東京五輪“総動員”体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
東京五輪総動員体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!の画像1
組織委員会HPより/pre>

 一体、誰のためのオリンピックなのか──。2020年開催の東京五輪に対し、疑問の声が噴出している。極暑対策として「打ち水」やサマータイム導入を打ち出したかと思えば、大会期間中はネット通販を控えろだの、銀メダルの原材料が足りないから回収を強化しろだの、ボランティアを集めるために大学・高専の授業や試験期間を繰り上げろだのと、「五輪開催のために国民は犠牲を払え」と押し付けてばかり。「これは戦時体制に慣らすための予行演習なのでは?」と思わずにいられない。

 実際、最近は早稲田大学2年生の学生が作成したという「東京五輪学生ボランティア応援団」なるサイトが話題を呼んでいる。

 このサイトでは、さんざん〈1兆円以上もの予算を提示しながらボランティアにはたとえスキルがあろうが無かろうがびた一文出さない組織委の倹約精神〉や〈戦中の金属供出を彷彿とさせる都市鉱山からのメダル製作〉、〈どう考えても耐え難いであろう酷暑に対して打ち水で挑もうとする竹槍根性〉、〈問題は山積しているというのに未だにやりがいや絆や感動などといった聞こえのいい言葉に簡単に騙されてしまう国民〉などと問題点を指摘した上で、〈これらの要素が揃えば、美しい国・日本は世界に誇る自己犠牲の精神をもって最高の五輪を実現できるに違いない〉〈皆さん、この素晴らしい我が国の、威信を懸けた祭典のためにぜひ身を賭して貢献しようではありませんか! 東京五輪、万歳! 日本、万歳!〉と、まったく見事に東京五輪に向けた動きが戦時下そっくりのかたちであることを見抜き、盛大に皮肉っている。

 少しずつ人びとが感じはじめている、「これでいいのか?」という東京五輪への疑問、違和感。しかし、その一方でなぜかメディアは問題点を真正面からは取り上げず、盛り上げムードの醸成に力を入れるばかりだ。

 だが、そうしたなかで、東京五輪に疑義を呈した新聞がある。

●椎名林檎「国民全員が組織委員会」にNOを突き付けた西日本新聞の勇気

 それは、8月5日付けの西日本新聞に掲載された、永田健・論説副委員長によるコラム。文章は、冒頭から〈今回のコラムは大多数の読者から賛同を得ようなどと大それたことは考えていない〉と断った上で、こうつづくのだ。

〈東京五輪の開催まで2年に迫った。競技会場が予定される各地で「あと2年」のイベントが開かれ、テレビもしきりに「待ち遠しいですね」と呼び掛ける。
 私はといえば、全然待ち遠しくない(個人の感想です)〉

 東京五輪が「全然待ち遠しくない」──。永田論説副委員長の「個人の感想」とはいえ、新聞やテレビといったメディアでお祭りムードに水を差すような意見を打ち出すことは異例中の異例、いや、はじめてのことではないだろうか。

 しかも、この西日本新聞のコラムは、他の新聞・テレビが踏み込まない問題も指摘する。

〈私が東京五輪で懸念するのは、「暑さ」よりも「熱さ」の方だ。国民こぞって五輪を盛り上げましょう、という「熱さ」。開催期間前後、社会が五輪一色になる「熱さ」である〉
〈さらに心配なのは、その「熱さ」が「日本人なら五輪に協力して当然。何しろ国民的行事なのだから」という「圧力」に転じることだ。日本社会に根強い同調圧力が一層強まりそうだ〉

 そして、このコラムは、〈五輪の式典演出に関わる人気ミュージシャンが昨年、インタビューで五輪反対論に触れ〉たことを紹介し、そのミュージシャンの「もう国内で争ってる場合ではありませんし」「いっそ、国民全員が組織委員会。そう考えるのが、和を重んじる日本らしい」という言葉を引用している。この人気ミュージシャンとは、言わずもがな椎名林檎のことだ。

 東京五輪に反対する意見や懐疑的な声を「もう決まったこと」「和を乱すな」と言って封じ込める──。そうした流れに、このコラムは〈「国民全員が組織委員会」…。それはちょっとご辞退申し上げたい〉とはっきりNOを突きつけるのである。

 

東京五輪を一切批判せず五輪協力への同調圧力装置と化す新聞・テレビ

 新聞やテレビが会場問題やサマータイム導入問題などには疑義を呈することはあっても、このような東京五輪に対する「自国開催は誇らしいこと、喜ぶのは当然」「国民的行事なのだから協力は当たり前」などという「同調圧力」に、社の意見を執筆する論説委員が疑問を投げかけるなどということはほとんどないだろう。なぜなら、新聞・テレビこそが「2020年が待ち遠しい!」という社会の空気をつくり出し、異論を排除しているからだ。

 現に、テレビではこうした論調はまったく見ないし、新聞も読売や産経はもちろんのこと、朝日や毎日でさえ個別の問題を批判的に取り上げることにも及び腰で、ましてや西日本新聞のように「東京五輪が待ち遠しくない」などと踏み込むことはしない。せいぜいインタビューで識者などが熱狂ムードに釘を刺す程度だ。

 なぜ、リベラルな新聞までもが“国策”である東京五輪にまんまと乗っかっているのか──。その答えは簡単だ。大手新聞5社は、東京五輪のスポンサーに名を連ねているからである。

