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菊池桃子の結婚相手の経産省幹部はパワハラ体質であだ名は「将軍」、官邸時代は安倍首相のために数々の悪政を主導
菊池桃子オフィシャルブログより
タレントの菊池桃子が昨日11月4日、ブログを更新。今年に入ってから交際をしていた〈一般の男性〉と入籍したことを明かした。
菊池は2012年に離婚し、シングルマザーとして2人の子どもを育ててきた。ブログでは再婚相手について〈お付き合いの間、何かと臆病な私を応援してくれていたのは長男と長女で、いま共に喜んでくれていることを感謝しています〉〈幾つになっても、人間的な成長を目指す前向きで明るい伴侶と共に、私自身、仕事も精進を重ね、もうひと回り大きくなる姿を皆様に見ていただけますよう頑張ってまいります〉と綴った。
だが、気になるのは菊池のブログで「一般男性」とされている相手だ。一部ではすでに報じられているが、じつはその相手は「将来の事務次官」と囁かれる経産省のエリート官僚で、現在、同省の経済産業政策局長を務めている新原浩朗という人物だ。
安倍政権といえば、本サイトでこれまで何度も指摘してきたとおり、首相秘書官と補佐官を兼任し“影の総理”の異名を持つ今井尚哉氏を筆頭に、加計学園関係者と面談をおこなっていた柳瀬唯夫・元首相秘書官や、内閣広報官として官房長官会見でメディア圧力を強めている長谷川栄一首相補佐官など、数々の経産省出身者で身の回りを固め官邸主導の政治を進めてきたが、この新原氏はそんな「官邸官僚」の代表格のひとりなのだ。
しかも、新原氏は今井首相秘書官と一緒になって、安倍政権のとんでもない政策を推進してきた中心人物である。
たとえば、消費税率10%への引き上げに合わせた実施されたポイント還元制度については、巨額の予算や広報費の無駄遣いをした挙げ句、格差を助長させる結果になったことを批判されているが、こうした増税対策メニューは、新原氏が財務省を差し置いて先頭に立ち、取り仕切ったもの。2017年に森友・加計学園問題の疑惑追及から逃れるために安倍首相が総選挙に打って出た際に持ち出した消費増税の税収分を幼児教育の無償化などに充てるという大義名分を事務方トップとしてとりまとめたのも新原氏だ。同年9月に「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、政策の骨格をつくり上げ、安倍首相の「国難突破解散」に合わせた。
また、安倍首相が昨年ゴリ押しして法案を強行採決させた働き方改革でも、内閣府に出向中だった新原氏が主導。内閣官房に設けられた「働き方改革実現推進室」の室長代行補に就任し、過労自殺に追い込まれた電通の高橋まつりさんの母親と安倍首相が対面した際も同席していた。
さらに、現在、安倍首相が推し進めている「全世代型社会保障制度改革」でも、新原氏は検討会議の事実上の事務方トップに就任。いかに安倍首相からの信任が厚いかがここでも見てとれるだろう。
つまり、新原氏は安倍官邸を代表する絶対的な官僚として君臨してきたわけだが、その一方で、新原氏につきまとっている評判がある。それは「パワハラ」体質だ。
朝日新聞2017年5月14日付記事では、新原氏の霞が関での評価がこう記されている。
〈新原は経済産業省出身。霞が関では「結果を出す」官僚との声がある一方、「部下を容赦なく怒鳴りつけ、情報管理を徹底する」仕事ぶりで知られ、ついたあだ名は「将軍」。〉
菅直人首相の時代に首相秘書官を更迭されたのも、パワハラ体質が原因との説
実際、そのパワハラ体質を裏付けるエピソードがある。「働き方改革」で残業時間の上限規制をめぐって連合の神津里季生会長と折り合わなかった際のことだ。安倍首相は「責任ある議論を」と言ったが、このとき、新原氏は報道陣の前で〈安倍の発言の意図を怒声交じりに〉こう解説したという。
〈「総理がこれだけ主導している」「『お前、真剣にやれよ』『冗談では済まないよ』ということだ」
「お前」が神津を指していることは明らかだった。もはや連合への「圧力」を隠そうともしなかった。〉(朝日新聞2017年6月4日付)
部下を怒鳴りつける高圧的な態度から「将軍」とまで呼ばれ、さらには報道陣の前でさえ「お前」などと声を荒げる……。これだけでも十分パワハラ体質がうかがえるが、もっと前には、霞が関でパワハラが問題化したとの報道もあった。
新原氏は民主党・菅直人政権時代に首相秘書官を務めたものの、途中で秘書官を更迭され、経産省の大臣官房審議官に異動になっているのだが、霞が関に強い情報誌「FACTA」(2017年12月号)は、この異例人事について〈パワハラまがいの行状などを見咎められ、東日本大震災前に事実上更迭された〉と報じている。
菊池といえば前夫との離婚原因は夫の不倫疑惑や育児放棄、金銭問題だったと報じられたが、今度の相手は「パワハラ」疑惑が囁かれるエリート経産官僚。大丈夫かと心配になるではないか。
