松本人志の「大手芸能プロがタブー」発言めぐり、坂上忍と小倉智昭が醜悪な開き直りと逃げの姿勢を露呈

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左・フジテレビ『バイキング』番組ページより/『とくダネ!』番組ページより


 先日、本サイトでは、松本人志が1月1日放送『ワイドナショー元旦SP』(フジテレビ)で語った「ワイドショーが大手芸能事務所のスキャンダルを扱えない」という発言を取り上げ、実は松本も具体的な芸能プロダクション名にはまったく踏み込めていないうえ、実際は事務所の圧力で報道を潰している加害者だ、と批判した。

 しかし、その松本よりもっとひどかったのが、昨日5日放送の『バイキング』(フジテレビ)だ。おそらく、ネットで松本への称賛の声が上がっていたことから自分たちも、と色気でも出したのだろう。『とくダネ!』(同)司会者の小倉智昭を招いて、この松本発言をテーマに討論を行ったのだが、同番組の司会者である坂上忍も小倉も問題の本質に切り込むどころか、醜悪な言い訳と開き直り発言を連発したのだ。

「小倉さん、小倉さんはもう、何十年もこういうものと闘ってこられた方だと思いますけど、松本さんの発言をどう思います?」

 まずはこう切り出した坂上。小倉が大手芸能事務所タブーと闘ってきたなどという時点でどうかしているとしか思えないが、坂上のヨイショ質問を受けて小倉は芸能事務所タブーについてこう語り出した。

「(松本発言は)そのとおりでしょうね。ありますもんね、そういう縛りみたいなものが。大きな事務所になればなるほどそこの事務所のタレントさんにお世話になることは局として多くなるので、そこの事務所のタレントさんに関しては詳しくは、言えない。それは、この業界あるでしょうね」

 大手芸能事務所所属のタレントに関して“縛り”は存在する。さすがの小倉もこのことは潔く認めざるをえなかったようだが、しかしこうした“縛り”をどう対処してきたのかを坂上に問われると、こんなことを言い始めたのだ。

「長く仕事もらうためにはしょうがねぇな、と思ってやってきましたよ」
「一番『とくダネ!』っておもしろいじゃないですか。打ち合わせでも、毒吐きますからね。滅茶苦茶言う。プロデューサーは心配そうにしてますけど、大丈夫だよ、本番中には言わないからって(笑)。打ち合わせに参加した人はみんな面白いですねと言うけど、本番つまんないですねって」

 スタジオはこの発言に爆笑となったが、ごまかされてはいけない。ようするに、小倉はこの自粛を完全にネタ化することで、問題をネグってしまったのだ。しかも小倉はその後も、まるで他人事のように、こんな開き直りコメントを連発した。

「僕自身は芸能界のプライバシーの部分はあまりやりたくない人なんです。本当なら芸能だったら芸事、音楽だったら歌のことを徹底的にやりたい。でもどうも、そういうほう(芸能ネタ)に走っちゃうし、そうじゃないと数字が取れない。でも数字を取ろうとすると事務所やいろんなところから圧力がかかる。その間で揺れ動いてるんですよ」
「昔は特ダネのスクープがあったら各局やったんだけど、最近は週刊誌が口火をきってくれないとやらないという風潮がある、怖いんだよね。ネットで叩かれたりスポンサーが落ちたりするのが怖い」

 こうした小倉の開き直り発言に、水道橋博士が「報道は絶対にしなければいけないこと」と、報道と芸能界のしがらみがぐちゃぐちゃになっている状態について批判的なコメントをしたが、今度は坂上から、唖然とするような発言が飛び出した。

「僕も日々、こういうものと向き合いながら、毎日過ごしてるわけですが、『バイキング』はバラエティというところがあって、ちょっと話聞いていて違うなと」

 確かに『バイキング』は“生ホンネトークバラエティ”と銘打たれてはいるが、しかし芸能ニュースどころか、さまざまなニュースを論評する“深彫りニュース”などと題したコーナーもあり、政治や社会問題まで扱っている。明らかに世論形成に大きな影響を与えている番組なのだ。それを都合が悪くなると、“バラエティだから”などと言って逃げるとは……。

 坂上は、こういった“ワイドショーやバラエティは報道と違うから”などという甘えた姿勢が、どんな事態を引き起こしてきたか、知らないのだろうか。たとえば、1989年の坂本弁護士一家殺害事件は、TBSのワイドショー『3時にあいましょう』が“自分たちは報道をやっている”という自覚をもたず、オウム真理教に要求されるままに坂本弁護士のインタビュービデオを見せたことが発端だった。

 他にも、ワイドショーはさまざまなずさんな取材、不祥事を繰り返し、90年代には一時、ニュースを一切扱わなくなったのだ。

 いま、まさにそういうことが繰り返されようとしているのに、よくもまあ、こんな無責任なことが言えるものだ。

 ようするに、2人の発言からは、司会者としての責任や芸能事務所タブーに対峙する気概などひとつもない。“縛り”を認めはしたものの、自分たちのやっていることは“バラエティ”だと逃げ、“芸能スキャンダルはやりたくない”“ネットやスポンサーが怖い”などと言い訳に始終しているだけだ。実際、『とくダネ!』『バイキング』ともに、バーニングのレコ大買収疑惑などは一切触れていないし、ジャニーズの熱愛などもほぼ無視して報じることなどない。また昨年12月、長渕剛がメディアやワイドショー批判のメッセージを発し、大きな話題となったが、音楽には煩い小倉はほんの一瞬だけ触れただけ。坂上に至っては“ワイドショーは悪くない”“視聴者の問題”などと当事者意識ゼロの責任逃れまでしている。

 そもそもこれは松本人志の発言からしてそうだった。世間が称賛した松本発言だが、本サイトでは情報番組をもつMCとして松本が自らの責任に踏み込んだものでも何でもなく、むしろ自分たちはタブーを抱えたテレビ局に“恥をかかされている”と責任転嫁しただけだった。

 結局、松本、小倉、坂上ともに、自分たちはこうしたタブーに抗ったとアリバイ工作をしたにすぎない。

 いや、それどころか、坂上と小倉にいたっては、「テレビが大手芸能事務所のことを扱えない」ことを完全にネタ化してしまったことで、「テレビのお約束なんだからそんな目くじら立てなくても」というような空気を生み出し、テレビのタブーにお墨付きを与えてしまった。

 そういう意味では、こういう見せかけの過激討論バラエティ番組というのは本当に罪深い。これだったら、『ヒルナンデス!』(日本テレビ)のようにグルメ情報でもダラダラ流しているほうがはるかにマシだろう。
(伊勢崎馨)

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