 これまで、五輪のスポンサーは読売新聞1社が独占契約をおこなう交渉がつづいていたが、そのオフィシャルパートナー契約は少なくとも50億円といわれ、読売単独では巨額すぎた。そのため日本新聞協会がスポンサー契約をする案が浮上したが、計130社が加盟する協会では足並みが揃うことはなかった。そこで新聞各社が個別契約することになり、2016年1月に「オフィシャルパートナー」として朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞東京本社の4社が契約を締結。今年1月に「オフィシャルサポーター」として産経新聞社、北海道新聞社が新たに契約した。

 言論・メディア企業各社が東京五輪のスポンサーになることで、五輪の不祥事や問題点をきちんと報じることができるのか。そうした懸念は当然のことだが、実際、大会組織委が報道に“圧力”をかけようとしたこともある。

森喜朗が五輪不祥事を報道した東京新聞に「スポンサーから外せ」と圧力

 大会組織委は朝日、日経、毎日、読売の4社と契約した後、中日新聞、北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙と交渉を進めてきたが、そうした最中に中日新聞東京本社が発行する東京新聞は新国立競技場の建設問題をはじめとして五輪絡みの不祥事を追及。そのことに大会組織委会長の森喜朗が立腹し、契約交渉のなかで「東京新聞を外せ」と圧力をかけたのだ。

 この問題を取り上げた「週刊新潮」(新潮社)2016年4月14日号によると、森会長はこんな横やりを入れてきたという。

「今年2月、そろそろ正式に契約を結ぶという段になって、森さんは電通を通じてこんなことを言ってきたのです。“中日新聞社のうち東京新聞は国立競技場問題などを批判的に書いてケシカラン。組織委としては、五輪に批判的な東京新聞は外して、中日新聞とだけ契約したい”と」(「週刊新潮」より中日新聞関係者のコメント)

 しかも、森会長だけでなく大会組織委の武藤敏郎事務総長も「スポンサーが五輪を批判するのはおかしい」と発言したといい、こうした露骨な圧力を受けたことで中日新聞はスポンサーから撤退したと見られている。だが、これは中日新聞に限った話ではない。森会長や武藤事務総長の言動を見れば、スポンサーとなった新聞社はこのような大会組織委からの圧力に晒されているということが十分に考えられるからだ。

 五輪を大義名分にして国民に強いる“自己犠牲の精神”は、戦時体制をつくり上げた国家総動員の再来だ。にもかかわらず、新聞社が大会スポンサーに成り下がって“盛り上げ役”となり、その問題の根深さ、危険性に警鐘を鳴らして正面から批判できないのならば、戦争に加担した負の歴史と同じことを繰り返しているようなものだろう。

最終更新:2018.08.26 12:27

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連記事

    新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

    東京五輪“総動員”体制に早大生がパロディサイトで痛烈皮肉! 西日本新聞も五輪の同調圧力を真っ向批判!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。平昌オリンピック早稲田大学東京五輪東京五輪学生ボランティア応援団編集部西日本新聞の記事ならリテラへ。

    人気記事ランキング

    総合
    ツイート数
    1 自民党コロナ対策本部がヤバイ、青山繁晴らネトウヨがズラリ、陰謀論も
    2 安倍首相が辻元清美に“前夜祭の決定的な嘘”を暴かれ窮地に!
    3 槇原敬之は明らかに不当逮捕だ!薬物より怖い警視庁組対5課
    4 安倍政権の酷すぎる新型コロナ対応!「金がかかる」と検査キットを導入せず
    5 安倍政権のコロナ対応の遅さに非難殺到! 14 日まで感染症専門家会議設置せず
    6 安倍政権はコロナも“自己責任 韓国は生活費支援も日本は休業補償認めず
    7 『報ステ』政権忖度で首を切られたスタッフたちに支援の動き!
    8 伊集院光がNHK『100分de名著』で「東京五輪、本当にいるのか」
    9 安倍首相の強気の裏にニューオータニ幹部との関係
    10 安倍「感染症対策のため獣医学部」は嘘! 加計は新型コロナ対応不能
    11 葵つかさが「松潤とは終わった」と
    12 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
    13 国内感染広がるも百田尚樹ら極右はまだ「中国人を入れるな」
    14 小学8年生の安倍伝記漫画が反日と炎上
    15 「全国高校生未来会議」仕掛人に新疑惑
    16 「桜を見る会」前夜祭問題でニューオータニ総支配人が
    17 新型コロナで高須院長やネトウヨが北朝鮮の「全員隔離」を絶賛
    18 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
    19 『報ステ』から政権批判が消える! 派遣切り、安倍シンパ出演
    20 グッディ!土田マジギレ真の原因
    1 久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
    2 安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
    3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
    4 明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
    5 『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
    6 『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
    7 『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
    8 文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
    9 埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
    10 安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
    11 菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
    12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
    13 安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
    14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
    15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
    16 『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
    17 GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
    18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
    19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
    20 『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

    カテゴリ別ランキング


    マガジン9

    人気連載

    アベを倒したい!

    アベを倒したい!

    室井佑月

    ブラ弁は見た!

    ブラ弁は見た!

    ブラック企業被害対策弁護団

    ニッポン抑圧と腐敗の現場

    ニッポン抑圧と腐敗の現場

    横田 一

    メディア定点観測

    メディア定点観測

    編集部

    ネット右翼の15年

    ネット右翼の15年

    野間易通

    左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

    左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

    赤井 歪

    政治からテレビを守れ!

    政治からテレビを守れ!

    水島宏明

    「売れてる本」の取扱説明書

    「売れてる本」の取扱説明書

    武田砂鉄