橋下徹が日本学術会議デマの説明求める取材に「無償のインタビューに応じていない」 望月衣塑子記者にスリカエ攻撃も

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菅首相について聞かれ「食事も一緒にさせてもらってますけど」

 橋下氏が今回、望月記者にABEMAの番組に出ろと言ってきているのも、この斉加記者に逆質問を繰り返したのと同じ手法と言っていい。新聞でじっくり検証されてしまうと、すり替えや詭弁がばれてしまうため、自分の土俵である冠番組に引っ張り込んで、逆質問を連発し、デマへの批判を封じ込めてしまおうと考えたのではないか。

 しかし、橋下氏がどうごまかそうと、橋下氏がデマの説明責任から逃げたのは明らかな事実だ。しかも、橋下氏は政治という公の問題についてデマを発信しながら、その説明を求められると「現在は一私人としての立場なので、無償でのインタビューには応じていない」と私的なビジネスのルールをもちだして取材を拒否した。

 ご都合主義としか言いようがないが、この「公」と「私」を都合よく使い分けるダブルスタンダードこそ、橋下氏の最大の問題と言っていい。

 周知のように、橋下氏は大阪市長辞職後も、「おおさか維新の会」の法律顧問を務め、その政策に大きな影響力を持ってきた。また、安倍政権時代から安倍前首相や菅義偉首相とも太いパイプを持ち続けてきた。とくに、維新の政策に全面協力してきた菅首相との関係は非常に緊密だといわれている。

 ところが、橋下氏はそうした政界への影響力を持ち続ける一方で、「市長を辞めたんだから私人」であると強調して、自分に対する批判を封殺。さらにここのところ報道番組やワイドショーに連日のように出演し始め、政治からは距離を置いたかのように振る舞いながら、維新擁護、さらには安倍・菅政権擁護を口にしてきた。

 そして、菅首相が誕生し、任命拒否問題が起きると、「菅首相は理由を説明する必要がある」としながらも、日本学術会議を攻撃し、最終的には菅政権をかばう発言を連発している。今回のデマツイートもその延長線上で出てきたものだ。

 実際、橋下氏は、『グッとラック!』(TBS)で、9月の菅政権誕生時に、「橋下さんだけが知る“菅首相”ってどんな人?」と質問された際、「食事も一緒にさせてもらってますけど、その時の話の内容とかもしゃべっちゃうと、田崎史郎さんグループに入っちゃうじゃないですか。それは絶対に言えないので」などと答えていたが、橋下氏のやっていることは田崎史郎氏よりもっと悪質だろう。

 だが、橋下氏のこうした表と裏の使い分け、ダブルスタンダードについて、メディアもネットもほとんど批判しない。今回のデマについても、同じく日本学術会議をデマ攻撃したことが発覚したフジの平井文夫氏はテレビに出なくなったが、橋下氏は批判されず、相変わらずテレビに出まくって世論を誘導している。この状況は想像以上に危険なことではないだろうか。

最終更新:2020.10.26 08:11

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