事件に関する話題事件に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
実名告発ツブされても新証拠が次々…安倍政権は加計学園に利権を独占させるためこんな露骨な手口を
自由民主党HPより
加計学園問題で次なる「大きな証拠」が出てきた。昨日行われた参院決算委員会において共産党の小池晃議員が、これまでマスコミが報道してきた文科省作成の文書とは違う「別の文書」を入手したと公表したのだ。
その文書は、「今後のスケジュール(イメージ)」と題されたもの。そして、そこには加計学園ありきの計画が示されていたのだ。
無論、この文書は加計学園の獣医学部新設が決定する以前に作成されたもの。だが、文書では「今後のスケジュール」として、加計学園が獣医学部を新設する今治市の「第2回今治市分科会」が組み込まれているなど、開学予定の来年4月までの段取りが、すでに昨年10月から立てられていたことが示されているのだ。
しかも共産党は、2016年11月9日の国家戦略特別区域諮問会議での獣医学部の新設条件について書かれた「政府原案」も入手。この特区諮問会議では「現在、広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」と決定したが、この原案では「現在、獣医師系養成大学等のない地域において獣医学部の新設を認める」としか書かれていなかったのだ。
「広域的に」と「限り」という、新設条件にかんする重要な言葉が追加された理由。──これはあきらかに、加計学園と同様に獣医学部新設を提案していた京都産業大学を“外す”ために、このふたつの文言が追加されたとしか考えられない。
ここで、いかに特区による獣医学部新設が「加計学園ありき」で進められてきたのか、あらためて振り返ろう。
本サイトでも指摘してきたように、獣医学部にかんしては、2015年6月に愛媛県と今治市、学校法人加計学園が、国家戦略特区での新設を提案。しかし、その翌年3月に、1989年から獣医学部開設を目指してきた京都産業大学と京都府が同府綾部市での新設に名乗りをあげた。
そこで政府の特区ワーキンググループは2016年10月17日に京産大にヒアリングを実施。その際、京産大側は「既存の獣医学教育機関でほとんど実施されていないライフサイエンス分野における産官学共同事業の取り組み」や「京都大学iPS細胞研究所との連携」といった具体的な方針を打ち出し、A4用紙20枚もの資料まで提出している。
対して、岡山理科大(加計学園)の提出資料は、たったの2枚。挙げ句、「MERS」(中東呼吸器症候群)を「MARS」(火星)と記載するという間違いまで見つかっている。本気で獣医学部の新設を目指しているのなら念には念を入れて何度も確認するだろうに、あまりに杜撰な内容だ。
しかも、京産大は岡山理科大とは違い、2006年に鳥インフルエンザ研究の第一人者である大槻公一教授をセンター長に迎えた「鳥インフルエンザ研究センター」を、さらに2010年には動物生命医科学科を設置するなど、すでに獣医師学部設置に向けて入念な“準備”と“実績”を重ねてきたのだ。
国家戦略特区諮問会議では、2015年6月19日の時点ですでに獣医学部新設という規制緩和を行う理由を、“エボラその他いろいろな獣に由来した病気の研究者をつくるため”としている。同様に、安倍首相も3月13日の参院予算委員会で「鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症が拡大する中、需要が高まっていることから獣医学部設置を特区のメニューとして追加した」と答弁している。
もし、ほんとうに国家戦略特区に獣医学部新設をくわえた理由がそうしたものであるならば、どう考えても京産大に軍配があがるのが道理というものだろう。いや、京産大の場合は実績だけでなく、京都府に獣医師が不足しているという現実がある。現に2020年度の「獣医師の確保目標」では、京都府が32人に対し、愛媛県は0人となっているのである。
だが、こうして明白に京産大が有利な状況にあるなかで、件の11月9日の特区諮問会議は、唐突に「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り新設を可能とする」と決定。京都府の場合、すでに近隣の大阪府立大学が獣医師などを養成する「獣医学類」を設けており、京産大は一気に劣勢に追い込まれたのだ。
