安倍首相夫人アッキーの本が出版中止か?原因は芸能界タブーにふれたから…

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安倍晋三首相の妻“アッキー”こと安倍昭恵夫人(画像は「安倍昭恵オフィシャルサイト」より)


 内閣改造で支持率アップし、タカ派政策にも批判は皆無、まさに「向うところ敵なし」の安倍晋三首相。ところが、その安倍首相にも唯一コントロールできない存在がいるらしい。他でもない、アッキーこと妻の昭恵夫人だ。

「勝手に雑誌のインタビューに応じるうえ、反原発や反TPPなど、安倍政権の政策と真逆の発言を平気でしてしまう。他にも居酒屋の経営を公表しちゃったりと、とにかく何をやりだすかまったくわからない。周囲も昭恵夫人には頭を抱えています」(政界関係者)

 実は最近も、その奔放な言動が原因で、あるトラブルを引き起こしてしまったようだ。

「実は、大手出版社の幻冬舎で昭恵さんの本を出版する計画が進んでいたんです。安倍首相について書いたエッセイ集で、夏前には出ると聞いていたのになかなか出ない。それで聞いてみたら、原稿もほとんどできていたのに、急にペンディングになったようなんです。もうこのまま出ないんじゃないか、ともいわれている」(出版関係者)

 幻冬舎といえば、最近、社長の見城徹氏が安倍首相と急接近し、首相のメディア対策の指南役をつとめているともいわれる。今回も当然、見城氏と安倍首相の関係から実現した出版計画だと思われるが、それがなぜ、中止になったのだろうか。

 何か原稿にとんでもないことが書かれていたのか?と思いきや、本の内容じたいが問題になったわけではないらしい。今回の出版延期はそのタイミングを考えると、昭恵夫人が芸能タブーに触れてしまったことが関係しているようなのだ。

 一部では知られた話だが、昭恵夫人は昨年末から今年にかけ、ある女性の告発を支援している。2012年に日本人で初めてミス・インターナショナル世界大会で優勝した吉松育美氏。吉松氏は2013年にケイダッシュの谷口元一氏からストーカー被害を受けたとして、訴訟を起こし、2度の記者会見まで行った。

「谷口氏はケイダッシュの役員ですが、バーニングの周防郁雄社長の右腕的存在でもある。芸能マスコミへの影響力は相当なもので、以前、谷口氏がつきあっていた川田亜子が自殺した際もさまざまな疑惑がもちあがったが、マスコミはまったく書けなかった。今回も吉松氏の告発をまともに取り上げたのは『週刊文春』くらいで、ほとんどのメディアは無視していた」(週刊誌記者)

 ところが、そんな中、なぜか昭恵夫人が「吉松さんと一緒に闘う」と全面擁護を宣言したのだ。当時の昭恵夫人のFacebookには吉松氏とのツーショット写真付きでこんな書き込みがある。

「昨年のミスインターナショナル、吉松育美さんと。マスコミの皆さん、特定秘密保護法の批判をするのなら、彼女のことをきちんと報道して下さい。全ての女性のために吉松さんと力を合わせていきたいと思います」(13年12月25日)

 さらに「週刊文春」(14年2月27日号)では、吉松と「大手芸能プロ幹部のストーカーを報じない日本マスコミの異常性」という対談をして、「今回、主人が総理になってから、女性がもっと輝ける社会をつくっていくために取り組んできた。そんな中で、彼女の問題が闇に葬られてしまっては絶対に良くない」と気炎をあげた。

 昭恵夫人の本の出版を進めていた幻冬舎がこのことに頭を抱えたのは想像に難くない。というのも、幻冬舎の見城徹社長はまさに、バーニングの周防社長の側近中の側近で、バーニングがらみのタレント本を次々出版する一方、バーニングの情報コントロールに全面協力してきたからだ。かつて「サンデー毎日」がバーニング批判キャンペーンをはった際には、記事に圧力をかけるべく直接当時の編集長に働きかけたこともある。

