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辛坊治郎パワハラ疑惑で坂上忍、木村太郎がトンデモ擁護連発!「責任感あったら、コンプラ行かない」と被害女性を非難も
辛坊治郎パワハラ疑惑を取り上げた『バイキング』(1月13日放送)
「週刊文春」(文藝春秋)がスクープした、辛坊治郎のパワハラ疑惑。辛坊氏がキャスターを務める『深層NEWS』(BS日テレ)でウイグル問題について取り上げた際、ウイグル族を弾圧する中国政府の代弁者を出演させたことを批判する辛坊氏の主張は正当性があるが、いずれにしても、その主張の是非にかかわらず、辛坊氏が「文春」が報じた報告書通りの言動を行なっていたとすれば、れっきとしたパワハラだし、壁ドンなんて暴力だろう(しかも、辛坊氏は「バランスを取るためならヒトラーも呼ぶのか」と言ったらしいが、辛坊氏こそ、普段ヒトラーまがいの差別思想を持っている連中と仲良く番組をやったり、安倍首相を出演させて一方的な主張を垂れ流させたじゃないか)。
そんななか今回の辛坊パワハラ疑惑をめぐって、坂上忍が辛坊擁護、というかパワハラ擁護に必死になっている。
坂上がMCを務める『バイキング』(フジテレビ)では、「週刊文春」第1弾発売後の1月13日と、第2弾発売当日の1月16日の2度にわたって、この問題を特集。
13日の放送では、まずゲストコメンテーターの日本アンガーマネジメント協会・阿井優子氏や清原博弁護士が、辛坊氏が認めている事実だけを客観的に見てもパワハラに当たる、などの見解を示したのだが、すると坂上は大反論を繰り広げた。
「それに関して言うと、僕は大反対な立場であって、前からそうなんですけど、パワハラを受けたとされる側が、そういう気持ちに陥ったかどうかがすべてなんだって言い方されちゃうと、今回において言うとね、声かけて呼び止めたの女性のほうじゃないですか。それこそ、みんなよくわかってると思うけど、番組を表で担っている人と、裏で担っている人の、たぶん会話だと思うんですよ。そんなのいくらでも収めようあったと思うんだけど。裏で担っている人から呼び止めて、『どうなんですか』って言って『なんでそんな言い方されなきゃいけないの』って言って。それで自分から呼び止めたのに、相手の言い方に圧感じちゃったから、私コンプラのとこ行ってきますって。これまかり通ったら、誰もお手上げになっちゃわない?」
アンガーマネジメント協会の阿井氏も清原弁護士も、受けた側の気持ちがすべてなどとは言っておらず、抵抗できる環境にあったかどうか職務上の適切な範囲を超えていたか、など客観的な基準もあげているにもかかわらず、それは無視して「受けた側の気持ちがすべてならお手上げ」などと、まるで被害を訴えることが理不尽かのように言うのである。
しかも「自分から呼び止めたのに、相手の言い方に圧感じちゃったから、私コンプラのとこ行ってきますって」って、坂上は自分から声をかけたら何を言われても暴力をふるわれても甘受しろとでも思ってるんだろうか。あるいは因縁をつけた的な不良の喧嘩か何かと勘違いしているのか。
さらに唖然としたのは、このセリフだ。
「これね、でもね。じゃあ、それだけの立場にいて、責任感を持って、じゃあ逆に演者が言われたとしましょうよ。あなた何やってるんだって圧を感じるような。でもその責任感があったら、コンプラのとこに行かないですよね」
「責任感あったらコンプラに行かない」って……。コンプラに頼らず自分だけで処理するのが責任感だというのだ。それって、ようは、不正や横暴は表沙汰にせず丸く収めてなかったことにしろということだろう。そういう論理こそがテレビ局を不正の温床にしてきたのではないか。
辛坊治郎パワハラ問題を批判した楠田枝里子、石井てる美に坂上忍は…
「週刊文春」が辛坊氏のパワハラ疑惑に関する日テレの社内報告書の内容を報じた16日の放送も、ひどかった。