いや、問題は結婚生活ではない。もっと深刻なのは、新原氏のこうしたパワハラ的な振る舞いが、安倍首相の独裁と一体化し、それをエスカレートさせる役割を演じていることだろう。
菅直人首相の秘書官のときはそのパワハラ体質のせいで更迭されたと報じられた新原氏だが、安倍首相はまったく逆で、そのパワハラの評判を気にすることもなく新原氏を重用し、絶大な権力を与えてきた。
実際、読売新聞には、財務省幹部のこんな証言が掲載されていた。
「今は新原を通さないと官邸を通らない」(読売新聞10月1日付)
また、前述した消費増税対策の際も、内閣府には景気の冷え込みを抑えるための特命チームが設けられていたが、チームというのは形だけ。〈特命チーム関係者の間では、安倍と新原の間で「話がついているのでは」と臆測が広がった〉という(朝日新聞2018年7月31日付)。
そして、新原氏自身もこうした安倍首相の期待に応え、とにかくその独裁を実現するために、パワハラ体質を存分に発揮しながら、反対意見を恫喝し封じ込めてきた。
前述したように、働き方改革では、安倍首相の言葉を「意訳」して、連合の神津会長に圧力をかけ、2017年には、解散総選挙に間に合わせるためにだけ「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、場当たり的な政策を強引に推し進めた。そのやり口については、〈担当省庁による十分な政策検証は置き去りにされ〉、〈無償化で待機児童が逆に増えるなどの批判が噴出しても、官邸は公約実現に向けて突き進んだ〉と指摘されている(同前・朝日新聞)。
1億総活躍会議で弱者排除を批判した菊池桃子が「社会保障に興味がない」パワハラ官僚と結婚の不思議
こうしてみると、新原氏はまさに、安倍政治を象徴している存在と言っていいだろう。周知のように、安倍政権は、担当省庁から権限を奪い、息のかかった官僚たちを内閣官房や内閣に設ける省庁横断の会議などに集めることで、その政策を強行に進めるかたちを定着させた。政策ごとに特別対策チームをつくり、側近官僚が強引に政策を推し進め、問題が出てきても総理の威光によって官邸官僚たちはその責任が問われることはない──。こうやって問題ばかりが噴出する安倍独裁はつくり上げられてしまったわけだが、新原氏はその共犯者である官邸官僚の代表的存在なのだ。
しかし、だとしたら、気になるのは結婚を決めた菊池の姿勢とのギャップだろう。新原氏が出会ったのは、菊池が「1億総活躍国民会議」に有識者として民間議員に選ばれたことがきっかけだったと言われているが、本サイトでも報じたように、この会合で菊池は「1億総活躍」というネーミングに疑義を呈し、社会から排除される人をつくらないという「ソーシャル・インクルージョン」の考え方を紹介し、会合後には記者団に対して「今、排除されているであろうと思われる方々を全て見渡して救っていくことを、あらゆる視点から、今日各大臣がご参加いただきましたので、考えていただきたいと、そのように申し上げました」(産経ニュース2015年10月30日付)と述べていた。
既報のとおり(https://lite-ra.com/2015/12/post-1793.html)、菊池は2001年に生まれた第2子の長女が乳児期に脳梗塞を発症したことをきっかけに2009年に法政大学大学院に進学、「子どもたちのキャリア形成をとりまく社会構造に疑問と問題意識」を持ち、ハンディキャップのある子もない子も同じように夢がもてるような教育を目指して活動をおこなってきた人物であり、政府の会議でも忖度することなく、社会的弱者を冷遇する安倍政権にダメ出しをしたのだ。
だが、伴侶に選んだ新原氏は、前述したように、消費増税対策、幼児教育・保育の無償化、働き方改革、全世代型社会保障と、仕切った政策はいずれも社会的弱者を救済するように見せかけてその実態は格差拡大を助長したり、弱者切り捨ての政策ばかり。実際、自民党のベテラン厚労族議員も「新原は社会保障に興味はない」と断言している(読売新聞10月1日付)。
しかも、今回の結婚発表に対し、安倍官邸に近い自民党議員たちはさっそく“身内のおめでた”と言わんばかりに大騒ぎ。世耕弘成・前経産相は〈新原局長おめでとうございます! 一緒に仕事をしてきましたが、どんな難題にも明るく前向きにチャレンジする極めて優秀な方です〉と投稿し、甘利明・元経産相も〈土曜日に経産省の新原局長から電話がありました。「じつは、女優の菊池桃子さんと結婚することになりました。月曜に彼女がブログで発表しますので」「えーーっ」我等のアイドルが野蛮人(笑)の手に まっ、みんなに夢と希望を与えるからいっか。おめでとー #甘利からです〉とツイートしている。
この調子だと、菊池の結婚が安倍政権に政治利用される日も近そうだが、はたしてどうなってしまうのか。不安を覚えずにはいられない。
(編集部)
最終更新:2019.11.05 09:09
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