さらに、同年12月22日には、山本幸三地方創生相と松野博一文科相、山本有二農水相の3大臣が「獣医学部新設は1校限り」というダメ押しの合意を行い、今年1月4日から内閣府は〈2018年度に開学することが確実に見込める事業者〉(毎日新聞愛媛版1月6日付記事より)の公募をスタート。このような条件で手を挙げられるのは加計学園のほかにいるはずがなく、同月20日に加計学園が事業者に決定したのだった。
京産大側は『NEWS23』(TBS)の取材に対し、「平成30年度の開設は非常に厳しく、どこも手を挙げないのではないかと思った。加計学園はよく手を挙げたと思う」と回答しているが、むしろ、京産大外しのためにあれやこれやと条件が加えられていったと言うべきだ。
その上、発覚した文書を見れば、内閣府は文科省に対し「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などとして「平成30年(2018年)4月開学を大前提」にしろと迫っている。しかも、昨年9月26日の時点ですでに「今治市分科会において有識者からのヒアリングを実施することも可能」「獣医学部新設を1校に限定するかは政治的判断である」とまで言及されているのだ。
そして、昨日公表された新たな文書によって、こうした「加計学園ありきの出来レース」は決定的となった。しかし、山本地方創生相が「出元がはっきりしない、信憑性も定かでない文書に基づいてわたくしどもが何らかのお答えをする立場にない」と突っぱねたように、官邸の態度はいまだ「文書は怪文書」扱い。
さらには、昨日、本サイトが報じたように、「あの文書は本物だ」と実名証言する予定で動きはじめていた文科省の前事務次官である前川喜平氏を封じ込めるべく、官邸は読売新聞に前川氏のスキャンダルをリーク。読売は「前川氏が出会い系バーに出入りしていた」という、物証もない、刑事事件にもなっていない、職務とも関係していない官僚の下半身スキャンダルという、およそ大手全国紙とは思えない三流実話誌並みの記事を掲載したのだ。
これによって前川氏の実名証言を報道する予定は立ち消えたと言われ、実際、前川氏が出演する予定だったと言われている『報道ステーション』(テレビ朝日)は、昨晩、小池議員があきらかにした新たな内部文書問題を報じることはなく、『NEWS23』もほんのわずかしか伝えなかった。これからは週刊誌によって前川氏バッシングが展開されることになるだろう。
不都合な事実や人物は徹底して謀略を仕掛けて潰す、安倍政権の陰湿でグロテスクとしかいいようのないやり口──。しかし、それでもあきらめずに、地道に資料をあたり、疑惑をひとつずつ暴いていけば、その蟻の一穴から巨大ば壁が崩れる可能性は十分ありうる。心あるジャーナリストやメディアは、これからもこの加計学園問題と森友問題を追及し続けてほしい。
(編集部)
最終更新:2017.05.23 07:23
関連記事
新着 | 芸能・エンタメ | スキャンダル | ビジネス | 社会 | カルチャー | くらし |
斎藤知事が百条委員会欠席で「知事会出席」を理由にするも…前の知事時代には政府主催の知事会を欠席しあの時の懇話会に参加
国民民主・玉木雄一郎の不倫に“政治活動中の公私混同”疑惑が浮上! ヤバすぎる差別体質とビジネス右翼ぶりにも懸念の声
松本人志「訴訟取り下げ」でワイドショーが醜悪な忖度! 吉本御用スポーツ紙は「物証なし」だけ強調し復帰を扇動
萩生田光一ら非公認“裏金”候補に自民党から政党助成金2000万円振込み発覚も…選挙情勢では続々当選の可能性
“裏金”“統一教会”の萩生田光一を応援する極右勢力と有名テレビコメンテーター 一方、新たな裏金疑惑を検察が捜査開始の報道も
石破茂が史上最速で馬脚あらわに! 手のひら返し解散、統一教会も裏金も再調査せず、菅・麻生以外の人事も酷い
安倍首相が統一教会に選挙支援依頼の証拠を朝日がスクープ! 進次郎のバックにいる菅義偉や萩生田光一もあらためて追及せよ
高市早苗のヤバさは極右思想だけじゃない! 総務省文書問題、統一教会との関係、政治資金規正法違反をめぐる“大嘘”の数々
傀儡・小泉進次郎が改革できない“キングメーカー菅義偉”の官房機密費疑惑! 不正選挙やメディア対策にも
兵庫・斎藤知事問題で維新の責任を改めて検証! 局長を“自死”に追い詰めた維新県議、課長の自死は吉村肝煎り優勝パレードが原因か