この日、タレントの楠田枝里子と東大出身の女性芸人・石井てる美がゲストで出演してたのだが、彼女たちは女性目線で辛坊氏のパワハラについて批判した。
楠田「問題を深刻にしているのが、パワハラであると同時にセクハラでもあるんですね。もし相手が女性でなかったら、ここまで汚い言葉で追及したり、罵ったりしなかっただろうし、執拗に責め立てたりはしなかったかもしれませんね。圧倒的な男性優位社会であるこの日本においては、女性は常にセクハラとパワハラが表裏一体となった状況で責められることが多くてね、とても悩んでるんですよ。今回文春さんが、こういう記事を掲載してくださって、こういう状況があります、この日本でこんなことが起こっていますということを明らかにしてくださったのが、そういう悩んでいる女性たちの力にもなるだろうなと思いました。一昔前までは声に出せなかったですから。泣き寝入りするか、消されるか、どっちかでしたから」
楠田はパワハラであると同時に女性の立場の弱さという性差別の問題があるという重要な指摘をするのだが、坂上は楠田の発言を半ば遮るように芸人の石井てる美に話をふってしまう。
石井が「やっぱり見てて、ん?と思うのが、壁ドン」と話すと、坂上はなぜか笑いながら「壁ドンなんだ(笑)」と小馬鹿にする(楠田の前に発言した薬丸が同様の指摘をした際は笑ったりしないで、普通に会話していたのだが)。
石井は、壁ドンの話を続けた。
「だって、壁ドンって女性をドキッとさせるために男性がやることじゃないですか。追い詰めて」
「精神的に相手を緊張させる、心拍数あげるための行為を、こっちの文脈でされると、たとえ言ってることが筋通ってて、辛坊さんがおっしゃってることが正しいとしても、別の圧が加わるし」
壁ドンという行為のそもそもの暴力性について指摘した石井は、さらに辛坊氏が自らを「出入り業者」と主張している問題にも踏み込んだ。
「あともうひとつ、これは辛坊さんお認めにはなってないですけども、『お前』ってずっとおっしゃってるのが気になってるんですね。自分は出入り業者だから、立場的には下だっておっしゃってましたけれども、下だったら絶対に『お前』って言葉、絶対に使えないはずですし。局の方と、辛坊さんのような有名な大物司会者の方が、もしかしたら人事権というものは局の側にあるかもしれないですけれども、パワーっていうのは圧倒的にこのような有名な大物司会者の方、お持ちじゃないですか、テレビの世界って」
「大物司会者はパワー持ってる」という石井に坂上忍が「僕は出入り業者」と強弁
坂上は途中から「うーん」と不満そうな声をあげていたが、「辛坊氏のような大物司会者は単なる出入り業者とは違う」という石井の指摘はその通りだろう。テレビの世界では極端な弱肉強食体質がまかり通っている。たしかに弱小事務所の売れていないタレントや冠番組を持っていないようなその他大勢のタレントは、それこそ出入り業者どころか奴隷のような扱いを受ける一方、看板番組や帯番組のMCや主役をやっているような大物芸能人については丁重に扱い意向を忖度しどんなワガママや横暴も許される。それを十把一絡げに「出入り業者」だと言うのは明らかに詐術だ。
ところが坂上は、石井の話に割って入りひときわ強い調子で、こう言い放った。
「そこまで(力を)持てると思いますか? 僕は思いませんけどね」
「ぶっちゃけ、ここに、後藤くん、僕、やっくん、いますけど、出入り業者だと思ってますから」
そもそも石井は坂上の名前など一切出していなかったが、フジテレビの看板帯番組『バイキング』のメインMCという強い立場にあるにもかかわらず、坂上は自身を「出入り業者」と強弁。しかも、フットボールアワーの後藤輝基も薬丸裕英も木曜レギュラーにすぎず、全曜日のメインMCを務める坂上とは『バイキング』における立場も影響力もまったく違う。にもかかわらず、わざわざ一緒くたにして、微妙な力関係の強弱をごまかした。
