橋下徹が日本学術会議デマの説明求める取材に「無償のインタビューに応じていない」 望月衣塑子記者にスリカエ攻撃も

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「望月記者が『NewsBAR橋下』の出演依頼に無回答」を理由にした取材拒否はスリカエだ

 しかし、これらはすべて話のスリカエでしかない。『NewsBAR橋下』が東京新聞の望月記者に出演依頼していたのが事実だとしても、東京新聞が橋下氏の回答を全文を載せなかったとしても、橋下氏が発信したデマに関する説明責任とは、なんの関係もないからだ。

 しかも、スリカエ攻撃のために橋下氏が持ち出してきた話もお粗末すぎる。望月記者が『NewsBAR橋下』への出演依頼に無回答だというが、『NewsBAR橋下』というのはABEMAの橋下氏の冠レギュラー番組で、橋下氏がホストとして、ゲストと時事問題を対談するという番組。今年6月20日には、コロナの渦中に逃げるように国会を閉会してしまった安倍首相をゲスト出演させ、アシストとヨイショを連発していた、あの番組だ(https://lite-ra.com/2020/06/post-5489.html)。

 そんな自分の冠対談番組への出演依頼と、東京新聞・望月記者が橋下氏に質したデマの根拠の説明とは、まったく次元の異なる話だ。対談番組への出演はゲスト当人が自由に選べばいいが、上述したように自身のデマ発信については説明する責務がある。先に返事をしてからなどと交換条件になるような話ではない。むしろ橋下氏のほうこそ、他人に出演依頼するまえに、言論に関わる者として、まず自身のデマについてきちんと説明しろという話だろう。

 橋下氏は「現在無償でのインタビューには応じていない」という部分だけを掲載したことについて、〈都合のいい編集〉〈貴社の態度の問題点の指摘はバッサリ落とすという酷い編集〉と批判しているが、全文ではなく要旨だけを掲載すること自体は紙面や番組時間に限りのある新聞でも雑誌でもテレビでもよくあることだ。もちろん言ってもいないことを捏造されたり、編集によって意図が変わってしまっているのであれば大問題だが、「無償でのインタビューには答えていない」は橋下氏の回答の核になっている部分だ。実際、橋下氏は反論ツイートでも〈こんなんだったら無償でインタビューに応じる価値は全くなし〉と同様の主張を繰り返している。

 削除されたと喚いている〈貴社の態度の問題点の指摘〉とやらも、今回のデマ問題に関係ない話であれば、掲載しなくて当たり前だ。ツイートを見る限り、自身の番組への出演依頼に無回答ということくらいしか問題点が具体的に指摘されていないうえ、それ以外に世に問うべき東京新聞の問題点があるというのなら、自身の番組なりツイッターなりで全文公表すればいいではないか。

 あげく〈再度番組から貴殿に出演依頼をします。1時間の生放送で僕にインタビューを思う存分して下さい〉と来た。堀江貴文擁護発言について、本サイトに取材しろと言ってきたロンドンブーツ1号2号の田村淳もそうだったが(https://lite-ra.com/2020/10/post-5667.html)、彼らが自分を批判された際、テレビやYouTubeなどの動画に出演しろなどと言ってくるのは、テレビ慣れ(あるいは法廷慣れ)している彼らにとって、ライブや映像のほうが議論に勝っている印象を演出しやすいからだ。

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