大坂なおみ差別はAマッソだけじゃない! 『今夜くらべてみました』も大坂の外見揶揄する差別モノマネ

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『今夜くらべてみました』が流した「ブラックフェイス」はなぜ差別なのか

「ブラックフェイス」というのは、19世紀のアメリカで流行った「ミンストレル・ショー」を源流としている。これは、白人が顔を黒く塗って道化を演じたもので、その出し物の根底には黒人に対するグロテスクな差別があった。

 黒人差別と表現の問題を論じた『「ちびくろサンボ」絶版を考える』(径書房)によると、このミンストレル・ショーは〈黒人の無知や無知から来ると思われていた明るさを笑いものにした〉芸風で、〈二十世紀の中頃のテレビ・映画のなかの黒人イメージにまで色濃く影響を及ぼしたと言われる〉とある。

〈当初は白人が顔を黒く塗り黒人奴隷の服装をして、黒人の「愚行」を演じていたが、それはあくまで白人が望んだ範囲での黒人の愚かしさであったり、白人の主人への忠実な奴隷像だったりした。またこの中で唄われる「ニグロ・ソング」も、同様に当初は白人の想像上の産物であって、黒人の実際の心情を反映されたものではなかった〉(同上)

 こうした歴史的背景もあって、アメリカのメディアでは、ブラックフェイスは絶対にやってはいけない差別表現として認識されている。

 2018年には、アメリカのテレビ番組『Megyn Kelly Today』(NBC)で、司会者を務めるメーガン・ケリー氏が「白人がブラックフェイスに、黒人がホワイトフェイスにすると問題になる」「子供の頃は、キャラクターのように変装することについては、OKだった」「(ハロウィンで)黒人歌手のダイアナ・ロスに扮し、肌を黒くしたら、物議を醸し、人種差別者扱いされた。分からないわ。ダイアナ・ロスを好きじゃない人なんているかしら?」(2018年10月27日付ニュースサイト「mashup NY」より)といった発言を行い炎上。後に謝罪したものの、『Megyn Kelly Today』はNBCとの契約途中で打ち切りになるということも起きている。

 アメリカではブラックフェイスを肯定しただけでこのような事態になるわけだが、日本ではお笑い芸人やタレントのブラックフェイスギャグが野放しになっている。

 2015年には、ももいろクローバーZとラッツ&スターが顔を黒塗りにした共演オフショットをSNSにあげたところ炎上しているし、2017年の大晦日には『今夜くらべてみました』と同じ日本テレビの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル!絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』において浜田雅功が映画『ビバリーヒルズ・コップ』でのエディ・マーフィーのコスプレという設定で顔を黒塗りにして問題に発展している。

 浜田のケースでは日本国内にとどまらず、海外からも抗議の声が寄せられ、BBCやニューヨークタイムズまでもが「人種差別的だ」と報じる国際的な問題となった。しかし、日テレも番組も謝罪することもなく、あろうことか年明けに放送された同番組の完全版スペシャルでも該当箇所はカットされることなくそのまま放送された。

 また、大坂なおみ選手についても、日清食品「カップヌードル」のテレビCMに登場した大坂選手のアニメキャラクターが実際の大坂選手よりも白いことが問題になり、これが「ホワイトウォッシュ」であるとして問題になったこともある。

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