香取慎吾は引退なんて考えていなかった! 前向き発言もしていたのにジャニーズにSMAP解散の原因にされ…

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契約更新の来年9月、香取の選ぶ道は…

 SMAPの年内解散が近づくなか、昨日6日、東京スポーツがこんな見出しを掲げた記事を掲載し、注目を集めている。

「SMAP香取 来年9月で引退」

 見出しの通り、東スポは香取がジャニーズ事務所との契約が切れる来年9月で芸能界を引退することがすでに決定していると断言。理由は〈「裏切り者」とされる木村拓哉への嫌悪感〉であり、テレビ局関係者は「木村の裏切りで完全に気持ちが切れている」「香取のかたくなな姿勢に事務所側も認めた格好」と証言している。

 しかし、この東スポの“スクープ”に対する世間の反応は冷ややかだ。ネット上では「『ネッシー出産』とか1面に載せる東スポだから」と相手にされておらず、本日放送の『バイキング』(フジテレビ)でもウーマンラッシュアワーの村本大輔が「あることないこと書き放題ですよね。香取くんが芸能界を引退するみたいな記事がヤフーニューストップに書いていましたよね」と東スポ記事をガセだと否定するような発言を行った。

 だが、今回の東スポの記事は、ある部分では真実だ。否、「真実になりそうなところに追い込まれつつある」というのが事実だろう。

 しかし、その前に、まず間違っている部分を指摘しておく必要がある。それは香取がまるで自らの意思で引退を決めたかのような証言だ。だが、香取に当初、芸能界引退の意思はなかった。

「たしかに昨年、飯島三智マネージャーとメンバーが独立を決心した後、年末になって木村がジャニーズサイドに寝返ったことに対し、他メンバーと同様に香取も“裏切られた”と木村に怒りを抱いていました。解散を強く主張したのもたしかです。しかし、芸能界引退までは考えていなかった。ところが、その後のジャニーズ事務所からの圧力にただひとりなびかなかったため、仕事を干されて、引退を考えるところまで追い詰められていったということです」(芸能記者)

 事実、解散発表直後の『SmaSTATION!!』(テレビ朝日)では、ゲストの東山紀之に「3度目も来てください。休みません」と発言。これは東山がゲスト出演した前回、香取がインフルエンザで番組を欠席したため「休みません」と述べた言葉だったが、解散報道で香取の今後の去就にも注目が集まっていたなか生放送で「3度目も来てください」と香取があえて言ったのは、“これからも番組を続けていきたい”というメッセージでもあったはずだ。

 さらに、8月の解散発表直前、飯島マネージャーが「週刊文春」(文藝春秋)に直撃を受けた際も、香取がドラマの打ち上げで「明日、自殺しているかも」と発言するなど騒動にショックを受けているのではと問われ、「そんなことはない。(彼らは)そんなに弱くないです。そんなに弱くないと思いますよ」と強く否定。SMAPを大事にしてきた香取といえども、独立が頓挫したショックで自暴自棄になるほど弱くはないと強調している。

 だが、報道では一貫してSMAP解散は香取が原因であると書き立てられてきた。本サイトでも解散発表後に報じたように、ジャニーズ事務所は解散の原因を香取に押し付け、解散発表時にジャニーズがマスコミに撒いた文書でも〈議論を続ける中で「今の5人の状況ではグループ活動をすることは難しい」というメンバー数名からの要望を受け、7月の音楽特番を辞退させていただいた経緯がございました〉と明記。しかも、記者たちへのオフレコのブリーフィングでは「とくに香取が絶対に木村と一緒に仕事をしたくないと強硬だった」などと説明していた。

 じつは、この“香取解散原因説”は、解散発表前からのジャニーズの既定路線だった。解散を発表する直前である7月28日に発売された「女性セブン」(小学館)では、「聞こえてきた『香取の乱』の絶望的な話」というタイトルの記事を掲載し、11月から予定されていたといわれるSMAPの全国ツアーと新曲のレコーディングが、香取の拒否姿勢で一転、中止になったと伝えていた。週刊誌のなかでももっともジャニーズの御用雑誌である「女性セブン」だが、無論、この記事もジャニーズの意向のもと書かれたものだ。

 結果、解散発表後はスポーツニッポンや日刊スポーツ、サンケイスポーツといったスポーツ紙も“飯島マネージャーを母親のように慕っていた香取が解散の原因”とミスリードしていったのだ。

 そうした流れはいまでも変わらない。実際、「女性セブン」は10月13日号で、草なぎ剛が「木村くんを孤立させる意図はなかった」と語っていたとし、“解散を強弁した”香取にもその気持ちを伝えたがっているのではないかと報道。さらに11月10日号では、木村と中居の仲が戻りつつあるとする一方、“解散を主張した香取と木村の関係が修復すれば奇跡が起こる可能性はある”と報じた。

 また、先週発売の「FRIDAY」(講談社)も“解散回避のキーマンは草なぎ”とする記事のなかで「楽屋でキムタクのダメ出しをする香取をなだめているのが草なぎ」という芸能プロ幹部のコメントを掲載している。

 当初は木村とそのほかのメンバーが対立していると盛んに報じていたのに、ここにきて香取以外のメンバーと木村の関係が戻りつつあるという内容に一転──。もちろんその裏側には、ジャニーズ事務所の“意図”がある。

「こうした解散回避という“希望的観測”が流されるようになったのは、一向に木村の“裏切り者”というイメージを払拭できないためです。他のメンバーは木村を許している、なのに香取だけがひとり頑なに木村を拒んでいるという情報を流布することで、木村のイメージ回復を狙っているんですよ」(週刊誌記者)

 ほとんど“いじめ”のようにジャニーズ事務所から解散理由のスケープゴートにされてきた香取が、事務所に強い不信感を抱くのは無理もない。つまり、香取の「芸能界引退」というのは、木村への嫌悪感というよりもジャニーズの嫌がらせによって「引退に追い込まれようとしている」というのが現実だ。

 司会者として盤石の地位にある中居正広をはじめ、草なぎは1月スタートの連続ドラマ主演が発表され、稲垣吾郎も同じく1月にスペシャルドラマ出演が決まっているが、ただひとり、香取だけが今後の仕事が入っていない。これも本人の希望ではなく“事務所の方針”だといわれている。こうしたなかで香取が芸能界に愛想を尽かせても、何も不思議ではないだろう。

「とくに、最近の報道だと。親友の草なぎまでがジャニーズに切り崩された感じですからね。これはかなりショックだったんじゃないでしょうか」(前出・芸能関係者)

 もし香取が芸能界を引退したとしても、それは本人の意思などではない。むしろ今回の引退報道であらためて浮き彫りになったのは、自分たちの思い通りにならないメンバーは切り捨てるというジャニーズ事務所の非道さなのだ。
(時田章広)

最終更新:2016.11.07 10:01

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