乙武氏不倫で噴出するゲスな「障害者差別」を許すな! 古市や宮根の“障害者の恋愛”への特別視も差別だ

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乙武洋匡オフィシャルサイトより


 いまだ波紋を広げている乙武洋匡氏の不倫騒動。「週刊新潮」(新潮社)で報じられたパリとチュニジア旅行以外に、昨年8月にも東欧へ不倫旅行に出かけていたことが発覚したり、さらにはネット上に複数の女性との親密さを伺わせるツーショット写真が多数流出。「ゲスの極み乙武。」と呼ばれる事態となっている。

 しかし、こうした不倫の発覚に便乗し、ネット上では乙武氏のハンディキャップを嘲笑う醜悪なコメントが溢れかえっている。

〈史上初カタワの種馬〉〈手足が無いのを徹底して利用してる感があるな〉〈ダルマのセックスワロタw〉〈乙武さん「忙しくて、子供の面倒を見るには手がたりませんでした。」〉〈幸せそうな「障害者様」を一気に不幸にしてあげましょうか〉

 騒動に乗っかり、グロテスクな差別心を剥き出しに、吐き気を催すような言葉で、ハンディキャップを嗤い、攻撃する──。許せない状況がネット上で繰り広げられているのだ。

 また、ここまで露骨でないにしても、「奥さんがこいつに施す介護の世話は、普通の奥さんには務まらないくらいの負担のはず。 その妻をここまで裏切るとは、こいつの鬼畜だな。」など、障碍者を周囲に迷惑をかけている存在としてとらえる、差別的書き込みも目立った。

 言うまでもないが、乙武氏の不倫がここまで大きな問題になっているのは、7月の参院選に自民党から出馬を発表することがほぼ確定していたからだ。

 本サイトも不倫疑惑をいち早く報じたが、不倫そのものを批判したわけではない。「週刊新潮」がすっぱ抜いた不倫旅行は、乙武氏が政界進出するにあたって不倫相手の女性と手を切るための旅行だった。また、乙武氏は、不倫が表沙汰になると妻に謝罪させた。

 こうした悪徳保守政治家のようなやり口、そして、障碍者に対して厳しい政策を打ち出している自民党から出馬したことを批判し、その政治家としての姿勢に疑問を呈したのだ。

 だが、その「政治家としての姿勢」という問題はなぜかスルーされ、ハンディキャップに対する差別観ばかりが噴出している。しかもそれは、ネット上の匿名コメントだけではない。

 たとえば、乙武氏と友人だという社会学者の古市憲寿氏は、3月25日のツイッターで、こう呟いている。

〈忘れている人がいるかも知れないけど、乙武さんには手足がありません。だから自分では服を脱ぐこともできないし、相手の服を脱がせるなんてとてもできない。そして、多くの人と違って一人で欲望を処理することもできません。(若い頃は試してみたらしいけど…)〉

 古市氏はつづけて、〈今回の現場で起こっていたことは、普通「不倫」と聞いて想像する光景とは、かなり違っていた気もするんです。〉と書き、乙武氏の不倫をこのように庇うのだ。

〈「不倫相手」がしていたことは、愛情表現としての実質上の介護に近いものだったろうし、奥さんは3人の子育て中だった。確かに「不倫」には違いないんだけど、当事者しか知らない、何か別の名前で呼んだほうがいい関係がそこにあったんじゃないのか…?そんな風に想像してしまいます。〉

 乙武氏の不倫は「介護」──。古市氏のこの主張は、妻が子育てで手一杯であるため、乙武氏は別の人=不倫相手に「介護」をしてもらっていたのだ、ということになる。乙武氏の恋愛や夫婦関係は「乙武氏がしてもらうこと」と一方的な受け身だと思っているようだが、古市氏は障碍をもつ人が他者と切り結ぶ関係すべてを「介護者/要介護者」と見なしているのだろう。となると、友人の乙武氏に手を貸したとき、古市氏は介護として「してやった」とでも考えていたのだろうか。

 こうした、差別的な擁護を口にする者はほかにもいた。たとえば、27日の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)では、宮根誠司が「健常者とはちがう特別な事情」というような言葉で、乙武氏を擁護していた。

 恋愛や性交渉において、ハンディキャップがある人の場合、さまざまな工夫が必要になることもあるだろう。しかし、そうした行為を「介護」と呼ぶのは、障碍者の恋愛を「奉仕活動」として固定して見ているからだ。擁護のためにわざわざ乙武氏のハンディキャップをもち出し「彼の不倫は介護」と述べるのは、ある意味、差別の裏返しではないのか。

 今回、乙武氏の不倫騒動に意味があったのは、むしろ、そういう障碍者に対する固定した見方に風穴を開けたことだった。

 乙武氏は、ハンディキャップとは関係なく、選挙出馬とあわせてこの不倫を糾弾された。つまり、健常者であるほかの議員と同じように“不倫”という行為を責められた。

 前述したように、本サイトは不倫そのものを否定する立場にないが、障碍があることを特別視せず、同じように不倫報道を展開するというかたちは健全なものだ。逆にいえば、古市氏や宮根はそうしたあるべきかたちを引き戻し、「障碍」を理由に不倫を許せと論陣を張った。

 世に蔓延る障碍への差別視がメディアにタブーを生み、そうして“隠す”ことが、新たな差別を生む。それは障碍者に対するものだけではない。在日朝鮮人の話題に触れることをメディアが極端に恐れるばかりに、一方で在日特権などという妄想に過ぎないデマが流布され、新たな差別や偏見を生んできた。

 今回の報道では、そうしたタブーが少し破られた印象をもっていたが、乙武氏へのネット上の醜悪な書き込みを見ていると、この社会は想像以上に差別に満ちている。

 乙武氏が出馬するのであれば、政治家としての資質を糾弾することは当然、必要だが、一方で、ネット上に溢れる乙武氏への誹謗中傷、グロテスクな障碍者差別を許してはならない。「ゲスの極み」は、そうしたやつらのほうだ。
(田岡 尼)

最終更新:2017.11.24 09:23

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