見苦しい! 百田尚樹がこの期に及んでまだ言い訳 反論の根拠は沖縄ヘイトデマの常習犯

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hyakutanaoki_01_150627.jpg
言い訳しつつデマを拡散する百田尚樹氏(公式ホームページより)


 自民党の「文化芸術懇話会」での発言が問題となった百田尚樹氏。だが、相変わらず反省もなく、「週刊新潮」(新潮社)や「SPA!」(扶桑社)、自身のメルマガで言い訳を展開している。

 例の「沖縄の2つの新聞社は潰さなあかん」発言については、正しくは語尾が「ですけれども」だったと言い、〈落語家が笑いを取るときによくやる〉口調だったと主張。〈私は議員でもなんでもない民間人〉と強調し、憲法21条をもちだして〈私的な場所ではどんな発言をしても許される〉と言い張っている。いや、だから私的な場所じゃなくて公的な場所だったから非難されてるんだってば。

 しかも、「SPA!」やメルマガでは、「沖縄タイムス」「琉球新報」の2紙の編集局長が出した共同抗議声明および百田氏の発言の検証記事に対しても反論。そのなかで百田氏は、両紙が伝えない“沖縄の不都合な事実”として、米軍による美談を紹介。そして、〈沖縄のジャーナリスト惠隆之介氏の本には詳しく書かれていますが〉と、そのニュースソースを明かしている。

 だが、じつはこの惠隆之介氏というジャーナリスト、百田氏と同様にヘイトデマの常習犯なのだ。

 たとえば、昨年の沖縄県知事選の際には、惠氏は選挙期間中に保守メディア「リアルインサイト」のインタビューに登場。候補者だった翁長氏を「反米反日、そして親中、これに徹している方」と評し、こうつづけた。

「お嬢様が北京大学に留学されて、ま、一旦日本に帰ってきておられるんですけど、なんとお婿さんがですね、中国太子党(注・太子党は中国共産党の高級幹部の子弟の総称)出身であります(笑)。だからもうほんとに中国オンリーですね、家庭が」

 惠氏は自信満々に話しているが、しかし、これは完全なデマ。翁長知事自身も知事選当選後のインタビューで、「(ヘイトスピーチをぶつけてくる人々の間で翁長氏は)習近平ともとても親しくてね、うちの娘も中国に留学していることになっているんですよ。埼玉の小さな大学にいて、きょうも帰ってきて一票投じて、あした帰りますけどね」(TBSラジオ『荻上チキSession22』にて)と答えている。しかも、翁長知事の娘は未婚である。だが、この情報はネトウヨの翁長批判の格好の材料としてネット上に瞬く間に広がり、いまだに信じている人もいる。

 さらに、惠氏がヘイトデマを流したのはこれだけではない。沖縄では2012年10月に20代の女性が米兵2人に暴行されるという事件が起こったが、惠氏はこの事件について、チャンネル桜の『中国の「日本直接・間接侵略」の実態』という放送でとんでもないことを言っている。発言は以下の通りだ。

「この前、発生したレイプ事件も、どうも深い闇の部分がありましてね。被害にあった女性の方はね、沖縄県民でもなければ日本国民でもない。帰化された人なんですね」
「全部、僕は暴露しますけど、(被害者は)沖縄にある政府の出先機関に昼間は勤められて、夜はそういう……深夜のお仕事をされている。で、沖縄ではレイプ事件が起きてマスコミがワーッと騒ぎ立てるでしょ。そのあと急に消えるじゃないですか。告訴しないんですよ。告訴したら真相がバレるから。8月に起きた事件も怪しかったんですね」

 どうやら“中国人の工作員がわざとレイプ事件を誘導し、冤罪だから告訴できない”と言いたいようだが、もちろんこれもとんだ嘘。だいたい集団強姦罪は非親告罪であるため、本人の告訴がなくても検察は捜査できる。実際、那覇地検はこの事件を集団強姦致傷罪で起訴し、裁判では米兵2名も罪を認め、懲役10年と9年を言い渡されている。しかも、強姦事件では被害者の情報が具体的には明かされないことを利用して、工作員だ冤罪だとデマを流すのは、これは立派なセカンドレイプである。

 このほかにも惠氏の発言・記述にはいくつも事実と異なる話が出てくるとネット上でも指摘されているが、百田氏はこんなトンデモジャーナリストの情報を鵜呑みにして、自分の理論武装に使っているのだ。

 ヘイトデマを垂れ流す人物の話をしたり顔で引用し、「はい論破」とでも思っているのなら、やっぱり百田氏は“筋金入りのネトウヨ”でしかない。そして、ここまで化けの皮がはがれても作家タブーを恐れてまだ百田氏をヨイショする「週刊新潮」「SPA!」をはじめ、百田氏を批判すらできない「週刊文春」「週刊現代」などの雑誌系週刊誌の体たらくぶりは、つくづく情けない限りだ。
(水井多賀子)

最終更新:2015.07.11 07:02

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

沖縄の米軍基地 ─「県外移設」を考える (集英社新書)

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

見苦しい! 百田尚樹がこの期に及んでまだ言い訳 反論の根拠は沖縄ヘイトデマの常習犯のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。水井多賀子沖縄百田尚樹の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