フジが紅白の裏にぶつけた格闘技RIZINと暴力団! PRIDEで暴力団を使ったプロモーターと局幹部がそのまま…

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「RIZIN FIGHTING FEDERATION」公式サイトより


「格闘技が大晦日に帰ってきた!」と、往年のファンは喜びたいところだが──。

 苦境の続くフジテレビが『NHK紅白歌合戦』の裏番組にぶつけたのが、10年ぶりの格闘技。29、31日にさいたまスーパーアリーナで行われる新興行「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015」の中継だ。大会プロモーションの中心は、PRIDEを手がけていた元ドリームステージエンターテインメント(DSE)代表取締役の榊原信行氏。

 しかし、これが、警察当局の怒りを買っているらしい。警視庁担当記者がこう耳打ちする。

「暴対の連中が『フジはいったい何を考えてるのか』『我々をなめてるのか』と相当カリカリきているようだ。というのも、今回のプロモーターである榊原氏は10年前、PRIDEの時に暴力団とベタベタだったことが発覚しているからね。フジのプロデューサーもその関係を知っていたことが明らかになった。その時は、フジの政治力でPRIDE打ち切りだけですみ、刑事事件にはならなかったが、今回、まったく同じ顔ぶれでやるわけでしょう。警察にしてみれば『あの時お目こぼししてやったのに』ということなんだろうな」

 2000年代の空前の“格闘技ブーム”のなか、フジテレビがPRIDEの放送を突如打ち切ったのは06年6月。きっかけは、『週刊現代』(講談社)が同年3月から開始した「格闘技とテレビ局と暴力団」という追及シリーズ記事だった。

〈X組幹部はイスに座るなり、私に怒鳴りました。
「PRIDEは実質ウチらがやっとるんや。表に出ると不都合があるから、榊原に任せとるだけなんや! それを何や! ウチの選手を横取りしやがって」
 話し合いにも何もなりません。幹部は続けます。
「フジテレビのプロデューサーから『ヒョードルを絶対に日テレのイベントに出さないでくれ』と言われとるんや。もし、そっちに出たら、DSEとの契約を切るとまで言われとるわ!」
 こんな場に榊原が同席しているのも、私には驚きでした。彼はふだんとは態度がガラリと変わっていて、手にした格闘技雑誌を、
「なんや、これは!」
 と私に投げつけてきました。〉(「週刊現代」06年4月15日号)

 そう告発したのは、格闘技イベント『イノキボンバイエ2003』(猪木祭)のプロデューサーを務めた川又誠矢氏だ。03年大晦日、民放3局はNHK『紅白歌合戦』の裏番組として格闘技中継をあてた。日本テレビと組んだ川又氏は猪木祭の目玉として、当時PRIDEヘビー級王者だったヒョードルと出場契約を結ぶ。すると、フジテレビ『PRIDE男祭り2003』を手がけていたDSEが「広域暴力団傘下のX組幹部」を使って川又氏を脅しに出たというのだ。

 川又氏によれば「X組がPRIDEを主催するDSEの“経営母体”であることは格闘技業界の常識」。このとき川又氏が呼び出されたホテルの一室に同席したのは前述X組幹部、「X組と同じ広域暴力団傘下のP組S若頭」、「DSEの事実上のオーナーで暴力団企業舎弟のI氏」、そして、今回のRIZINも仕切る榊原氏だった。

 猪木祭当日も、宿泊していた神戸のホテルにS若頭の子分がきて、川又氏にこう告げたという。

「今、猪木祭の会場に(前出の)X組幹部と榊原がきて、Sに会っている。X組幹部からこの契約書を渡されました。社長がサインしてくれるまで、みなさん帰らないと言っていますよ」
「サインしないと会場がどうなっても知りませんよ」(同)

 イベントが終わり元旦になっても、川又氏はSから呼び出され「ヒョードルが出られたのは誰のおかげだと思ってるんだ。2億円用意しろ」などと脅されたという。しかも視聴率で惨敗した日テレは、契約の8億円を6億円に減額すると通告。進退窮まった川又氏は、妻子とともに海外へ逃亡した。

 ちょうどその頃、ヒョードルの代理人であるオーストラリア人弁護士、ミロ・ミヤトビッチ氏もDSE側に脅されていた。

〈榊原は、「ウチは表向きの契約もあるが、ヤクザを使ってでも、こういう話をするんだ。それが分からないなら、どうなっても知らないぞ!」
 とミロに言い放ったそうです。同時にSがミロに向かって、「撃ち殺すぞ」というゼスチャーをした〉(「週刊現代」06年4月22日号より、川又氏の証言)

 多数の組織暴力事件に携わり、DSE側によるミロ氏脅迫の告訴状を作成した弁護士の猪狩俊郎氏も、著書のなかでこの脅迫事件について書いている。そこには、川又氏が「DSEの事実上のオーナー」というI氏が本名で記されており「山口組系幹部」だと断言されている(『激突! 検察、暴力団、弁護士会……タブーの権力と対峙した弁護士の事件簿』光文社)。

