」とし「より一層の警戒を」と語る一方で、夜の繁華街への外出を控えるよう述べた。

 しかも、正午すぎには記者団に対して「検査に伴って数が増えている」と言い、「かつての検査体制からいまかなり充実していますので、検査をお受けいただいていることは、むしろ良い傾向かというふうに思います」と発言していた。

「夜の街に行くな」って、まずはしっかり補償をして休業を要請することこそが都知事の仕事ではないのか。それもやらずに、挙げ句、まさかの「良い傾向」とは……。

 いや、無責任かつ危機感がまるでないのは、政府も同じだ。菅義偉官房長官は本日午前の会見で、小池都知事と同様、「(自粛要請は)考えていない」とコメント。だが、さすがに100人超えが判明した午後の会見では危機感を示すかと思いきや、菅官房長官はこう言い切ったのだ。

「ただちに再び緊急事態宣言を発出する状況に該当するとは考えていない」
「感染拡大防止と社会経済活動の両立に取り組んでいく」

 さらに、「東京の感染者が100人確認されたということを受けて対策本部を開く予定は?」と質問されると、一言「考えていません」とピシャリ。ようするに、100人を超えても、安倍首相が本部長を務める対策本部は動かない、というのである。

 知らんぷりを決め込んだのは菅官房長官だけではない。本日は国会の閉会中審査で参院厚労委員会が開かれたが、そこで日本共産党の小池晃参院議員が加藤勝信厚労相に対し、「各局が一斉にニュース速報で、東京都の感染者数が100人を超えると報じているが、私は深刻な数字ではないかと思う。厚労大臣として、政府として何らかの手立てを打つべきではないか」と迫ったのだが、加藤厚労相の答弁はこうだった。

「すみません、私、委員会中なんで、一切そういうの見ることができないんで、その数字がどうなのかって、ちょっとわからない」

 たとえ報道を知らなかったとしても、この数字についてどう考えるか話すことはできる。しかし、加藤厚労相は「その数字は見ることができないんでちょっとわからない」などと述べて、見解を示すことから逃げたのだ。

 実は厚労省は6月19日、コロナの再拡大に備えた体制づくりを都道府県に通知している。そのなかで、対策の検討が必要だとする基準は「直近1週間の人口10万人当たりの感染者数が2.5人」となっている。

 東京都では6月29日以降、その数字が指標を上回る2.6人超となっており、きょうの100人超えによってさらに悪化することになる。にもかかわらず、通知を出した省庁のトップが「ちょっと見てないのでわからない」と答弁するのは、あまりに無責任だろう。

厚労省は「10万人当たり2.5人超」で自治体に対策を求める通知を出していた!

 しかも、だ。この指標では、2.5人以上になった場合、〈自粛などの協力の呼び掛けが早いほど、医療だけでなく、自粛期間の短期化などで経済的にも影響が小さい〉(東京新聞2日付)としている。つまり、経済面を考えても早く手を打つべき状況なのだ。

 一方、対策を打たなかった場合のシナリオはどうなるのか。専門家会議の試算はこうだ。

〈専門家会議の試算では、東京都内で2.5人超となった日の翌日に対策を呼び掛ければ、流行のピーク時に入院が必要な患者数は1500人だが、3日後だと1900人、7日後だと3100人に膨らむ。〉(前出・東京新聞2日付)

 1週間後には入院患者数は3100人──。このような試算を政府はすでに出しているというのに、指標である2.5人を超えても、何も手を打とうとしないのだ。

 たとえば、菅官房長官は「ただちに再び緊急事態宣言を発出する状況に該当しない」理由として、本日夕方の会見ではこう述べていた。

「昨日までの感染者数には症状の有無にかかわらず濃厚接触者など積極的に検査を受けていただいた結果によるものも結果も含まれており、半数以上が30歳代以下の若い方であり、 入院患者数自体は増加しているものの、重症患者は減少している」

