安倍首相のコロナ対策はなぜこんなに遅い? 28日会見でも具体的支援策提示なし、イベント自粛の補償も「難しい」…海外とは雲泥の差

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自殺した赤木さんのことを質問されたくなくて、学校再開に伴う会見を拒否した安倍首相

 先週19日、政府の専門家会議が、感染が確認されていない地域での学校での活動をおこなってよいとする新たな見解を打ち出したことにより解禁ムードを生み出し、その後の3連休は花見をはじめとして人出が多くなってしまった。本来なら、根拠もないまま場当たり的に一斉休校を打ち出した張本人である安倍首相が専門家会議の方針を受けて会見をおこない、なぜ感染が拡大するいまのタイミングで学校再開を決めたのかをしっかり納得のゆく説明をし(そんな説明ができるのかは甚だ疑問だし、解除方針の打ち出し自体拙速だと思うが)、その上であらためて気の引き締めを訴えておくべきだったのは言うまでもない。

 しかも、内閣記者会はこの19日に新型コロナ対策の新たな方針を打ち出す場合は総理会見を開くよう求めていた。だが、安倍首相は結局、20日の対策本部での表明にとどめたのだった。

 なぜ安倍首相は重大局面で会見を開かなかったのか。それは驚くべき「自己保身」が原因だった。

 21日付の東京新聞によると、当初は政府高官も、19日の専門家会議の見解を受けて〈「首相が会見することになると思う」との見通しを示していた〉という。しかし、18日に大きな問題が起こる。そう、「週刊文春」(文藝春秋)に森友公文書改ざん問題で自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの遺書と手記が発表され、これに世間が大きく反応したからだ。実際、政権幹部は東京新聞の取材に「記者会見だと、コロナと関係ないことも聞かれる。対策本部会合で語ればいい」と、総理会見を見送った要因が赤木さんの存在があることを匂わせている。

 つまり、本来ならば会見をおこなうべきタイミングであることを承知しながら、森友問題の質問を受けることを避けるために、安倍首相は会見をおこなわなかった、というのである。

 安倍首相はきょうの会見で「私たちが毎日見ている感染者の数は、潜伏期間などを踏まえれば2週間ほど前の新規感染の状況を捉えたものに過ぎない」などとしたり顔で語ったが、先週、自分が会見をおこなわなかったことの弊害は、過剰な検査の抑え込みなどがおこなわれないかぎり、来週には数字になってあらわれる。その数字がどんなものになるのか、そしてそれは、安倍首相が総理大臣としての責任を自己保身で放棄したことの結果であることを忘れてはならない。

最終更新:2020.03.28 11:19

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