内閣府がアパグループの歴史修正主義活動を「公益目的事業」に認定! 森友加計と同様、安倍首相のサポーターに忖度か

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公益財団法人アパ日本再興財団公式HP

 本日5月1日、目を疑うような広告が産経新聞に掲載された。その広告の出稿主は、公益財団法人アパ日本再興財団。ホテルチェーンでおなじみのアパホテルを傘下とするアパグループ代表の元谷外志雄氏が創設し、田母神俊雄氏や竹田恒泰氏、杉田水脈氏、ケント・ギルバート氏などの極右言論人を表彰してきた「真の近現代史観」懸賞論文の主催者だ。

 今回の広告は、その公益財団法人アパ日本再興財団が新たに賞金1000万円の「アパ日本再興大賞」なる顕彰制度を創設するという告知なのだが、そこにはこんな文言が躍っていたのだ。

〈公益財団法人アパ日本再興財団は設立以来
「正しい国家観、世界観を持った
人材を育成し、日本国民が
自虐史観によって失った
国に対する誇りを取り戻し、
誇りある祖国である日本を成長発展させる」
という目的を掲げてきました。
この目的の実現を推し進めるため、
内閣府より公益目的事業の認定を受け、
「アパ日本再興大賞」顕彰制度を実施いたします〉

 なんと、歴史修正や差別的デマを振りまいてきた財団の顕彰制度を、内閣府は公益目的事業として認定したというのである。ちなみに、公益目的事業に認定されれば、法人税は非課税となる。

 アパグループといえば、昨年1月、「南京虐殺はなかった」などという保守系の学者でさえ「ありえない」とするトンデモ論を主張する元谷代表の歴史修正本を客室に設置していたことが国際問題に発展したことも記憶に新しい。そうした差別を助長する歴史修正は同法人が表彰してきた論文でも展開されており、とてもじゃないが公益性が認められるようなものではない。

 にもかかわらず、内閣府はアパ日本再興財団を2015年6月25日に公益財団法人への移行を認可。今回、アパ日本再興財団は新聞広告で「内閣府より公益目的事業の認定を受け」たと謳っているが、公益目的事業の定義は、学術及び科学技術や文化及び芸術の振興、高齢者の福祉の増進や児童又は青少年の健全な育成の目的など計23種の事業のうちいずれかに該当することと、〈不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する〉事業であること。ようするに、内閣府はこのようなあからさまな歴史修正と差別を助長する言論を支える事業を「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与」すると認めているのである。

アパホテル元谷代表と安倍首相の深い関係、秘密後援会「安晋会」の副会長も

 いま、内閣府をめぐっては、HP内の「国政モニター」によって集められた国民の意見なるものが差別デマに溢れている件が問題となっている。この件については追ってお伝えしたいが、今回のアパ問題は、差別的言辞を黙認するという問題だけではなく、さらに別の、大きな問題を孕んでいる。

 それは、森友学園や加計学園問題と相通じる、安倍首相および安倍自民党への忖度事案なのではないか、という問題だ。

 今回、本サイトが公益法人認定をおこなう内閣府の公益認定等委員会事務局に取材をおこない、公益目的事業の認定の仕組みについて尋ねると、担当者からはこのような回答が帰ってきた。

「有識者からなる公益認定等委員会が内閣総理大臣から諮問を受け、これがふさわしいかどうかというのを審査し、その結果、ふさわしいと思いますということで答申を受けて、その答申を受けた行政長・内閣総理大臣のほうが、法人に対して認定を出すという仕組みです」

 そして、本サイトでは何度も追及してきたように、アパ日本再興財団の代表理事である元谷氏と安倍首相は深い間柄にある。

 まず、安倍首相と元谷氏を繋いだのは、森喜朗元首相だとされている。元谷代表は森氏と同郷である石川県の小松市出身。1986年、元谷氏は地元の政治家や財界人を集めた会員組織「小松グランド倶楽部」を結成したのだが、そのとき最高顧問に就いたのが森氏で、2003年にはアパグループの機関紙「Apple Town」で対談もおこない、元谷代表の著書の出版パーティの発起人を森氏が務めるまでになった。そうしてアパグループは森氏との蜜月を機に政界に人脈を広げ、その子分である安倍晋三と関係を深めていったのだという。

 実際、2005年10月12日、元谷代表の自宅でおこなわれた「日本を語るワインの会」なる会合に、官房長官に就任する直前の安倍氏が出席していたことを、「週刊ポスト」(小学館)06年9月29日号が写真付きで報じた。また、元谷代表の妻でアパホテル社長の芙美子氏が旧森派議員のパーティに参加し、安倍氏とツーショット写真を撮っていたことも発覚した。

