自民党の都知事候補に嵐・櫻井翔の父親…総務省とジャニーズの二重タブーで一切の批判が許されない都知事に

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次の都知事が櫻井翔の父親なら、タブーだらけの最強都知事に!?

 舛添要一東京都知事がついに辞職願を提出した。本サイトがこれまで何度か指摘してきたように、舛添と同様の公私混同は石原慎太郎元都知事や橋下徹元大阪市長、そして安倍晋三首相はじめ多くの政治家がやっていたことだ。それが、なぜ舛添だけが集中砲火を浴び、辞任に追い込まれたのか。そのことについては、改めてきちんと検証してみたいと思っているが、とりあえず気になるのが、舛添の後の都知事選に誰が立候補するのか、だ。

 一番根強く噂されているのは、やはり“あの人”、橋下徹前大阪市長だろう。実は永田町では「橋下が官邸の出馬要請を受けた」という情報が駆け巡っている。当初、舛添を辞職させることに消極的だった自民党東京都連が、この2日間で一気に方針を転換、不信任案提出に同意したのもこれが理由だったのではないかと言われている。

「橋下氏と仲の良い菅義偉官房長官がかなり前から口説いていて、一昨日くらいに内諾を取り付けたという情報が出回ったんです。すわと色めき立ったんですが、各社とも裏を取りきれず、そのままになっています」(全国紙政治部記者)

 だが、一方で、橋下については自民党東京都連が「橋下なんかに知事になられたら、大阪の二の舞になる」と激しい抵抗を見せたため、官邸も都知事選に出馬させるのを断念したという話もある。

 実際、ここにきて、別の都知事候補の名前を、週刊誌やテレビが一斉に報道し始めた。

 その人物とは、桜井俊総務省事務次官。ジャニーズのアイドルグループ「嵐」櫻井翔のパパだ。

 桜井俊次官は、東大法学部から1977年に旧郵政省に入省後、総合通信基盤局長、情報通信国際戦略局長、総務審議官などを経て、現在は総務省トップの次官にのぼりつめたエリート。

 桜井氏の名前を最初にもちだしたのは、今月初めの夕刊フジ。舛添騒動の最中、今年7月に退官が決まったことから、「都知事候補か」と打ったのだが、この時点ではまだマスコミ辞令にすぎなかった。

 ところが、先週くらいから自民党東京都連が桜井俊氏担ぎ出しに動き始め、積極的にマスコミに情報を流し始めたのだという。

「今週に入って、『週刊ポスト』が記事にしたのを皮切りに、『羽鳥慎一モーニングショー』『情報ライブ ミヤネ屋』なども桜井氏を都知事候補として報道し始めた。これらの背景には自民東京党都連の前のめりな姿勢があるようです。都連の言い分としては、2代続けてタレント知事でこうなってしまったんだから、今度は安定感のある官僚がいい、ということですが、本音は櫻井翔の父親ということで、話題性もあって一気に女性票を獲得できると踏んでいるんでしょう。しかも、息子の翔はリオ五輪で日本テレビのキャスターを務めますからね。盛り上がることは間違いない、当選確実ですよ」(民放政治部記者)

 しかも、この計画には官邸も乗り気なのだという。というのも、桜井氏はもともと自民党、とくに安倍政権の幹部とべったりの官僚なのだ。

「桜井氏はNTTの分割を主導したのですが、そのときに協力関係を築いたのが、NTT出身の総務族議員・世耕弘成氏だった。また、安倍政権最大の実力者である菅官房長官のおぼえもめでたく、菅氏が総務大臣のときに総合通信基盤局長電気通信事業部長から総括審議官に引き立てられています。民主党政権時代には逆にラインから外されていましたが、第二次安倍政権になって、菅官房長官がナンバー2の審議官に抜擢した。今回の舛添都知事の問題がなくても、菅官房長官は桜井氏を衆院選に引っ張り出す計画があったと言われていましたから、もし橋下氏で調整が難しい場合は、桜井氏という線はかなりあるでしょう」(総務省関係者)

 そう考えると、桜井氏が都知事になったとしても、安倍政権の傀儡であることはまったく変わりはない。

 さらに怖いのは、桜井氏が橋下氏や石原元都知事以上に、批判を許さないマスコミタブーになってしまう可能性が高いことだ。

「桜井さんは、地デジ化を指揮するなどテレビ事業にダイレクトに関連する電波・通信事業畑を歩んできた官僚で、もともとテレビ局にとっては頭が上がらない存在。一方、息子の翔が所属するジャニーズ事務所もマスコミにとっては絶対的タブー。いわば、二重のタブー性ができあがってしまうわけです。とくに、ジャニーズタブーは新聞やテレビだけでなく出版社も抱えていますから、スキャンダルや金銭疑惑があっても、週刊誌が記事にするというのはかなり難しくなるんじゃないでしょうか。実は、桜井氏担ぎ出しの背景には、桜井氏ならスキャンダルを封じ込められるという思惑もあるようです」(テレビ局関係者)

 自民党の都知事候補は他に、谷垣禎一幹事長、石原伸晃経済再生相、小池百合子氏、下村博文氏などの名前も上がっているが、「マスコミがきちんと批判できるかどうか」という観点で捉えると、もっとも手ごわく、最悪なのは、実はこの桜井パパなのかもしれない。
(田部祥太)

最終更新:2017.12.05 09:54

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