松本人志「訴訟取り下げ」でワイドショーが醜悪な忖度! 吉本御用スポーツ紙は「物証なし」だけ強調し復帰を扇動
『仰天ニュース』“赤木ファイル”特集で安倍政権・公文書改ざん事件の卑劣があらためて注目! 中居正広も「あってはならない」と
ジャニーズ会見で井ノ原の「ルール守って」発言賞賛と記者批判はありえない! 性加害企業が一方的に作ったルールに従うマスコミの醜悪
ジャニーズ性加害でジュリー社長辞任もテレビ局は検証放棄! 局内での行為が疑われるテレ朝とNHKの無責任な姿勢
ジャニーズ性加害問題で露わになったテレビ局の共犯性! ジュニアの練習場を提供したテレビ朝日はジュリーの謝罪後も批判なし
坂本龍一が最後まで中止を訴えた「神宮外苑森林伐採・再開発」の元凶は森喜朗! 萩生田光一も暗躍、五輪利権にもつながる疑惑
れいわから出馬 水道橋博士が主張する「反スラップ訴訟法」の重要性! 維新・松井だけでなく自民党も批判封じ込めで訴訟乱発
自公維新が提出「国民投票法改正案」にネットで批判の声広がる! 小泉今日子も〈#国民投票法改正案に反対します〉と投稿
三浦瑠麗が「医者はワイドショー見てコロナ怖がりすぎ」と医療従事者を嘲笑! 専門家から反論されると半笑いで「私、医者じゃないんで」
Netflix版『新聞記者』の踏み込みがすごい! 綾野剛が森友問題キーマン官僚に、安倍御用ジャーナリストはあの人が…
国民民主・玉木雄一郎の不倫に“政治活動中の公私混同”疑惑が浮上! ヤバすぎる差別体質とビジネス右翼ぶりにも懸念の声
“裏金”“統一教会”の萩生田光一を応援する極右勢力と有名テレビコメンテーター 一方、新たな裏金疑惑を検察が捜査開始の報道も
窮地の岸田首相が一番頼りにしているのはあの「Dappi」“仕掛人”説の自民党・元宿仁事務総長!「日本の黒幕」特集本が暴いた新事実
兵庫・斎藤知事の「パワハラ告発職員」追いつめに維新県議が協力していた! 職員は吉村知事肝いり「阪神優勝パレード」めぐる疑惑も告発
“既成政党に与しない”石丸伸二の選対本部長は「自民党政経塾」塾長代行! 応援団筆頭に統一教会系番組キャスターの元自民党職員も
小池百合子が都幹部だけでなく“最側近”を天下りさせていた!「大日本帝国憲法復活」「国民主権を放棄せよ」の請願に関与の元特別秘書
大阪万博建設現場のメタンガスが急増し1日2tも発生! 3月の爆発事故では「通報遅れ」「天井破損」を隠蔽していたことが発覚
萩生田光一が裏金問題で提出した「領収書の嘘」が発覚! 安倍元首相が「官房機密費100 万円を参院候補者に手渡し」報道も
吉村知事はガス爆発でも開き直り「他区域ではガスが出ない」と大嘘! 地下鉄工事でメタンガス確認、大阪市も発生可能性認めたのに
吉村知事が「万博出禁」と攻撃した玉川徹のコメントはどれも当たり前の指摘ばかり! 吉村の言論弾圧体質はプーチン並み
維新ゴリ押し 万博&カジノにかかる金はインフラ整備を含めると8000億円以上だった! 大半が国と大阪市の負担、巨額の税金も投入
防衛費増額の財源で「法人税」を削除し「国民全体の負担」だけにした政府有識者会議は読売社長、日経元会長、朝日元主筆がメンバー
菅首相の追加経済対策の内訳に唖然! 医療支援や感染対策おざなりでGoToに追加1兆円以上、マイナンバー普及に1300億円
菅首相のコロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰! ブレーンの「中小は消えてもらうしかない」発言を現実化
菅首相の追加経済対策が“自助”丸出し! コロナ感染対策は10分の1以下、大半が新自由主義経済政策に…坂上忍も「バランスおかしい」
悪評「マイナポイント」事業の広報費は54億円、1カ月で半分を浪費! 事務局事業も電通がトンネル法人通じて140億円
三浦瑠麗のアマプラCMは削除されたが…amazonもうひとつの気になるCM! 物流センター潜入取材ルポが暴いた実態とは大違い
安倍首相“健康不安”説に乗じて側近と応援団が「147日休んでない」「首相は働きすぎ」…ならば「147日」の中身を検証、これが働きすぎか
正気か? 安倍首相の諮問機関「政府税調」がコロナ対策の財源確保と称し「消費税増税」を検討! 世界各国は減税に舵を切っているのに
東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望! コロナで病院経営悪化も安倍政権は対策打たず加藤厚労相は “融資でしのげ”