 極めつきは、安倍氏の秘密後援会「安晋会」の存在だ。当時メディアを賑わせていた姉歯・ヒューザーの耐震偽装事件で、耐震偽装マンションを販売したヒューザーの小嶋進社長(当時)が、国会証人喚問で国交省への事件もみ消しの働きかけを当時官房長官だった安倍氏の政策秘書・飯塚洋氏に依頼していたことを暴露。また「週刊ポスト」によると小嶋社長は「安晋会」に入っていたから、とその関係を説明したことがあった。「安晋会」には、吉村文吾・AIG株式会社会長や前田利幸・前田興産代表取締役社長、そしてライブドア事件にからみ沖縄で怪死を遂げた野口英昭氏が副社長を務めていたエイチ・エス証券の澤田秀雄社長(エイチ・アイ・エス会長)など実業界の実力者が集結し、さまざまな疑惑が報じられたのだが、じつは、その「安晋会」の副会長を務めていたのがアパグループの元谷代表だったのだ。

内閣府に忖度疑惑を直撃! 加計問題でも安倍のために動いていた内閣府は…

 これだけではない。その後も元谷代表は、安倍首相の有力な支援者でありつづけている。事実、アパホテルに設置してあることで問題となった著書『理論 近現代史学II 本当の日本の歴史』には、こんな一節がある。

〈安倍政権は十年以上続く長期政権を目指し、日本を立て直し、誇れる祖国・日本の再興を果たして欲しい。そして自ら招致に成功した東京オリンピックの開会式で、安倍首相が「君が代」と共に開会宣言を行うのが理想だ。中国、韓国にしっかり対応していくためにも、安倍政権が長期政権となるべく、私も最大限のサポートをしていくつもりだ〉

 このサポートは昨年の総選挙でも発揮された。しんぶん赤旗が2017年12月25日付でスクープしたところによれば、元谷代表が名誉会長を務める「アパ・コーポレートクラブ」が、稲田朋美防衛相(当時)や下村博文・元文科相といった安倍側近議員をはじめとする改憲派候補者を「『誇れる国、日本』の再興のために活躍して頂ける政治家」だとして推薦し、応援を呼びかける文書を取引先である大手企業に送っていたことがわかったからだ。

 さらに、アパグループの機関誌「Apple Town」2017年2月号において元谷代表と対談をおこなった自民党の片山さつき議員は「日本の旗を背負った大使の様なホテル王」「海外でもアパホテルは日本のランドマーク」と露骨なヨイショ発言を連発するなかで、「(元谷)代表は日本の保守のオピニオンリーダーのお一人であり、安倍首相のビッグサポーター」とも述べている。

 前述したように、アパ日本再興財団が公益財団法人に移行したのは安倍政権下の2015年のこと。耐震偽装事件の際に元谷代表と安倍首相の蜜月を伝えた週刊誌報道をはじめ、2008年に侵略戦争を正当化した田母神氏のアパ論文問題が大きなニュースとなった際にも、田母神氏を航空幕僚長に任命した安倍首相がクローズアップされ、安倍氏とアパの関係が取り沙汰された。つまり、公益財団法人に移行する際も、さらに今回の公益目的事業の認可も、内閣府はアパが安倍首相に深くかかわっているということは百も承知だったはずなのだ。

 ちなみに、本サイトでは内閣府の公益認定等委員会事務局に対し、歴史修正を称揚するアパ日本再興財団に公益性があると判断する妥当性について質問したが、回答は「審査は認定法が掲げている基準を満たすかどうか」であり「個別の論文がふさわしいのかというところを見ているものではない」というものだった。また、元谷代表と安倍首相の関係といった政治的な問題が認定に影響を及ぼしたのではないかという質問には「ございません」という返事が返ってきた。

 しかし、内閣府といえば、獣医学部新設問題でも加計学園幹部らの官邸訪問時から藤原豊・地方創生推進室次長(当時)がアドバイスをおこなうなど、官邸と歩調をあわせた暗躍ぶりが判明している。否定コメントを額面通りに受け取ることはできない。

 海外からも言動が問題視される人物が代表理事を務める団体の、歴史修正と差別デマを振りまくための顕彰制度を政府が認可する──この異常な事態と、噴出する安倍首相の「お友だち優遇」という政治の私物化問題が、地続きにあると考えるのは自然な話だ。いずれにしても、安倍首相がトップであるかぎり、この国ではどんどんと極右思想が称揚され、スタンダード化していくことは間違いない。

最終更新:2018.05.02 11:23

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