安倍首相の会見はなぜ「出来レース」になったのか? 官邸記者の経験を持つ新聞労連委員長が語った“安倍政権下で起きた変化”

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
安倍首相の会見はなぜ「出来レース」になったのか? 官邸記者の経験を持つ新聞労連委員長が語った安倍政権下で起きた変化の画像1
14日、会見した安倍首相(首相官邸HPより)


 安倍首相の“コロナ会見”に大きな批判が集まっている。周知のように、2月29日の記者会見で安倍首相は、用意された原稿を一方的に読み上げたあげく、「まだ質問があります!」と声を上げる多数の記者を無視して会見を打ち切った。今月14日の首相会見では質疑応答時間こそ増やしたものの、やはり、まだ多くの記者が手を挙げているにもかかわらず長谷川榮一内閣広報官が打ち切ろうとし、「おかしいでしょう!」「これが記者会見と呼べますか?」と怒声が飛んだ。

 SNS上でも、その政府の不誠実な姿に大きな批判の声が噴出。3月5日には「十分な時間を確保したオープンな首相記者会見」などを求めるウェブ署名を開始され、すでに3万2000を超える賛同が集まっている。

 18日、このウェブ署名を呼びかけた2つの団体が、東京の日本記者クラブで会見を開いた。マスコミ関係労組でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)」と、国会の可視化などの活動をする「国会パブリックビューイング」だ。両団体は12日にその時点での2万8185人分の署名を内閣官房に提出し、内閣記者会(=官邸記者クラブ)所属のマスコミ19社にも送付。日本記者クラブに対して「再質問も行える十分な質疑時間を確保し、雑誌やネットメディア、フリージャーナリストを含めた質問権を保証した首相会見を行う」ことを申し入れ、17日には日本記者クラブの企画委員会で安倍首相に記者会見を要請することが決まったという。

 会見では、「国会パブリックビューイング」代表の上西充子・法政大学教授が「記者の人たちが権力側に圧されて質問ができなくなっている状態に忸怩たるものがあるがゆえに、その実情がなかなか表に出せないのではないか」と指摘。新聞労連委員長の南彰氏は、「官邸に政治権力が集中するなかで一方的な表現が続き、会見の主導権を握られている。為政者・権力者の発信が正しいか検証し、プロパガンダに陥るのを防ぐもっとも基本的な営みが記者会見であり、公の場での多角的な質疑だ」と訴えた。また、出版労連委員長の酒井かをり氏は「現在の首相会見では生活者や納税者の立場から知りたいことを知ることができない。記者会見を私たちの手に取り戻したい」と力を込めた。

 他方、安倍首相の記者会見をめぐっては、主催する内閣記者会所属のマスコミに対しても「茶番」「出来レース」だと批判が高まっている。

 安倍首相の“コロナ会見”で多くの人が目の当たりにしたように、首相会見では質問数や時間が決められ、官邸側に質問が事前通告されたうえで原稿が用意される。記者からの再質問による追及もない。3月2日の参院予算員会で、安倍首相は「あらかじめ記者クラブと広報室側である程度打ち合わせをしている」「あらかじめ質問をいただいている」と悪びれず答弁した。

 また、今月14日の首相会見では、質疑応答時間を増やし追加質問も受け付けたものの、これも実際には官邸側が事前に描いたシナリオだったという。西日本新聞は〈官邸はあらかじめ予定時間を20分と短く通知しておいた上で、「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出。首相が追加質問を受け付けるのも筋書き通りだった〉(3月15日付)と伝えている。つまり、14日の会見も批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていたのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

安倍首相の会見はなぜ「出来レース」になったのか? 官邸記者の経験を持つ新聞労連委員長が語った“安倍政権下で起きた変化”のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。上西充子南彰安倍晋三小杉みすず新型コロナウイルス記者会見の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 Dappi運営会社社長が、“安倍の懐刀”元宿自民党事務総長の親族の土地に家を
2 Dappi運営企業と取引報道の自民党ダミー会社は岸田、甘利が代表の過去
3 維新の野党共闘ディスが悪質!吉村知事も“暴言王”足立康史と一緒に
4 安倍晋三が杉田水脈の名簿順位を上げ、あの初村元秘書の公認ゴリ押し
5 有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が取引先のウェブ制作会社!
6 甘利明が「スマホは日本の発明」「消費税の使途は社会保障に限定」の嘘
7 岸田首相に「話が長くて中身がない」「何を言いたいのかわからない」と悪評
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
10 コロナ感染が再拡大するなか安倍首相が有名人とステーキ会食!
11 山口敬之の逮捕をツブした中村格の警察庁長官就任に広がる抗議!
12 『ひるおび!』出演者のバービーが番組の野党の扱いに疑問!
13 ネトウヨDappiと自民党の関係が国会で追及されるも岸田首相はゴマカシ
14 検察が河井陣営への“安倍マネー1億5千万円”で自民党本部関係者を聴取
15 辻元清美が自らの不正への対応を語って甘利明に説明要求!
16 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
17 すぎやまこういち死去報道で封印された歴史修正主義と性差別肯定発言
18 首相官邸のSNSはやはり電通が仕切っていた! 高橋まつりさんも母親に
19 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
20 忘れるな、福島原発事故の主犯は安倍だ
1Dappi運営企業と取引報道の自民党ダミー会社は岸田、甘利が代表の過去
2有名ネトウヨ「Dappi」の正体は自民党が取引先のウェブ制作会社!
3甘利明が「スマホは日本の発明」「消費税の使途は社会保障に限定」の嘘
4『ひるおび!』出演者のバービーが番組の野党の扱いに疑問!
5甘利幹事長に「闇パーティ」広告塔疑惑
6ネトウヨDappiと自民党の関係が国会で追及されるも岸田首相はゴマカシ
7Dappi運営会社社長が、“安倍の懐刀”元宿自民党事務総長の親族の土地に家を
8岸田首相の解散直前『報ステ』単独出演に「放送の中立性欠く」と批判殺到!
9辻元清美が自らの不正への対応を語って甘利明に説明要求!
10岸田首相に「話が長くて中身がない」「何を言いたいのかわからない」と悪評
11安倍晋三が杉田水脈の名簿順位を上げ、あの初村元秘書の公認ゴリ押し
12維新の野党共闘ディスが悪質!吉村知事も“暴言王”足立康史と一緒に
13すぎやまこういち死去報道で封印された歴史修正主義と性差別肯定発言

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