玉川徹がワイドショー嫌韓報道の舞台裏を告発!「専門家が『他局では韓国に厳しいことを言ってくださいって言われる』と」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

日韓対立を仕掛けた安倍政権の責任や歴史修正主義を検証するテレビは皆無

 また、コメンテーター自身がそうした事実や日本側の問題点について発言しようにも、そもそも番組のトピックの立て方じたいが、韓国だけを一方的に批判する文脈でつくられている。

 現在の日韓対立は、本サイトでも先日検証したように(https://lite-ra.com/2019/08/post-4923.html)、すべて安倍政権の仕掛けから始まっているが、そうした見方に基づいた検証も指摘も、この間テレビでお目にかかったことは一度もない。普段は両論併記や中立の建前にあれだけ固執し、韓国側の問題点を並べ立てる報道は連日これだけ溢れているのに、だ。

 たとえば、反日デモのひどい様子や韓国政治家の過激発言のVTRや詳細なパネルは用意されていても、日本の嫌韓デモや日本の政治家の韓国ヘイト発言はまったく取り上げられない。また、日韓対立の根本的な原因は、安倍政権の嫌韓政策と歴史修正主義にあるが、そうした歴史問題をきちんと検証するようなトピックもパネルもフリップもVTRも用意されていない。

 日本政府に批判的なコメントや韓国に理解を示すようなコメントをした者が、次第に呼ばれなくなったりいつのまにか降板させられたりし、一方で韓国批判でどれだけ暴走してもなんのお咎めもない。

 明確な指示はなくとも、こうした状況を客観的に見れば、番組の求めているコメントがどういうものかは誰でもわかる。

 そんななか、残り少ないリベラルなコメンテーターたちも、嘘はつかなくとも、空気を読み、許される範囲を推し量りながら喋っている。日韓対立問題について、いま日本のテレビ番組やワイドショーやニュース番組で流されるいちばんギリギリのまともなコメントは、せいぜい「韓国政府にも日本政府にも責任がある」「韓国市民と文在寅政権は別と考えなくてはいけない」などの、“どっちもどっち論”レベルにすぎない。

「嘘は言ってない」「どっちもどっち」というエクスキューズ。大手メディアがこれを長年繰り返してきた結果、「韓国政府も日本政府もどちらも問題がある」という中途半端な“どっちもどっち”論でお茶を濁す程度で、よく言ったと言われるようなところまで後退しているのが、現在の言論状況だ。

 しかも、その程度の“どっちもどっち”発言ですら、コメンテーターたちは「韓国の味方をした」と炎上にさらされる。それでも、そうした発言すら、テレビからなくなってしまうよりはマシだという思いのコメンテーターもいるだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

玉川徹がワイドショー嫌韓報道の舞台裏を告発!「専門家が『他局では韓国に厳しいことを言ってくださいって言われる』と」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ワイドショー大竹まこと大竹まこと ゴールデンラジオ嫌韓室井佑月東国原英夫武田邦彦玉川徹編集部羽鳥慎一モーニングショーの記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