「いくら蜜月の安倍首相との関係で始まった出版企画とはいえ、昭恵夫人は周防社長のグループに真っ向から噛み付くような行動をしたわけですから。見城社長としては周防社長の顔に泥を塗るようなまねはできないでしょう」(前出・出版関係者)

 それにしても、昭恵夫人はなぜ、自分の夫の人脈に影響を与えるような行動をしたのか。おそらく昭恵夫人に他意はない。「文春」の対談で昭恵夫人はツイッターのコメントで吉松氏のことを知り、自分からその日のうちに連絡をとったと明かしている。とにかく思いついたら、即、行動し、周りのことなんか気にしない人なのだ。

 実際、冒頭のコメントにもあったように、夫人はともすれば、安倍内閣の足を引っ張りかねない主張であっても、それが正しいと思ったら平気で口にする。その最たるものが原発に関するスタンスだ。安倍首相は原発再稼働を声高に主張し、また海外への原発輸出に熱心だが、昭恵夫人は正反対だ。

「原発に関しては、これからどんな天変地異があるかわからない。何かあった時に、本当にパッとコントロールできるんだったらいいけれど、それができない限り、やっぱり私は反対なんですね」(「女性セブン」13年1月24日号)
「(日本が)外に原発を売り込んでいることに、私は原発反対なので、非常に心が痛むところがあるんです」(13年6月6日 参議院議員会館で行われた講演での発言)

 被災地の防潮堤についても「必要以上の高さはいらない」と見直しを提言した。実際、宮城県気仙沼市大島では、昭恵夫人の後押しもあり、高い防潮堤が作られることはなかった。その際、同地の小田の砂浜でのイベントに昭恵夫人も参加し、満面の笑みを浮かべながらフラダンスを躍ってみせた。

 震災問題だけない。安倍首相が強力に押し進めるTPPについてもこんな発言をしている。

「TPPは政府の政策。私は本音を言えば反対」(「ウォールストリート・ジャーナル」13年12月7日付)
「どんな外圧が入ろうが、地域の絆、エネルギーも食料も自給できるような、そんな地域をいっぱい作って、それをまとめていけたらいいなと。主人の政策とは違うかもしれないですけど」(前同・講演での発言)

 また、昭恵夫人は韓流が大好きで、韓国のミュージカルを鑑賞したことを記したFacebookが批判コメントで炎上したこともあったが、昭恵夫人はひるむことなく「全ての人や国と仲良くしたいというのが私の思いです」とコメント。さらに韓国との関係についてこんな発言をしている。

「私も韓流ファンなので友好的な関係を作っていくのには賛成です」(「週刊現代」12年9月8日号)
「パク・ヨンハは亡くなってしまいましたけれど仲はよかったです。一緒にゴルフをしたりご飯も食べたりしました。そんな感じでファンではあったし、コンサートにも行ったりしていました。いわゆる韓流ファンとは少し違うと思っていますが、韓国がそういうふうに私を見ていてくれることで韓国との関係がよくなればいいなと思いました」(「アサヒ芸能」12年11月15日号)

 とにかく、しょっちゅう夫の政策やヘイトスピーチをがなりたてるような夫の支持者たちとは正反対のことを堂々と口にしているのだ。安倍首相も当初はいろいろと説得を試みたようだが、最近は諦め気味で放任状態だという。

 しかしこうやって改めて読み返してみると、昭恵夫人が口にしている発言は素人っぽくはあるが、本質的には正しいことばかりではないか。少なくとも、いびつなプライドや癒着業界の利害しか考えていない安倍首相やその周辺よりはるかにこの社会や人間の未来を考えている発言だといっていいだろう。

 どうせなら、昭恵夫人にはこのまま“家庭内野党”としてもっと暴れ回ってもらって、安倍首相とその周りをおおいに困惑させていただきたい。野党やメディアの体たらくとアッキーの奔放な発言を比べてみると、意外とアッキーのほうが安倍政権打倒に力を発揮してくれるかも、なんてことつい思ってしまうのだが、それはいくらなんでも妄想がすぎるだろうか。
(田部祥太)

最終更新:2015.01.19 05:24

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