「半数が若い世代の感染だから重症患者は増えない」とでも言いたいのかもしれないが、無症状の若者が重症化リスクの高い高齢者などに感染を広げる可能性をどうして無視するのか。だいたい、政府も小池都知事も「夜の街」に問題を転嫁しつづけているが、この間、日によっては感染者の半数以上が感染経路不明となっている。経路が不明ということは市中感染が起きている可能性が高く、患者数が増加すれば重症患者も増えていくことは間違いない。

 さらに、西村康稔・新型コロナ担当相は6月27日の会見で、「医療体制には余裕があるので、いまの時点で緊急事態宣言の再指定をするとか、心配があるというわけではない」と医療体制の充実を理由に緊急事態宣言の再指定を否定したが、とてもじゃないが現在も「医療体制に余裕がある」と言えるような状況にはない。

 実際、厚労省は第2波に備えて各都道府県のピーク時の想定入院者数と確保見込みの病床数を推計しているのだが、最大の場合、全国で9万5440人が入院すると見られる一方、各都道府県の病床確保見込み数は3万138床にとどまる。さらに、東京都の場合、最悪の入院患者数は9058人となっているが、確保見込みの病床数は4000床だ。

 新規感染者数が東京都だけで100人超えという状況にあっても、「医療体制に余裕がある」「新規感染者の半数以上が30歳代以下の若い方」などと言って何も手を打たなければ、あっという間に逼迫した状態に陥ることは明々白々。東京都は再び医療崩壊を引き起こすだろう。その上、厚労省の指標では、すでに「すぐ対策を打つべき状況」にあるにもかかわらず、安倍政権は対策本部の会議を開こうともしない。

 いや、もっと酷いのは、安倍首相の動向だ。

安倍首相はコロナおざなりのまま、まさかの極右雑誌「Hanada」のインタビューに!

 安倍首相はこのコロナ禍で国会を閉会させてしまうと、案の定、国民の前から雲隠れ。野党は閉会中審査で予算委員会の集中審議を求めているが、コロナ対策はもちろん、河井夫妻買収事件問題もあるというのに、安倍首相は一度も国会に姿を現していない。それどころか、臨時国会の開催自体にまで消極的な態度をとり、永田町では臨時国会での解散説まで流れている始末だ。

 しかも、東京都での新規感染者数が拡大の一途を辿っているというのに、安倍首相はダンマリ。1日には、東京五輪組織委員会の会長代行である遠藤利明・元五輪担当相らと面会し、東京五輪成功に向けての決議文を受け取ったが、その際、安倍首相は「世界が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして大会を開催するため、感染の拡大抑止に力を尽くさなければならない」と述べたのだ(NHKニュース1日付)。

「コロナに打ち勝った証し」も何も、いま足元で感染者が拡大しつづけているにもかかわらず、それはスルーして五輪開催には前のめり……。そして、きょうも「高い緊張感を持って、自治体とも連携しながら対応する」「西村担当大臣からしっかり考え方について述べさせてもらっている」などと短く述べると、さっさと官邸をあとにした。しかも夕方には、この状況下で、なんと極右雑誌「Hanada」(飛鳥新社)のインタビューを受けていたのだ。コロナ対策よりも極右仲間のほうが大事とは、いったいどういう神経をしているのか。

 ようするに、すでに東京都が危険な状況に突入していることがわかっていても、「経済活動最優先」である安倍官邸の方針に変わりはなく、都知事選を控えた小池都知事もその方針と軌を一にし、「“夜の街”要注意」などと「夜の街」に負の烙印を押すことにばかり必死になって、何ら対策を講じようとはしないのだ。

 繰り返すが、厚労省の指標では、東京都はもう手が打たれていなければならないような切迫した状況にある。そして、一刻も早く対策をとらなければ、国民の健康と安全はもちろん、経済へのダメージはこれまでよりももっと酷いことになる。それをわかっていながら、安倍政権と小池都知事は無視しつづけようというのである。

 この国に生きる者をいま再び窮地に追い込もうとしているのは、新型コロナではない。安倍政権と小池都知事なのだ。

最終更新:2020.07.22 02:34

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