 しかも、「週刊現代」のキャンペーンは、次第に“フジテレビと暴力団の関係”へと波及していった。第4弾にあたる4月29日号で、川又氏とDSEをつないだ人物として、フジの「Aプロデューサー」が登場する。川又氏はこう証言している。

〈「03年4月、フジのAプロデューサーから、『榊原と会ってくれませんか』と頼まれたのです。私は、
『PRIDEはヤクザだらけで誰が権限を持っているかよくわからない。一緒に仕事はしたくない』
 と断ったんです。しかし、Aプロデューサーは、
『いろいろ(暴力団との関係が)あるのは知っています。でも、それはバラちゃん(榊原社長)がうまく付き合っているから大丈夫』
 と言います。それで榊原に会い、仕事の話をするようになったのです」〉

 さらに「週刊現代」は続く第5弾(5月13日号)で、A氏は警察から事情徴収を受けて「X組幹部、I氏ともに面識はある。これまで数回、一緒に飲んだこともある」と供述したと報じた。ようするに、A氏は暴力団と交際しており、DSEとの関係を知りながらフジと繋げ、また、川又氏を榊原氏に引き合わせて恫喝事件のきっかけを作ったというのである。

 そして、前述のとおり06年6月、「週刊現代」の続報が続くなか、ついにフジテレビはPRIDEの放送中止とDSEとの契約解除を発表した。表向きの理由はDSE側の「契約違反」という曖昧なものだった。放送料を断たれたDSEはPRIDEを売却し、翌年07年3月、解散に追い込まれた。

 だが、その一方で“暴力団とPRIDEの関係を知っていながら番組を企画したフジのプロデューサーA氏には大したお咎めはなかったという。なぜか? 実は、このA氏とは、当時フジのスポーツ局の幹部で、PRIDE中継のチーフプロデューサーだった清原邦夫氏のこと。「週刊現代」07年4月14日には、フジテレビ関係者によるこんなコメントが掲載されている。

「何年も前から清原とDSEの癒着は局内で問題氏されていて、昨年の放送打ち切り後は降格処分が下されると誰もが思っていたんです。しかし依然、彼はスポーツ局プロデューサー職にとどまっています。産経新聞の会長の甥っ子だけに、会社も切るに切れないんでしょう」

 清原邦夫プロデューサーは産経新聞の清原武彦元会長の親族であり、そのため処分を免れたというのだ。実際、この報道後の08年、清原プロデューサーはフジのニューヨーク支局に異動となったが、11年に帰国、現在でもスポーツ局GMという幹部職に就いていると言われている。

 もしも「週刊現代」のキャンペーン記事どおりであれば、清原プロデューサーは、報道も担う放送局と暴力団の接点となる人物である。それだけでもフジテレビの社会的責任が問われるが、しかも驚くことに、今回、榊原氏が牽引する新イベントRIZINにも、くだんの清原プロデューサーが深く関わっているという話まである。

「アサヒ芸能」(徳間書店)が、ウェブ版の「アサ芸プラス」15年8月8日付けで、「総合格闘技を人気コンテンツに成長させた立て役者」であるフジ幹部役員「K氏」が、今回のRIZIN特番の「プロジェクトリーダー」であるとしている。イニシャルにされているK氏は“海外支局に出向後、4年前に帰国してスポーツ局の要職に就く人物”と書かれており、あきらかに清原プロデューサーのことだとしか思えないが、しかも、フジは〈背に腹はかえられず、K氏に特番復活を相談したとの見方が強い〉という。

 もしこの報道が事実ならば、フジテレビは、かつて暴力団との関係が指摘された榊原氏と清原プロデューサーをそのまま介して格闘技中継を復活させようとしている、ということになる。

 こうした“暴力団と格闘技の親密な関係”は、なにもPRIDEに限ったことではないが、視聴率で苦境に立ついまのフジにとっては、リスクを犯してでも過去の“ドル箱コンテンツ”にすがりつくしかなかったのだろうか。あるいは、日枝久名誉会長と親しい安倍首相が政権を握る今、何をやっても刑事責任なんて問われっこないとタカをくくっているのか。

 しかし、蓋を開けてみたら、リスクを犯した割には、このRIZIN、かなり悲惨なことになっている。

「出場選手のほとんどはトップレベルとは言いがたく、29日メインカードの桜庭和志対青木真也もヒドい展開に。46歳の桜庭はとっくに全盛期を過ぎていて、手も足も出ず殴られ続けましたが、レフリーのストップが遅く、あと少しで“残酷ショー”になるところでした。31日に予定されている元大関バルトの対戦相手も、契約トラブルで急にジェロム・レ・バンナからピーター・アーツへ変更とグダグダ。ボブ・サップと曙のリマッチなんて完全に賞味期限切れですしね。実際、29日の会場はかなり空席が目立っていました」(スポーツ紙記者)

 また、警視庁も年明けにもう一度、榊原氏らの周辺の内偵を開始するという話もある。テレビ東京にまで視聴率を抜かれそうになっている“ジリ貧”フジにとって、この紅白裏番組は致命傷になる可能性もある。
(宮島みつや)

最終更新:2016.01.01 07:26

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