斎藤知事が百条委員会欠席で「知事会出席」を理由にするも…前の知事時代には政府主催の知事会を欠席しあの時の懇話会に参加
萩生田光一ら非公認“裏金”候補に自民党から政党助成金2000万円振込み発覚も…選挙情勢では続々当選の可能性
安倍首相が統一教会に選挙支援依頼の証拠を朝日がスクープ! 進次郎のバックにいる菅義偉や萩生田光一もあらためて追及せよ
高市早苗のヤバさは極右思想だけじゃない! 総務省文書問題、統一教会との関係、政治資金規正法違反をめぐる“大嘘”の数々
傀儡・小泉進次郎が改革できない“キングメーカー菅義偉”の官房機密費疑惑! 不正選挙やメディア対策にも
兵庫・斎藤知事問題で維新の責任を改めて検証! 局長を“自死”に追い詰めた維新県議、課長の自死は吉村肝煎り優勝パレードが原因か
自民党総裁選広告「THE MATCH」は「おじさん」どころか「腐敗ジジイの詰め合わせ」だ! 担当の平井広報本部長は親族ぐるみ税優遇
岸田首相「総裁選不出馬」にごまかされるな! 後継候補の河野太郎、高市早苗、石破茂、小泉進次郎、小林鷹之の欺瞞
都知事候補討論会ですっとぼけるも…小池百合子に清和会時代、裏金を受け取っていた可能性が浮上! 派閥上納額は安倍を超える120万円
裏金裁判で安倍派幹部たちの嘘が明らかに! 抜け穴だらけの政治資金規正法改悪で幕引き図ろうとする自民・岸田政権
瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃も
「BTSグラミー賞逃す」報道に「韓国人のニュースいらない」「日本人の受賞を報じろ」と炎上攻撃が! 日本スゴイの精神的鎖国
ぼうごなつこ『100日で崩壊する政権』を読めば、安倍首相が病気で辞任ししたのでなく国民が声をあげ追い詰めたことがよくわかる
百田尚樹が「安倍総理にお疲れ様とメールしても返信なし、知人には返信があったのに」とすねると、2日後に「安倍総理から電話きた」
村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…
村上春樹がエッセイ『猫を棄てる』を書いたのは歴史修正主義と対決するためだった! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…
安倍首相に利用された星野源がエッセイに書いていた“音楽が政治に利用される危険性” 「X JAPANを使った小泉純一郎のように」
“宇予くん”で改憲煽動のJCと手を組んだTwitter Japanはやっぱり右が大好きだった! 代表は自民党で講演、役員はケントに“いいね”
ウィーン芸術展公認取り消しを会田誠、Chim↑Pomらが批判! あいトリ以降相次ぐ“検閲”はネトウヨ・極右政治家の共犯だ
「ノーベル賞は日本人ではありませんでした」報道で露呈した日本の“精神的鎖国” 文化も科学もスポーツも「日本スゴイ」に回収
幸福の科学出家騒動は清水富美加個人の責任なのか? カルト宗教信者の子どもたちが抱える問題
話題の本『夫のちんぽが入らない』のタイトルに込められた深い意味…しかし一方では広告掲載拒否の動きが
福島の子ども甲状腺がん検診「縮小」にノーベル賞の益川教授らが怒りの反論! 一方、縮小派のバックには日本財団
介護殺人に追い込まれた家族の壮絶な告白! 施設に預ける費用もなく介護疲れの果てにタオルで最愛の人の首を…
宇多田ヒカル「東京はなんて子育てしにくそう」発言は正しい! 英国と日本で育児への社会的ケアはこんなに違う
今もやまぬ人工透析自己責任論の嘘を改めて指摘! 糖尿病の原因は体質遺伝、そして貧困と労働環境の悪化だった
『最貧困女子』著者が脳機能障害に! 自分が障害をもってわかった生活保護の手続もできない貧困女性の苦しみ
雨宮塔子が「子ども捨てた」バッシングに反論! 日本の異常な母性神話とフランスの自立した親子関係の差が
『NEWS23』に抜擢された雨宮塔子に「離婚した元夫に子供押しつけ」と理不尽バッシング! なぜ母親だけが責任を問われるのか
小島慶子が専業主夫の夫に「あなたは仕事してないから」と口にした過去を懺悔!“男は仕事すべき”価値観の呪縛の強さ
人気記事ランキング
カテゴリ別ランキング
社会
人気連載
アベを倒したい!
ブラ弁は見た!
ニッポン抑圧と腐敗の現場
メディア定点観測
ネット右翼の15年
左巻き書店の「いまこそ左翼入門」
政治からテレビを守れ!
「売れてる本」の取扱説明書
話題のキーワード