幻冬舎の依頼で指原莉乃が小説を執筆!? 文壇バーの取材で浮き彫りになった指原と文化人の食い合わせの悪さ

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フジテレビHPより

幻冬舎の依頼で指原莉乃が小説を書くも、あえなく頓挫

 本日5月11日、又吉直樹の芥川賞受賞後第一作となる小説『劇場』(新潮社)が出版された。又吉の成功を受けてか、今年3月には徳井健太(平成ノブシコブシ)や板倉俊之(インパルス)、福徳秀介(ジャルジャル)といった吉本芸人の短編小説を掲載したムック本『文藝芸人』(文藝春秋)が出版されるなど、出版界は売り上げを見込める新たな芸能人小説家を生み出そうと躍起だ。

 そんな状況に先駆けて、実は、あるアイドルにも小説執筆の依頼が来ていたらしい。そのアイドルとは、HKT48の指原莉乃。それが明らかになったのは今月7日深夜に放送された『真夜中』(フジテレビ)だった。

 この『真夜中』は、リリー・フランキーと指原が銀座の高級クラブや新宿二丁目のゲイバーなど夜の街を散策し、大人の世界のマナーを指原に教えていくという番組だが、この日の舞台は、新宿にある文壇バー・猫目だ。

 その場にいたのは評論家の坪内祐三氏をはじめ、元「en-taxi」(扶桑社)編集長で『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(扶桑社)の編集を担当した壱岐真也氏、「女子SPA!」(扶桑社)編集長の増田結香氏、「週刊ポスト」(小学館)編集長の飯田昌宏氏、新潮社の金寿煥氏や江木裕計氏といった錚々たるメンツだった。

 そんな出版界の有名人だらけの空間で、リリーがこう切り出したのだ。

「指原もいずれさ、本出すじゃん、絶対。そしてね、お前、本出すとき絶対、幻冬舎から出すと思う」

 店内は大爆笑になったが、それはリリーが名指しした幻冬舎と、AKBグループの総合プロデューサーである秋元康が極めて親密な関係にあるからだ。その関係はたとえば2015年に流出した安倍首相との「組閣ごっこ写真」で、幻冬舎の見城徹社長と秋元氏が安倍首相の左右の脇を固めていたことでも明らかだが、実際、乃木坂46・白石麻衣の『清純な大人』や同じく齋藤飛鳥の『潮騒』といった写真集をはじめ、秋元康プロデュースのアイドルの書籍が多数幻冬舎から出版されている。また、売り上げの見込みが立ちやすい写真集だけでなく、昨年には見城氏自身が高く評価しているNMB48・須藤凜々花による哲学書『人生を危険にさらせ!』といったニッチな本まで幻冬舎から刊行された。

 そうした流れを受けてのリリーの幻冬舎名指しだったわけだ。指原自身はなぜこの発言が大爆笑(しかも皮肉交じりの)を呼んだのかいまいちピンと来ていないようでキョトンとしていたが、逆に、この発言を受けこんな過去を告白し始めた。

「私、5年前に幻冬舎から小説出す予定だったんですよ。毎週、『(笑って)いいとも!』の楽屋に幻冬舎の編集の人が来てて、でも私が書けなくて頓挫させたんです。そのときブログも書いていて、文章を書いていることがすごく多くって」

文芸同人誌の存在を知らない指原にリリー・フランキーも唖然

 その気になる中身は、「“前前前世”みたいな感じの内容」とのこと。おそらく、『君の名は。』のようなタイムリープものだと説明したかったのだろう。さらに、ざっくりとしたあらすじを「アイドルになった女の子が、現実と違って過去に戻って『アイドルにもう1回なるかどうか?』みたいな」と説明していた。

 5年前の2012年といえば、指原にとってソロデビューシングル「それでも好きだよ」がリリースされ、その年の総選挙で4位にまで駆け上がったエポック的な年だ。しかも総選挙直後の6月、「週刊文春」(文藝春秋)に過去の恋愛スキャンダルが掲載され、AKB48からHKT48へ移籍となっている。そのような波乱の時期に幻冬舎の依頼で小説にチャレンジし、しかも頓挫していた。もし完成していたら、スキャンダル騒動についても言及されていたかなど、いろいろな意味で興味深いが、しかし今回の『真夜中』には、もうひとつ見どころがあった。ここ最近では珍しく指原が周囲の人とうまく絡めていなかったのである。