この後も、石井に対して坂上は「これ、でもね。たとえば、てる美ちゃんも、今回、やっぱパワハラにいっちゃってんじゃないかって言いました。じゃあ、逆に、自分がパワハラを受けたときに、公にすることはできるの?」「てる美ちゃん自身がパワハラを受けた側だとして、やっぱそこ育ちってあると思うの。演者の育ちでね、公にする感覚ってある?」と詰問して、楠田に諌められる場面まであったのだが、この放送自体がパワハラなんじゃないかというくらいの調子だった。それにしても坂上は何を必死になっていたのか。
「訴えられたらお手上げ」「番組制作上の売り言葉に、買い言葉に圧を感じたとか言うな」「責任感あったらコンプラ行くな」「テレビ局は演者を守れ」「表沙汰にならないよう丸く収めろ」……。坂上の暴論はよく指摘されることだが、この日の坂上は輪をかけてひどかった。言っている内容に説得力のかけらもないのはもちろん、ほとんどヒステリーとしか思えないようなものだった。
木村太郎は「机叩いて、帰ると言ったら思い通りになった」と過去のパワハラ自慢
ようするに、坂上は辛坊氏を擁護していたというより、自分を正当化したかったのではないか。坂上が番組で他の演者に対してパワハラ的な物言いをすることは度々指摘されているが、この様子を見ると、もしかしたら裏でのスタッフに対する自身の言動にも思い当たる節でもあるんじゃないか、そんな気すらしてくる(番組中、自分では「すっごい気をつけている」と言っていたが)。
こうした反応をしていたのは坂上だけではない。9日放送の『直撃LIVE!グッディ』(フジテレビ)でも、こんな場面があった。
宮澤智アナが「これ、立場とか、どういう言葉を使ったとか、そういうのあまり関係なくて、辛坊さんくらいのキャスター、アナウンサーの方っていう立場のある方に、みんなのいる前で大きな声で怒鳴られるだけでも、女性としては、受けるダメージはあるのかなというふうにも思います」とコメント。辛坊氏の「出入り業者だから」という主張に異を唱えたのだが、安藤優子キャスターがゴーン氏取材でレバノンに行っており不在だったこともあり、ほかの男性出演者たちは誰も同調しない。
それどころか、大物ジャーナリスト・木村太郎氏が辛坊氏の「出入り業者」だという言い分を擁護して、自身のこんなエピソードを開陳したのだ。
「安藤さんと別の番組で大激論して、一歩も譲れないって言って、壁ドンはやらなかったけど机叩いて。辛坊さんと同じで僕は出入りの業者だから、『俺の言うこと聞かないとクビにしてやる』とは言えないわけ。精一杯言えたのは、『俺の思う通りにやらないなら、俺は帰る』。そこまでは言えたけどね。出入り業者としてはね、『どっかに飛ばしてやる』とはなかなか(言えない)。辛坊さんだったらもしかしたら強いから言うかもしれないけど、なかなか言えないですよ、立場的に。『俺は帰る』って言ったのが精一杯で、そしたらね僕の思う通りになったから(笑)。関係者、いまこの調整室にいますよ(笑)」
木村にしても、いまでこそコメンテーターだけだが、長くフジテレビでキャスターを務めてきた功労者で、いまだに口出ししづらい存在であることには変わりない。それこそ『グッディ』のようなワイドショーに場違いでもあるにもかかわらず出ているのだって、昔からの繋がりがあるからだ。それを「出入り業者」とのたまい、あまつさえ、自分のパワハラ的言動を武勇伝のように自慢したのだ。
坂上にしても、木村にしても、自分の既得権を守ることしか頭にない。こうしたステークホルダーの論理こそが、パワハラや不正、忖度、圧力を生み出す温床となってきたことを、テレビ界は自覚すべきだろう。
(本田コッペ)
最終更新:2020.01.22 02:59
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