圧力? 松井知事が森友学園の認可審議前に担当の私学課と異例の回数の打ち合わせ! 安倍首相と会う直前にも

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維新の会公式HPより


 森友学園問題で安倍昭恵夫人から籠池泰典理事長への100万円寄付問題が大きくクローズアップされているが、その一方で、またも大阪府による小学校設置認可に絡んだ疑惑が浮上した。

 18日付の朝日新聞によれば、大阪府の私立小学校設置の審査基準では土地の自己所有が原則で、例外的に借地も認めるものの、借地の上に校舎を建てることはできない。しかし、「認可適当」とされた2015年1月の私学審で府は「10年間の定期借地契約を行ったうえで、その契約期間内に購入予約」と説明。つまり、借地の上に校舎を建てるという審査基準に反した状態にあるにもかかわらず認可審議を行っていたのだ。

 朝日新聞の取材に対し、府の私学課長は「当時は正しいと思っていた。政治家からの働きかけはない」と返答しているが、もはや大阪府は「認可ありき」で動いていたとしか思えない。

 だが、松井一郎大阪府知事は、私学課が近畿財務局から認可を急かされていた事実を暴露し、「国は相当、親切やなと思いましたよね」などと“国からの圧力”を強調。「(府の)職員のみなさんがおもんぱかったんでしょう」などと、相変わらず自分が無関係であるかのような姿勢をとり続けている。

 しかし、松井府知事は本当に無関係で、圧力を“黙認”しただけなのか。ほんとうに現場の官僚だけでこんな決定ができるのか。

 実は、ネット上ではいま、松井府知事の奇妙な行動が指摘されている。大阪府 HPに掲載されている「知事の日程」を確認すると、松井府知事と「私学・大学課」が打ち合わせしていたことが記録されているというのだ。「私学・大学課」というのはまさに私学審の事務局担当で、借地契約で校舎を建てる見通しにもかかわらず認可審査を強行し、「認可適当」と判断を変えさせた部署だ。

 そこで本サイトもこの「知事の日程」を確認したが、たしかに森友学園が私学審に小学校の新設認可を申請した2014年10月31日直前に、松井府知事は“異例”の回数で私学課と打ち合わせを行っていた。

 記録を調べると、松井氏が府知事に就任して以降、私学課との打ち合わせは2012年3月に5回行っていることを除いて、多いときで1カ月間に3回、1度も打ち合わせをしていない月もあるような頻度だ。

 しかし、2014年10月は、7日、8日と連続で私学課と打ち合わせをし、さらに20日(月)から24日(金)の週は、議会に出席していた23日(木)を除いて毎日、私学課と打ち合わせを行っている。20日にいたっては、1日のうちに2回も打ち合わせをしている。森友学園が小学校の新設認可を申請したのは、翌週の金曜日のことである。

 また、私学審が森友学園の小学校設置について最初に審議したのは同年12月18日だが、その2日前にも松井府知事は私学課と打ち合わせ。しかも、記録によれば、14時10分から知事室にて私学課と打ち合わせを開始し、次の日程は16時5分から同じ知事室で行われている。つまり、この記録を読む限りは、1時間55分もの長時間をかけて私学課と打ち合わせをしていたことになる。

 そして、松井府知事は翌2015年1月7日に再び私学課と打ち合わせをしているが、その20日後に臨時で私学審が開かれ、「認可適当」という判断が下っている。

 森友学園からの設置申請直前というタイミングで、1カ月のあいだに7回という異常な回数で私学課と面談していた松井府知事。これはあからさまに不審な動きだが、「知事の日程」を見ると、もうひとつ気になる記録があった。

 それは、2014年4月18日の日程記録だ。この日、松井府知事はやはり異例にも1日に2回も私学課と打ち合わせを行っているのだが、じつは同じ日の夕方から、松井府知事は安倍首相と会っているのだ。

 この日、安倍首相は午後一番で来阪し、『そこまで言って委員会NP』の収録に参加。その後、17時40分より「あべのハルカス」を視察しているのだが、ここで松井府知事と橋下徹大阪市長(当時)が安倍首相に同行しているのである。

 2014年4月といえば、籠池理事長が鴻池祥肇議員に口利き依頼のために「こんにゃく」を差し出した月であり、籠池理事長は小学校設立のために必死に駆け回っていた時期とみられる。しかも、前年である2013年には籠池理事長は私学課に「安倍晋三記念小学校」という校名を考えていることを伝えており、近畿財務局もすでに私学課に対して「圧力」をかけていた。そうしたタイミングで小学校認可の責任者である松井府知事は安倍首相と会い、さらには同日、安倍首相と会う直前まで2回も私学課と打ち合わせをしていた──。

 はたして、ここまでタイミングが見事に符号するものなのだろうか。松井府知事は安倍首相と直接会う際に「安倍晋三記念小学校」の“認可の進捗”を報告するために2回も私学課と打ち合わせをしたのではないか、そんな疑念が頭をもたげてくるのだ。

 籠池理事長ひとりを証人喚問しても、事実は明らかにならない。国だけに責任を被せ、逃げ切ろうとする松井府知事だが、氏が小学校認可の鍵を握っていたことは明白だ。迫田英典・前理財局長と同様に、松井府知事の証人喚問が行われなければ、真相はいつまでたっても藪の中だろう。

最終更新:2017.11.21 03:49

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