 指原といえば、その高いコミュニケーション能力を遺憾なく発揮し、『ワイドナショー』(フジテレビ)や『有吉反省会』(日本テレビ)といった人気番組から引っ張りだこ。レギュラー出演している深夜番組『徳井と後藤と麗しのSHELLYと芳しの指原が今夜くらべてみました』(日本テレビ)はこの4月から21時枠に進出するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 しかし、そんな器用で頭の回転の早い指原も、文壇関係者の前では成す術もなかったのだ。

 番組の冒頭からリリーに対し、「私、本、ほんっとうに読んでないです。もう、5年ぐらい読んでない。雑誌は毎日読んでます。ファッション誌(笑)」と語り、不穏な空気を出しまくる。当然、坪内祐三が誰かもよくわかっていなかった様子で、彼に対していきなり「文壇バーにこうやって来てるってことは、何かお仕事が(出版関係者ということですか)?」と投げかける。また、リリーと坪内が一緒にやっていた文芸誌「en-taxi」について説明するくだりでも、「一緒に同人誌をやってたんです」「4人でね。リリーさんと福田和也さんと柳美里さんと俺とで、そういう4人でね、つくってたんです」といった言葉に対し、「同人誌ってアニメとかのことじゃないんですか?」などど、素っ頓狂な返しをしていたほどだ。

指原莉乃と文化人・教養人との相性の悪さ

 また、「お酒を飲んだ状態で原稿を書けるか?」というトークテーマでは、「酔った状態では書けない」派のリリーが「俺、昔、山田風太郎さんと中島らもさんが対談で『やっぱ、酒飲んだら書けないね』って言ってるの見たとき、この二大酔っ払いが言ってるなら間違いねえなって」とトリビアを披露し、店内は笑いに包まれたが、指原だけはやはり意味がわからないようで、キョトンとしていたのだ。

 その後、リリーに原稿料についての生々しい質問をしたり、編集長などの役職についている人たちに、「絶対偉いと思ってたもん、会ったときから」などと大げさなお世辞を飛ばし、笑いをとってはいたものの、やはり“場違い感”は否めないものだった。

 だが指原といえば、これまでも出版関係者に対しても歯に衣着せぬ物言いをしてきたはずだ。たとえば光文社でAKBまわりの仕事を担当してきた元「FLASH」編集長の青木宏行氏へのつっこみや、白石麻衣の写真集『パスポート』や『AKB48総選挙公式ガイドブック』シリーズなどを担当する講談社の谷口晴紀氏に対しても、先月19日深夜に配信されたネット番組『AKB48のオールナイトニッポン超直前スペシャル!』(SHOWROOM)のなかで、「総選挙(ガイドブックのグラビア)で色んなメンバーを脱がしてる」「売れる本しか出さない谷やんです」とからかい、笑いを生んでいたほど。

 しかし、グラビアや芸能関係の編集者とはできるこうしたやり取りも、『真夜中』での文化人や文壇関係の編集者とでは、あまりに勝手が違った。ここで浮き彫りになったのが指原と教養人的なジャンルの人たちとの食い合わせの悪さだった。

 とはいえ、指原と文壇関係者の“乖離”こそ現在の出版界、そして小説界の現状を如実に表している。現在の出版界では、又吉の二匹目のどじょうを狙うべく、芸能人に小説を書かせようとする動きが後を絶たない。文学的教養などよりも、商売と話題優先というやつだ。

 もちろん、芸能人だから小説が書けないなどと断じるつもりはない。加藤シゲアキ(NEWS)や押切もえのように高い評価を得る者も、なかにはいるだろう。だが、そのほとんどは名前だけが売り物のあだ花であり、そうした芸能人、著名人に頼るしかないのが、現在の文壇、そして出版界の一面でもある。

 そうした動きは、もちろん今後も続いていくだろう。かつて幻冬舎に依頼された小説は頓挫した指原だが、「もし指原が小説を連載するなら原稿料はいくら払うか?」という質問に、「週刊ポスト」編集長はペラ1枚で3万円の原稿料を出すと宣言し、その金額の高さにリリーは驚愕していた。文学的な教養など前時代の遺物だったことが浮き彫りになった一夜であった。

最終更新:2017.12.01 05:50

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