タイマーズ再び!「音楽に政治をもちこむな」論が跋扈する今こそ振り返りたい、忌野清志郎の遺したメッセージ

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ユニバーサルミュージックジャパン公式サイトTHE TIMERSページより


 音楽に政治をもちこむな──今年の初夏、「FUJI ROCK FESTIVAL’16」に奥田愛基氏の出演がアナウンスされたことをきっかけに、こんなバカげた意見がネットを席巻したのは記憶に新しい。当サイトでは、フジロック、そして、ポップカルチャーとしての音楽の歴史を振り返りながら、それがいかに的外れな意見かを解説した記事を配信した(http://lite-ra.com/2016/06/post-2357.html)。

 ポップミュージックをめぐる言説がこんなにも貧困になってしまった昨今だが、そんななか、1980年代の終わりに突如登場したあるバンドが再評価を受け、人気が再燃しているという。

 そのバンドとは、RCサクセションの忌野清志郎が率いていた覆面バンド、ザ・タイマーズ(本人はあくまで「似た人物」であると主張し、自分が忌野清志郎であるとは認めていない)。法被にニッカボッカ、さらに学生運動の若者が被っていたようなヘルメットに身を包み、そして、その歌詞は徹底的に「大人」を皮肉るような内容のものばかり。作品内容については詳しく後述するが、バンド名の「タイマーズ」からして、「タイマー」は「大麻」とかけたものであり、当時30代後半に差し掛かっていた清志郎による、「良識的な大人」「日和見な大人」に対する闘争宣言とも呼べるものだった。

 先月23日、そんなタイマーズが89年にリリースした1枚目のアルバム『THE TIMERS』が蔵出し音源や秘蔵映像を追加して再発された。この再発盤はオリコン週間CDアルバムランキングで初登場14位を記録。秘蔵映像には、ゲリラ出演したライブで観客があまりにも熱狂し過ぎてしまい一時演奏の中断を余儀なくされるシーンなども収録されており、タイマーズが当時のリスナーからいかに支持されていたかを生々しく感じることができる。

 タイマーズというメチャメチャなグループができたきっかけは、清志郎がRCサクセションの活動のなかで表現内容をめぐりレコード会社と対立したことだった。

 88年、反核・反原発のメッセージソング「ラヴ・ミー・テンダー/サマータイム・ブルース」が発売中止となる。同曲は痛烈な社会風刺の歌詞が満載の過激な作品ではあったが、レコード倫理審査会の審査も通過し、シングルは6月25日、同曲を収録したアルバム『COVERS』は広島原爆投下の日8月6日発売で決定していた。

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